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5話 なんか腹立ってきた

ようやく説明臭い文章からおさらばだ!

なによりえーりん書いて癒されるぜ!


カタカタカタ・・・・




[八意 永r|][検索]






「何を検索しているのかしら?」


「!?」


「あら?私に興味をもってくれたの?うれしいわね・・・でも」




カチカチカチ


[八|    ][検索]




「女の秘密に無断で覗くのはマナー違反だと思うわ」


「・・・・・はい、すいません」



結局八意さんって何なんだ?









「さて・・・」



たった一日休んだだけだが久しぶりに会社を見上げたような気がする。

5段ほど続く階段の向こうに2箇所ある自動ドアと、緊急事態が起きたら一番に心臓発作を起こしそうな老警備員が両脇を固めている。

前から思っていたが、あの警備員何か意味があるのだろうか?人件費削減といっても、これはいかがなものか。

・・・・・まぁ皆文句は言わない。誰だって地方に転勤なんてしたくないだろう。結局はしがないサラリーマンなのさ。


さて、それよりも当面の問題は


「まじ先輩になんて説明しよう」


苦虫を噛み潰したような渋い顔を作って、気力なく階段を上る。なんで俺あんな返答したんだろう・・・

しかも折り返しの電話も結局しなかったしな、怒ってるだろうなぁ。

頭をガシガシとかき乱す。いや、それだけならいいんだ別に、それだけなら俺もここまで悩みはしない。

先輩がいかに厳しいとはいえど、分別を持った立派な大人であり模範だ、話していい話と悪い話の区別はしっかりしている。

早々に他言することがない上に、謝って事情を説明したら済む話である。

さすが先輩、かっこいい。ただ目つきの悪さが残念。


しかし、



「おい、今度の休みに○○にいこうぜ」


「なんだよ、あのニュース興味あんのかよ」


「それもあるけど、目撃者情報募集してるらしいんだ。有用な情報だと金一封でるらしい」


「マジか!・・・いや、まぁそうだよな。この現代社会で魔法が存在するかもって言うんだからなぁ、聞いた話だとイギリスもその話にお熱なんだと」


「あそこはポッター発祥の地だからな。そういうファンタジー的なものに飢えてんだろ」




「はぁ!?藤岡あのやろう、この時期に有給とりやがったのかよ!」


「『俺の嫁を迎えに行くんです!』っていって人事にごり押してたな。後で見たけど左遷リストにそいつの名前新しく入ってたよ」


「馬鹿じゃねぇの?」


「ちなみに俺も明日有給とった、嫁が俺を待っている」


「おいぃ!」




これだ。これなのだ。どこ歩いてもどこ見てもその話題で持ちきりだ。

今朝のニュースで見た話だけど、昨日の昼ごろ、魔法を求めた中学生が集団で学校を抜け出したんだと。やめろ、これ以上俺をネガティブな気分にさせるな。

インテリ学者最強の呪文『集団催眠説』にも期待したのだが、目撃者があまりにも多すぎてそいつらも肯定しだす始末、勘弁してくれ。

もし俺が幻想郷とやらに誘われていることがばれたら?想像したくもないね!

先輩経由はほぼないと信じたい。それじゃなくともでも誰かが『八意さんが俺のマンションに入っていくのを見た』なんて言い出したら・・・



「おはようございます」


「おはようございます」


俺は受け付け嬢に軽く挨拶をしてタイムカードを切りに関係者用の扉を開けた。

うぐぃ、今日一日俺の胃腸に幸あらんことを。




「・・・・・・・」


「・・・・・・・」



そして開幕1秒で諦めた。無理だ今日から俺は胃腸薬常用者決定だ。

関係者用通路には鋭い瞳、なのだがあまりに鋭すぎてもはや線になってる先輩が壁にもたれ掛かり、俺の到着をまっていたようだった。

思わず背筋を伸ばすように仰け反り、一歩引いてしまう。口元がなんかもう色々な感情が混ぜあわり、不気味に引き付く笑みを浮かべてしまっている。



「・・・・・よう」



最初に口を開けたは先輩だったが、俺は先輩の背後に雌伏す猛獣の影を幻想して返事することが出来ない。

ひたすらに不気味な笑みを浮かべている俺をスルーしつつ、腕時計を確認しつつ口を開いた。



「タイムカードの時間、大丈夫か?」



その一言で俺は覚醒した。

まずい、一応余裕を持って家を出たが周囲の話に気をとられ、いつもより進行のペースが遅かった。



「あ、はい。すいません押して来ます!」



俺は慌ててタイムカードを切りに先輩の横を通り過ぎようとして、肩をつかまれ



「今日は購買で飯買って屋上で食うぞ」



と言って肩を切って自分の仕事場へと足を向かわせた。

一方俺は青い顔をしながら俯き加減に立ちつくすしかなかった、もう既に胃が限界だ・・・






もうすぐ聖夜は近い。

女たちはその日に向けて自身を磨き、男どもはその日に向けてお金を貯める。

各社企業はビッグイベントに便乗して様々な企画を立ち上げ、少しでも多くの実績という名の金を欲している。

企業という組織から、社員という個人まで聖夜というイベントに振り回されているのだ。

そして話題の中心は常に聖夜がその場所に居座って、その毎年の現象は変わらないと思っていた。


それが今変わった。・・・いや正式に言うならば昨日だろうか。

街頭映像が飛空する女性を流し、画面が切り替わると魔法というものが存在するかしないかなんて、普段から考えればこいつら全員頭のネジが緩んでいるとしか思えない議論を繰り返している。

しかしそれを眺める遊歩道の歩行者はまじめな顔して、だというのに期待に満ち溢れた表情で街頭映像に目を向けている。

それはサラリーマン風の男性だったり、子供を引き連れた一児の母だったり、ジャンクフードを片手に歩く学生だったり、中にはやや肥満型ともいえるリュックを提げた野郎共の集団は鼻息を荒くしていたりもしながらそれを見ている。


そしてそれは俺の働いている会社の中でも変わらない。

一昨日まで爪の手入れに勤しんでいた斜め前に座る2つ年上の笹原さんも、すり鉢といわれヒラの社員から忌み嫌われていた長山係長も、俺の隣座る同僚の上野も皆が皆、魔法の有無について協議を繰り返している。

その顔は初めてサンタクロースを見た子供のように、瞳を輝かせ、時には顔を紅潮させ語り合っているのだ。


その一方俺は顔を青くして頭を覆っていた。




(ぐぅおおお、なんじゃこりゃあ!なんで皆こんな事まじめに協議してるんだぁ!)


俺が最初に思った事は意外にみんな『東方Project』について知っているということだ。

さらに言うなら隣に座る上野は「えーりん!えーりん!」とか「おま・・・その情報kwsk!」とかなんかよく分からん日本語を使っている・・・kwsk?

いつも堅苦しいなまでに真面目で無愛想な奴がこんな事言っている。つーかお前は八意さんの事好きなのか?



「ああ!?おいよっく聞けよ槐ぃ。俺はなあ東方Projectも、えーりんも、咲夜さんも、超・大・好き・だぁ――――っ!愛していると言ってもいいね!」


「あ、ああ。そう・・・」


「つかー何?その『八意さん』って?東方厨なら『えーりん』だろがぁ!」



といいながら右手を全力で振り始めた。

何だこいつ。というか、いきなり人の名前を言うのか?本人の目の前で?許可もなく?

無理だ、俺は絶対に・・・そもそもこいつも本人目の前にしたらいきなり名前言うのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・いいそうだ。なんか腹立ってきた。今度名前で呼んでいいか聞いてみよう。



「おいお前ら、仕事しろ」



その時、歪みないいつもの先輩が瞳を刃の様に鋭くさせて皆をにらみつけた。



『・・・・・・・・・・』



まさに鶴の一声だった。

和気藹々とした仕事場が半瞬にして静まり、残ったのはカタカタと言うキーボードを叩く音だけが響き渡る。

まさに圧巻、下には強いすり鉢係長も一所懸命仕事をしている・・・ふりだと思う。


かく言う俺も背筋を伸ばし気を引き締めて仕事に入る。・・・・・尻が痛い。








「槐、飯食うぞ」



誤魔化せないかとこっそり食堂へ向かおうとしていた俺を先輩が襟首を掴んで押しとどめた。

いや、まぁ分かってはいたけど。俺はドナドナを脳内再生しつつ先輩に連れられ屋上へと向かっていった。



 ある晴れた 昼さがり 屋上へ 続く道

 先輩が ずるずる 俺を 引き摺りゆく

 かわいい俺 引き摺られて行くよ

 虚しいなひとみで 見ているよ

 ドナ ドナ ドナ ドナ 俺を 引っ張り

 ドナ ドナ ドナ ドナ 俺の頭が ゆれる




「そろそろ自分で歩けよ」


「・・・はい」

大量のタグを見ていいなぁと思う

反面、永琳好きな人以外余分に来て欲しくないから現状で満足

さらに言うと俺の駄文が多くの人に見られないから一安s(ry


という訳で仕事行くので短いです、では

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