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俺と天使界  作者: 豆腐
4/5

第四話

からん、かららん――――


涼しい風が服の下を潜り抜ける。


俺たちより先に、澪がサッと扉を通り抜ける。

なんだ、なんだ…コイツ


店内には、アンティークでこまごまとした置物やら植物が飾ってあった。

洒落てんなぁ。

このような店は自分の街ではあまり見ないので、思わずあたりを見回してしまう。


「このサボテン、かわいい~…」


姫が入り口近くにあるサボテンをみて、呟く。


二人でカウンター席に腰掛ける。


客は少なく、俺たちを含めて6人だ。


「なんかいいですね、この店内… 落ち着くっていうか、和やかな気分になれます」


姫はこの店を気に入ったようだ。


店員はいないのか…?

なんてことを考えていると、宙を舞っていた澪が勝手に厨房へ入って行った。


何やってんだ、アイツ…!

勝手に行動しやがって。どうなっても知らんぞ。


つーかさっきっから澪のやつ、落ち着かなくね?

なんかあったのかね?


「碇君、何頼みますか」


「あ、俺は―――――この日替わりランチにしようかな」

「じゃあ、私も。 すみませーん、注文お願いします」


厨房の扉から一人のウェイターの格好をした少年が出てくる。


「はい」


「えっと、日替わりランチを2つ」

「かしこまりました。ご一緒に、ドリンクはいかがでしょう」

「どうする?」

姫に問うてみる。

「いや、私は良いです。金欠ですし…」

「そうなの? よかったらおごるよ」

「いやでもそんなの、碇君に悪いですし…!」

「別にこれくらい気にしなくてもいいよ。」

「……」

「いいってば」


人に気を使う優しい姫のことだから、このぐらいの事でも申し訳なく感じているのだろう。


「……じゃあ、お言葉に甘えて」

「おう」


「じゃあミルクティーをお願いします――――碇君は?」

「じゃあ、アイスコーヒーを」

「かしこまりました」


にっこりと、営業スマイルを浮かべた後、少年は去って行った。


接客業うまいなー…


あの少年、中学生だろうか。

―――にしても澪のやつ、どこへいったんだ

さっき厨房へ行ったきり、戻ってこない。

なにか変なことしてないだろーな…

まったく、本当余計な奴だな。


それにしても、これからどこへ行こうか…。

この辺でなんか楽しいとこ、あったかな。


「失礼します。ドリンクです」

先ほどの少年がアイスコーヒーとミルクティーを運んできた。

軽く会釈し、それを受け取る。

細いストローでカランコロン、と氷を鳴らしていると、澪が飛んできた。


「…謙人。きて。」

はぁ?何をいっとるんだコイツは。脳みそ機能してないんじゃないですかね?今ここに姫がいるってのにさー。

ムカツクのでガン無視してやる。ふん。

と、ストローに口をつけようとした瞬間、イスの下のすねをけられた。

「―――――っ!?」

痛い!痛いよ!?すねをけるって!?

ざまぁwwと言わんばかりの表情、澪。

て、てめぇこのやろぉ~~~~~……くっそ。

わーったよ、いけばいんだろ、いけば!!どーせこうなるってわかってたさ!!


「わ、悪い、姫。ちょっとトイレいってくるな」

「え?あ、はい」


澪に案内されるまま進む。

こいつ、自分の思いどうりにならないと何でもするな…。

「で、なんなんだよ」

「…仲間が、いた。」

「っはあ!?まじかよ」

「…うん。私はいつでも、本気。」

「ああそうかい」

って、展開はやいな!?天使全員で8人なんでしょ?もう3人も発見されてるとか…。

日本の狭さを知るね。

「…ここに入って」

澪の言う ここ とは、厨房だった。

コンソメスープのような料理のいいにおいがしてくる。はあ。ここに入れと。

「あ゛?何言ってんのおm」

ドガンッ!!

「きたきたぁ!!碇謙人君だねぇ~~~!?!?」

ばぁ~ん!!という効果音が聞こえてきそうな登場の仕方で、ツインテールの美少女(というか、幼女)が厨房の扉をブッ飛ばしてきた。


背丈は120~130cm程だろうか。かなり幼い容姿。

天使界の生き残った天使どもってのは、みんな子どもなのかね?怜央といい、澪(精神的にも)といい。

このこはまさに一番うざいガキんちょ位の年だな。

見るからに元気いっぱいでやかましそう。関わりたくねぇ~…。


「おぅおぅ、みおたんのお話どうりビバ凡人君だね~~!」


そして年上を敬うという事も知らないクソガキだ。


つーか澪!てめーどんな説明をこのガキにしてんだよ!!

この年頃のうるせーガキは1回教えられたことを変えるのは超タイへンなんだよ!!

単細胞だからな!


つーか口調がマジくっっっそうぜぇ。

そしてアニメにでも出てきそうなロリボイス。


「わぁ~、すっごいね!将来いかにも中間管理職やってそう笑」

何と失礼なガキだ。

「んでー、出世してもせいぜい課長とか部長??笑笑」

黙れ。おめーに何がわかるってんだよ。

「常になんか眠そうでー、だるそうな感じ?あっは、成績も中の下ってとこかな?」

あーうっぜぇ。

「部屋とかぜぇったいに個性ないデショ!どっかの不動産屋からもらったカレンダーとかしか貼ってない系?机とベッドとタンスしかない系??笑」

なんなんだ。

「好きなアーティストとかも超無難なグループとかでしょー?てか特に好きなのなさそーwうわ、超想像つくんですけどwww」

さっきからべらべらべらべらべらと。よくもまー俺のことがわかっていますね。

「みおたんから聞いたケド?凡人君、すっごくモテる幼なじみがいるんだってえ~??あは、周りの男子から反感やばいっしょぉ?『なんでおめーみてーなやらない夫が!』ってwwww」

「さっきからいい加減にしろよこのクソがきゃー!!黙っていればべらべら悪口ばっか言いやがって!」

あ、やべ。

抑えきれずに大声で怒鳴っちゃったよ…。だれか来なきゃいいけど。

「あ、すみません。うちの奈知なちが…」

「へ?」

そういって出てきたのは先ほどオーダーをとった少年だ。

「あなたも天使を拾ったのですね。」

「あ、ああ…おまえもか」

「僕、栗田くりた 利光としみつって言います。よろしくお願いします」

「おぉ。俺は碇 謙人だ。」

短髪で落ち着いた雰囲気の少年は、にこっと微笑んだ。

「こら、奈知。そんないきなり罵倒しちゃかわいそうだろ?まぎれもない事実を」

…ん?

「あっはー★そうだネww」

「いくら折れた割り箸よりも役に立たなそうな相手でも、初対面でこんな…ちょっとは遠慮しなよ」

「あははー、栗田クンも人の事言えないけどネー」

「すみません、ホント。ほら、奈知もあやまって。」

「はいはい。ドーモスイマセンでしたァ~~」

 ……………は。

挿絵(By みてみん)


…うっぜええええええええええええ!!!????


何!?なんなの!?

ひどっ!?ひどくない!?まって、この事態が酷すぎて俺はまだ状況がよく呑み込めていないよ!?

ちょ…まじ…

なんで俺は今ちょっと涙目なの!?


「…奈知、それくらいにしてあげて。謙人は傷つきやすい。」

「そうなんだ、ゴメンね~、ガラスのハート君??笑」

「テメェ後でちょっとマジおもてでろっ!!!!」

グスン。


そのあと俺は姫のもとに戻り、注文していた日替わりランチをいただいた。

ニコニコとオムライスをほおばる姫を見ていたら、さっきの屈辱など忘れてしまいそうになった。


「ホントすみません、碇君…おごってもらうなんて」

「全然いいってば」

お店を出て。さて。これからどこへ行こう。

この辺だと水族館があったかな…?

よし。そこにしよう。

「姫、これから水族館に行こうか?」

「はいっ!」

そうして俺達は水族館へと向かった。














最後まで読んでくれてありがとうヾ(´^ω^)ノ♪

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