15.トイレットペーパー
そう、トイレットペーパー。
急務である。
ぶっちゃけるとトイレ本体で頭いっぱい胸いっぱいで忘れていたのだ。
ポケットティッシュはけちけち使っているがもう残り少ない。
ボロリネンも大量にあるわけじゃない。
はっぱで拭くという最終手段は残されている。
でもそんなのいやだ。
その日は日暮れを迎えていたので断念。
次の日からあわてて紙作りに取りかかった。
まず昨日の要領で木箱、『楽しい和紙作り』という蔵書を参考に、馬鍬という木をくし状に組み込んだ道具を急造する。
リネンと藁の茎で作った筵もどきを木の枠にはめ込み、紙すき枠も作成。
その上でパルプの原料採取に向かう。
はじめは木チップにしようと思っていた。
だが植物図鑑を片手に湖周辺をさまよっていたところ、水辺に葦を発見。
(葦で作るとやわらかい紙ができるじゃないか。
とずっと前に通ってた紙すき教室のじっちゃが言ってた。
トイレットぺーパーにぴったり!
もはやこれは運命だッッ)
と鼻息も荒く葦での和紙作りを決意。
サイ君のウインドカッターで葦を大量に採取して、城塞に持ち帰る。
ここで紙すき枠の藁の筵もどきを葦のすだれもどきと交換。
藁だと少々こころもとなかったのだ。
その後、鍋とリネンで葦を蒸し、川でよーく水洗いしたら、ウインドカッターで粉々に粉砕。
それをトロナを砕き、焼いて作ったソーダ灰といっしょに鍋で煮込んでどろどろにする。
いっしょに海で取れたフノリを煮込んで糊を作る。
その糊とどろどろの葦を木箱に投入、馬鋤でよーく混ぜ込んだら、ざばざばと枠で流し漉きに。
1枚1枚板に重ねていき、一昼夜水分を自然排出。
翌日それをウインドカッターで加工した長方形の大きな石で、ゆっくりとプレス。
さらに翌日1枚1枚を板に貼り付けていき、天日干しに。
乾燥させたらようやく和紙が完成しました。
(紙すき教室のじっちゃは正しかった。
やわらかいよ~)
小さく切り分けてトイレ内の棚に収納。
ついでウインドカッターでこさえた石の水路と手水桶をトイレ出入り口にオン。
城塞扉からそこまで、渡り廊下も作ってみた。
ちゃんと壁と屋根と窓もつけてみた。
(ソーダ灰できたし、苛性ソーダもなんとかできそうだなー。
劇薬だから怖いけど。
あ、固形石鹸作れるじゃん)
止める人がいないからどんどんいく。