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俺と天使界  作者: 豆腐
2/5

第二話

第二話投稿です!

長くて意味不明ですが、最後まで読んで下さったら嬉しいです^^

 キーンコーンカーンコーン。

 聞きなれたチャイムの音が鳴り響く。

 『1-A』と書かれたプレートの教室にひなと入る。

「うぉ、あちい。」

 もう6月の半ばで梅雨に入りかけている。

 今日は晴れているものの、この頃雨が多くて蒸し暑い。

 「謙人、おはよー」

 「おはよ」

 高校に入ってから親しくなった、篠原 雄二(しのはら ゆうじ)。

 爽やかな好青年の面構えで、俺と同じ部活、野球部所属でピッチャーの彼は、180を超える長身長。

 170余りで地味面の俺にとっては、うらやましい限りである。

 「なぁなぁ、今日のプール、楽しみだよな」

 坊主頭をさすりながら言う雄二。

 「あん?男子は今日ないぞ」

 「わかってるよ、女子の水着姿!楽しみだよな~」

 コイツは爽やかな見かけによらず、スケベである。

 「声でかいぞ、おまえ。俺までスケベ扱いされんだろ」

 「なんだとぉ」

 「スケベ野郎が」

 「なんどでも言え。てかさ、このクラスの女子で結構可愛いと思うやつ、誰かいる?」

 「・・・おまえな」

 「俺的にはさぁー、小暮とか可愛くない!?」

 「みんなそう言うよな」

 「小暮って、謙人の幼なじみだよな。どうなん?、付き合ってたりすんの?」

 「んなわけないだろ」

 「ふーん。ま、地味な謙人と人気者の小暮じゃあ、釣り合わないよな。当たり前か~」

 「ひでぇー」

 「はは」

 確かにひなは、男子ウケが驚くほどいいからな(女子ウケはともかく)。

 こんな凡人の俺とは釣り合うわけない。

 今でも何故一緒に登校下校なんぞしてるかは分からん。

 俺がひなの立場だったら、凡人と幼なじみなんて嫌だね。

 でもひなは、そんなことはないらしい。

 今でも2人でお出かけにさそってくれるし、普通に喋ったりする。

 男子の目がビシバシくるのは分かっているが、それでも、ひなは俺と絡んでくる。

 何が楽しいかなんて俺には全く分からないがな。

 「謙人はさー、どうなの?」

 「なにが」

 「小暮のこと!、正直どう思うの?可愛いと思う?」

 ひなは一般的にみると、普通に可愛い。

 幼稚園のころからずっとの付き合いだし、しゃべりやすいし、普通に俺は好きだ。

 でも、だからといって恋愛感情の好きではない。

 そのことを雄二にいうと、

 「へー。つまんね」

 と投げるように言い放った彼は、去って行った。

 ・・・すいませんね、つまんなくって!!

 どーせ俺はつまんなくて極めて平均的な男子高校生ですよーだ!

 心の中でいじけてると、1限現国の教師がやってくる。

 あーあ、つまんない授業のはじまりだ。






 昼食の時間。

 俺は幼なじみのひなに誘われ、男子の憎悪の視線をうけつつ、屋上でコンビニのサンドウィッチの封を開けていた。

 「あー、けんちゃん。また買弁だぁ」

 「悪いかよ」

 「そんなんじゃ栄養偏っちゃうんだぞー」

 「へいへい」

 「「へい」は一回!あと「はい」でしょー」

 「はいはい」

 「も~」

 はたから見れば、恋人同士なやりとりに、周囲の視線がビシビシと伝わってくる。

 「あ、明日からあたしがお弁当作って来てあげようか!?」

 「いやいやいやいやいやいやいや大丈夫です」

 ひなの提案に、否定しまくる俺。

 「む。そんなに迷惑なの!?」

 ひなが両方のほっぺたをふくらまして、怒っているしぐさを見せる。

 迷惑? いやいやいやそうじゃなくって!!

 そんなことしたら俺は嫉妬した男子どもに殺されちまうって!!

 「いや。全然迷惑じゃないっすけど、大丈夫です。」

 「え?日本語おかしくない?」

 手作り弁当だけはやめてください・・・!

 「まぁいいや。迷惑じゃなかったら、あたしが明日からつくるね♥」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

 「・・・ふふッ。冗談! そんなことしたら、あたし けんちゃんの彼氏みたいになっちゃうもんね!」

 笑顔で『けんちゃんの彼氏なんて嫌だ』アピールを主張してくるひな。

 ・・・ちくしょう! 言ってくれるじゃねぇか・・・ッ!

 「じゃあね、けんちゃん。あたし、昼休み生徒会の活動あるから、先に教室戻ってるね」

 「おう」

 ぱたぱたと可愛らしい挙動でかけていくひな。

 俺は最後の一口のサンドウィッチを口に入れ、フェンスから街並みを眺めた。

 もうお弁当を広げている生徒はいない。

 ここの桐ケ谷高校屋上は、意外と見晴しがよくて、俺的にお気に入りスポットだ。

 今日も平和だなー、と平凡なことを考えていたら

 ポンッ

 Yシャツのポケットから澪(みお)がでてきた。

 「何をやっとんだお前は」

 「・・・つまらないもの」

 「しるか。 黙ってポッケに入ってろ」

 「やだ」

 「だだこねんな。」

 「やだ」

 「いいから」

 「やだ」

 「……分かった。」

 「…」

 「澪、」

 「やだ」

 「…まだ何もいってねぇだろうが!!?」

 「初めてちゃんと名前を読んだ」

 「そうか!?どうでもいいよ んなことは!」

 「どうでもよくない」 

 「どうでもいい」

 「どうでもよくない」

 「…はいはい 分かった分かった。おとなしく」

 「2回連続で同じ言葉を繰り返すときは、絶対わかってないって何かの本に書いてあった」

 「なんなんだオマエ!?変なところで記憶力いいな!?」

 「つまらない」

 「話題転々としすぎだ!お守りになれ!早く!」

 「やーだー」

 「ひどく棒読みだな。いいから早くしろ」

 「じゃあ、お願いがあるの」

 「…なんだ」

 「あのね」

 「聞いたら絶対お守りに戻るんだぞ」

 「私も学校に通いたい」

 何をいっているんだこの女は。

 「だめに決まってんだろ!アホかお前!!」

 「聞いてくれるって言ったくせに」

 「それだけは勘弁してくれ!」

 「やーだ」

 断固としてお願いを変えない澪。

 オマエが学校に来たらだな、俺にまとわりつくうえに バカすぎてテスト全教科0点だろうが!

 あと、容姿だけは余計に良いから また男子共に妬まれまくりなんだよ!

 殺す気か!

 「………ダメ?」

 うるうると澄んだ瞳をうるませ、上目使いをしてくる澪。

 …うぐッ………か、かわいいじゃねえか……!

 「だ、ダメだ。」

 動揺しつつ、はっきりと断る。

 俺としたことが、情けない…

 「謙人、顔、赤い」

 「うるせー。学校に通うのだけはだめだぞ」

 「ぇー」

 ガチャ

 屋上の扉が開く。

 「のぉぉおおおぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ‼⁉⁉⁉⁉⁉⁉」

 「…何やってるんですか?」

 ひなの友達、隣のクラスの姫野ひめの はるかだ。

 「ひひひひひひひ姫!?!?」

 澪はまだ、お守りに戻っていず、姫を凝視している。

 「みっっみみみ澪!?」

 「…誰、この女」

 「オマエななななな何やって…」

 「みお??碇くん、誰とおしゃべりしてるんですか?」

 「早くもど・・・・え?」

 「…言った。私の姿は持ち主以外に見えないって。」

 「…ほ、本当だったのか・・・」

 「信用してよ」

 「碇君?」

 「ああっ!わ、悪い」

 「誰とおしゃべりしてたんですか?」

 「ひ、独り言だ!」

 「…そうですか」

 「姫、どうしたんだ?俺に何か用事?」

 「あ、そうなんです。碇君に用事があって…」

 長くて柔らかそうな髪と胸を揺さぶりながら、姫は言う。

 「今週末、お出かけに付き合ってもらえませんか?」

 「いいけど…どうして急に?」

 「あの、わたし…図書館で調べたいものがあって」

 「そうなんだ? いいよ、俺もちょうどインターネットで調べたいことがあるんだ」

 「本当ですか!?やったぁ~‼ 」

 俺も、バカをとっとと天使界にもどさないといけないしな。

 「…謙人」

 無視して、姫との会話を続ける。

 「ありがとうございます!碇君!」

 「そうか」

 「じゃあ、9時に桐ケ谷バス停で!」

 「おう」

 にこにこと朗らかな笑みを浮かべた姫は、ぺこりとお辞儀をして屋上を後にした。

 良い子だなー、と思っていると澪が

 「…謙人は、どんな女の子にもあんなデレデレした態度をとるの?」

 と、にらみながら言ってくる。

 「してねーーーーよ!デレデレなんて!」 

 「うそ。姫って奴が可愛いからにやけてた。」

 にやけてません!!なんなんだオマエは!

 「…………変態」

 ああそうですか!変態ですよ俺は!!

 「ったく。分かったからお守りになれ」

 「謙人が学校に通うのを許さないなら、私はずっとこの姿でいる。」

 「なんだとぅ!?」

 こ、この女~~…!!

 「…俺はお前が学校に通うのだけは嫌だ。」

 「じゃあ、この姿のままいる」

 「…」

 こうして澪は、よほどの事がない限り、人間の姿のままになってしまった。








 

 キャハハッ、キャー

 プールの方から女子の楽しそうな声が聞こえる。

 「うおぉ~~、いいね~」

 雄二がニヤニヤしながらプールのほうを眺める。

 「おっ。謙人、あの娘かわいくね!? 胸おっきいし!」

 指さす方向を見てみる。

 その先には、さっき屋上で話をしたBクラスの姫の姿があった。

 体育は、2クラス合同なのだ。

 「あの娘の名前しってる?」

 「ああ。姫野遥」

 「なんで知ってんだよ」

 「ひなの友達だから…」

 「くーーーーーッ、オマエ~」

 バシッ、と雄二に背中を叩かれる。

 美人と知り合いってのは嫌なもんだね。

 「おら、おまえら~!女子の方ばっか見てねーで、ちゃんと走れ!」

 保健体育の先生が叫ぶ。

 「へ~い」

 しぶしぶと足を進める雄二と俺。

 「…変態な、謙人。」

 うっせーな。

 澪をひと睨みし、走るペースをあげる。

 「まてよ、謙人―」

 とっとと走りを終えた俺は、地べたに座り込んだ。

 と、ふと視線を移すと、中庭に人影を見つけた。

 「…………?」

 今は授業中のはずで、中庭に人がいるはずない。

 なんで、誰かいるんだ…?

 俺がそいつを凝視していると、澪が口を開いた。

 「…怜央…?」

 「あ?」

 じっ、と人影を見つめる澪。

 よく見ると、その人影はここの制服を着ていず、深緑のパーカーのようなものを着ていた。

 「なんだ、あいつ。」

 「れ、怜央…!」

 澪を見ると、表情は見えなかったものの、手が震えていた。

 「澪?」

 「…怜央ッ……!怜央…!怜央!」

 『れお』と呼ばれた少年(?)は、こちらを向いた。

 「怜央!!」

 普段大きな声を発しない澪が、珍しくハッとするような声を出す。

 「み…」 

 ダッシュで駆け出す澪。

 深緑の少年も走ってくる。 

 二人は抱擁を交わすと、何年かぶりの出会いのような会話を始めた。

 「澪…!大丈夫だったのか…」

 「…怜央こそ」

 「僕は、平気さ」

 「無事でよかった…っ!」

 「澪、ほかの天使には会ったかい?」

 「…ううん」

 「そうか。僕は、千奈ちなに会ったよ」

 「…どこで?」

 「隣町のカフェ『あさがお』で会ったよ」

 「…そう」

 「元気そうで、安心したよ。」

 「…怜央の持ち主は?」

 「僕の持ち主は、ショートヘアーの可愛い娘だよ。澪は?」

 「…私は」

 チラ、と俺の方を見る澪。

 俺は2人の方へ歩み寄った。

 「ど、どうも…。碇謙人っす。」

 「え、僕の事が見えるの?」

 「は、はぁ、まあ。」

 「すごいね。普通は持ち主の天使の事しか見えないんだよ。その天使が見えるようにしない限り」

 「そうなんですか」

 れおとやらの少年は、ツンツンした髪にちょっと童顔。深緑のパーカーとひざ下の短パンをはいており、小学生と言われても疑わないような容姿であった。 

 「僕は怜央れお。澪とは同い年なんだ」

 「へぇ」

 澪が何歳かも知らないがな。

 「澪は14歳だよ」

 うお!?心の中よまれたっ!?

 「僕は、心の声が聞こえるんだ。」

 自慢げに言う怜央。

 「天使には、それぞれ一人ひとり違う能力が使えるんだよ。だいたい10~15歳の間にその能力がはっきりと分かるようになるんだけどね、」

 俺は澪をちらりと見る。

 「澪はまだ分かってないんだよ」

 「ほう」

 それだけ精神年齢が低いってことか。なるほど、なるほど。

 一人で納得していると、ピ――――ッと、笛の音がした。

 「こら、碇!何をしとる!」

 「やべ」

 気づいたら、ほかの生徒は整列していた。

 ヤベ―――。恥かいた。

 ダッシュで列に紛れ込む。

 …はー、しかし、天使にもいろいろあるんだなー。

 …。

 ショートヘアーの、可愛い娘・・・か

 新しく出会った怜央とやらの持ち主が、気になった。



 

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