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蒼の封印  作者: 鈴村弥生
遺言
31/33

6.

半月ですが上げれました。

( *´ー`)今回登場の「彼」は、緑川光さんの声で脳内アテレコしていただくと嬉しいです。

 ゼルダも魔法兵器の材料にされている。


 有り得ない話では無い。


 北に封印されている伝説の魔王の再来とまで云われた膨大な魔力の持ち主だ、最高の原材料だろう。


 つまり、あの波動はゼルダや他の人々から魔力を搾り取っている余波に違いない。


 しかし、だとすれば。


 やはり残された時間は少ない。


 もう一年も、彼は魔力を絞り続けられているのだから。


 真維は腹の底から怒りが込み上げてきた。


「……なんとか城の中に入れないかな?  マーリン。抜け穴あるんでしょ?」


 中に潜入して撹乱し、騒ぎに乗じるのがやはり最も簡単で効果的に思える。


「これを見て」


 そう言って少年がテーブルに図面を広げる。


 断層や亀裂、城の壁等が詳細に書き込まれた大きめの羊皮紙は、マーリンが今までに調べ上げた地下の見取り図だった。


 年端もいかない子供ながらこんな事をしてのけるマーリンに、本職のガウディアは舌を巻いた。


「完璧ですわ。才能がありましてよマーリン」


 何の?  という突っ込みは、やはり言わない事にしたセリフィスだった。


「このあたりが地下牢。で、こっちの円い当たりがホール」


 まだ子供らしい小さな手が図面の線をなぞり、丁寧に指差して説明を始める。


「この亀裂で前は近寄れたけど、落盤で塞がったの。こっちの抜け道は、魔法結界が張ってあるから見つかっちゃう。一番ホールに近い亀裂は、前は通れたけど、僕育ったみたいでもう通れない。つまり、お姉さん達には無理」


 次々と道を示しては否定していくマーリンに、真維がじれた声を上げた。


「ちょっと~じゃあ、どこが通れるのよ~」


 うも~と髪をかきむしる真維の苛立ちへ、マーリンは肩を竦めた。


「お墓の抜け道……かな?」


 てへ。と笑う少年に、がっくりと肩を落とす。


「……見張り、ファイアーボールでぶっ飛ばそうか……?」


「マイ、それでは潜入になりませんよ」


 こんどこそセリフィスは突っ込みを入れた。この人数で正面突破はあまりにも無謀だろう。


「それはそ~なんだけどさ~」


 盛大なため息を吐く真維へ、別の所から声がかかった。


「君達が手伝ってくれるなら、もう一つの抜け道をご提示しようか?」


 聞き覚えのある声音に驚いて顔を上げる。こんな場所で聞くはずの無い声。


「セイル!?」


 しかし、顔を向けた先にあの水色の髪の白い姿はなく。豪奢な金髪の青年が佇んで居た。


「また、間違われたね。僕の声は、随分彼に似ているらしい」


 クスクスと笑う青年に、三人は生唾を飲み込んだ。


「……アルム?」


 呆然と呟いた真維を、椅子を蹴立てて立ち上がったノアルが睨みつけた。


「何故この方を知っている!」


 ノアルの豹変にセリフィスとガウディアもまた臨戦の姿勢を取り、マーリンが怯えた目で四人を見上げて息を呑んだ。


 一触即発の緊張感を、青年の穏やかな声が遮る。


「止めなさいノアル。彼女とは面識がある。カリスト筆頭魔導士代行であり、公子セイルロッド殿下の婚約者。マイ・アキハ殿だよ」


 その言葉に、ノアルは慌てて膝を折った。


「高貴な方にとんだご無礼をいたしました」


「いやぁ……あたし大したことないから。立って、座って、ね? フツーにしよ?」


 相変わらず堅苦しいのが苦手な真維は、焦ってノアルを立たせる。そして青年に向き直った。


「生きてたんだね、アルム」


「不本意ながらね……」


 アルムレイドは苦笑で返した。


ちょっと短めですみません。

次回は……(ノ_Θ。)

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