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俺と天使界  作者: 豆腐
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第一話

初めて小説を書きます。

文章の間違いなどあったら教えていただければ嬉しいです。

あの大地震が起きた日から、俺の人生に大きな変化が訪れたんだ。



 

「おはようございます、今日は先日起きた大地震の最新情報を・・・」

 梅雨も入りかけた6月の始め。

 俺、いかり 謙人けんとは、Yシャツにパジャマのズボンという格好で朝ご飯を食べていた。

 県では真ん中よりもちょっと上の高校、桐ケ谷高校に通い始めて早2ヶ月が経ち、学校生活にもちょっと慣れてきたところだ。

 「ごちそうさん。」

 早々と朝食を済ませ、2階の自分の部屋へ行く。

 すると、“いつものように”アイツが俺の部屋に居た。


 「・・・・・・・おい、何してる」

 「・・・保健体育の勉強。」

 淡いピンク色のキャミワンピに身を包んだ奴は、壁にかけてあるカレンダーの裏側に隠しておいた、俺のとっておきのエロ本を勉強机に広げて読んでいた。

 「やめろ!何広げて読んでんだ!?テメェ!?」

 「謙人は、髪の短くて背が低めの、乳が大きい子が好き。」

 「結論を述べんでいい!」

 朝から疲れるな、コイツのせいで・・・。

 「さっさとお守りになっておけよ。」

 ポン!、と奴が淡いピンクのかわいらしいお守りに変化する。

 「はぁ・・・。まったく、こんなもの拾わなきゃよかったなぁ」

 すべては、2週間ほど前に起きた大地震から始まっていた。




 2週間前。


 午後1時半。

 日本の裏側に、大きな地震がおこった。

 その地震は、地球の半分の人口が死亡するという大きな被害をもたらした。

 日本でも、全国で震度5~6の地震がおこり、けっこう問題になっている。

 世界の科学者やらなんやらも、今大至急で大地震の謎を調べているらしい。


 俺の高校、桐ケ谷高校でもその日は8時ごろまで学校に残されられたっけ。

 その日の帰り道に、俺はこのお守りを拾った。

 あ、あそこになんか落ちてんなー。と思ってはいたものの、気づかぬうちに、というか体が勝手にこのお守りを拾っていたのだ。

 家に帰ってお守りを床に置くと、淡いピンクのお守りと同じ色をした飾り気のないキャミワンピを着た、中学生くらいの美少女に変わった。

 身長は150くらいだろうか、真っ白な肌にふわふわとしたこげ茶色の肩につくくらいのセミロングの髪。

 ピンクのつやつやした唇は、端がきゅっと結ばれていて、翡翠や藍玉を連想させるようなきれいな瞳。

 その姿は、この世のものとは思えない、見るものを圧倒させる、声も出ない程美しいものだった。

 俺が声も出せずにいると、そいつからなにかしゃべってきた。



 「・・・・・・・・・誰 」


 「こっちのセリフだよ!!」


 ・・・とまぁこんな感じで、最初から訳も分からん奴だったわけですよ。

 奴の名前は、みおというらしい。

 澪の話によると、澪はこの地球の様子を空から見守る“天使界”の1人で、天使界の天使は全部で12人いるらしい。でも、その12人のうち4人はもう死んだので、今は8人。|(澪はこの計算を出すまで約1時間かけた。)何故4人が死んだのか聞くと、「それは言えない」と答えた。たぶん、澪の低能のことだから、覚えてないんだろう。そんなどうでもいいことはさておき、なぜ、澪は地球に落ちてきたのか。澪はあの大地震の日に、天使界が滅びたという。地球の人口半分が亡くなった、あの日に。

 大地震と同時に揺れ、崩れ滅びた天使界。8人は地球の被害の少ない日本に避難した。

 そのうちの一人、澪を俺は拾い、持ち主とされた。勝手に。

 お守りの持ち主になった者は、その天使が大地震の謎を解き明かし、無事天使界に戻れるまで一緒についていなくちゃならんらしい。

 ということは、澪が天使界に戻れるまで、ずっと俺が面倒見なきゃいけないってわけ。

 まだ大地震の謎とか全然わかんなくね?

 てか、澪の話では天使界滅びたっつってるよね?

 ・・・・・。


 ふざけんなあぁあぁあぁぁぁぁぁ!!!!







 「・・・謙人。」

 駅を出て、いつもいっしょに登校している幼なじみを待っていると、急に奴がお守りから元の姿に戻った。

 「オマエな・・・誰かに見られたらどーすんだよ」

 「大丈夫。私の姿は、お守りの持ち主以外には見えない。」

 「オマエの言葉は信用できない。」

 「・・・ひどい。あと、私の名前はオマエじゃなくて、澪。」

 「はいはい。ついでに、俺の事を下の名前で呼ぶな。」

 「何で?」

 「いいから」

 「・・・・。」

 「け~んちゃぁ~~~ん!」

 たたたたっ、と俺の幼なじみが駆けてくる。

 「やべっ!オイ、早くお守りに戻れ!」

 「・・・・・」

 ポンッ

 「?けんちゃん誰としゃべってたの??」

 「べべべ別に、独り言だ」

 「ふ~ん?」

 うおぉ、あぶねぇ・・・。こいつはいつも俺の嘘を見破るから、要注意人物だ・・・!

 この幼なじみの名前は、小暮 ひな(こぐれ ひな)。

 彼女はバレー部に所属していて、155センチの身長にさっぱりとした黒髪ショートヘアー。顔はくりくりした二重の目にぷっくりとした唇、ちょっと丸みのある体つき。ちょっと天然気味の性格や喋り方から、けっこうひなは男子から人気がある。

 俺はそんなひなと幼なじみなわけだから、男子からねたまれたりもするんだ。

 「けんちゃん、今日からプール開きだね~。」

 「そうだな」

 「けんちゃん、あたしの水着姿見て鼻血ふいて倒れないでね~」

 「んなことあるか。ほら、もうちょい早足でいかねーと遅刻すっぞ」

 「んも~、わかってる」

 すたすたとひなの手前を歩く俺と、その背中を一生懸命追いかけるひな。

 俺は澪の分身であるお守りをYシャツのポッケに入れ、校門を通り抜けた。



読んでいただき、ありがとうございました。


できたらコメントくださると嬉しいです。

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