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異世界転生酔いどれ世直し記〜酒飲みながら平和にしてやんよ編〜  作者: 晴天よよい


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38/60

37杯目 古代遺跡といえば……

 地下遺跡への入り口は、街の中央広場の地下にあった。


「ここじゃ……」


 親方が、重い鉄の扉を指差した。


「この先が、古代遺跡か……」


 俺は扉を見つめた。


 扉には、複雑な文様が刻まれている。


「この文様は……古代ドワーフ語じゃな」


 グラが扉に近づいた。


「何て書いてあるんだ?」


「『力を求める者よ、この先に進むなかれ。さもなくば、滅びの炎に焼かれん』……じゃと」


「物騒だな……」


 俺は冷や汗を拭った。


「じゃが、今はそんなことを言っておる場合ではない」


 親方が扉に手をかけた。


 ギギギギギ……


 重い音を立てて、扉が開いた。


 ***


 中は、暗く湿った空気が漂っていた。


「松明を持って行け」


 親方が松明を手渡してくれた。


「ありがとうございます」


 俺は松明を受け取った。


「気をつけてな……」


「はい」


 俺たちは、地下遺跡へと足を踏み入れた。


 階段を下りていくと——


 目の前には、巨大な空間が広がっていた。


「うわ……すげえ……」


 壁一面に、魔法陣が刻まれている。


 そして、中央には巨大な装置が設置されていた。


「あれが……魔力を酒に変換する装置か……」


 俺は装置を見つめた。


 装置からは、青白い光が漏れている。


 ゴゴゴゴゴ……


 装置が、不気味な音を立てている。


「これは……暴走しておるな」


 ドラが装置に近づいた。


-------------------------------------------------------------------------------

『この装置には、獣人族に伝わる花のエキスが必要』

-------------------------------------------------------------------------------


 その時——


 ピピピピピ!!


 突然、装置から警告音が鳴り響いた。


「!?」


「何じゃ!?」


 次の瞬間——


 シュウウウウウ!!


 装置から、魔力の塊が噴き出した。


 そして、その魔力が——


「な、なんじゃあれは!?」


 ドラが叫んだ。


 魔力が、人型の姿を形成していく。


 いや、人型というより——ゴーレム?


「防衛システムが作動したんだ!」


 俺は叫んだ。


「くそっ!」


 ゴーレムが、ゆっくりとこちらに向かってくる。


 その体は、魔力で構成されているようだった。


「リリア、ルーナ、下がって!」


「でも!」


「いいから!」


 俺は二人を後ろに下がらせた。


 ゴーレムが、拳を振り上げた。


「うわっ!」


 俺は咄嗟に転がって回避した。


 ドゴォォォン!!


 地面に、大きなクレーターができた。


「やべえ……直撃したら死ぬぞ……」


「ワシらも戦うぞ!」


 ドラ、グラ、ダグが武器を構えた。


「頼む!」


 ***


 ドワーフたちが、ゴーレムに斧を振り下ろした。


 ガキィィィン!!


 しかし、魔力で構成されたゴーレムには、物理攻撃が効かない。


「くそっ!効いておらん!」


「魔法攻撃じゃないと無理か!?」


 俺は叫んだ。


「アル、私が!」


 リリアが前に出た。


「ファイアボール!」


 リリアが炎の魔法を放った。


 ゴォォォォ!!


 炎がゴーレムを包む。


 しかし——


「!?」


 ゴーレムは、炎を吸収してしまった。


「魔法も吸収するのか!?」


「なんて厄介な……」


 ルーナ姫が剣を構えた。


「シャイニングブレード!」


 光の剣がゴーレムを斬りつける。


 しかし、それも吸収されてしまう。


「くそっ……どうすれば……」


 その時——


 俺は、冷静に考えた。


「待てよ……こういう魔力で構成された存在には、コアがあるはずだ」


「コア……?」


 リリアが俺を見た。


「ああ。魔力を集約している中心部分。そこを破壊すれば、倒せるはずだ」


「じゃが、コアがどこにあるかわからんぞ!」


 ドラが叫んだ。


「だったら……見つけるしかない」


 俺は、懐の小瓶を取り出した。


「そうだ……混成酒!」


「アル、それは……」


「これしかない!」


 俺は、混成酒を一気に飲み干した。


 ゴクゴクゴク……


 瞬間——


 体中に力が満ちてくる。


「キタキタ!これだ!」


 俺の視界が、一瞬だけ変わった。


 リリアの炎魔法が、視える。


 ルーナ姫の光魔法が、視える。


 ドワーフたちの力も、視える。


 そして——


「あのゴーレムの魔力も……トレースできる!」


 俺は、ゴーレムに意識を集中させた。


 ゴーレムの魔力の流れが、視えてくる。


 魔力が、体中を巡っている。


 そして——


「見えた!魔力が集中している場所……胸の中心部だ!」


 俺は叫んだ。


「本当か!?」


「ああ!でも、俺一人じゃ無理だ。みんなの力を貸してくれ!」


「わかった!」


 ドラ、グラ、ダグが頷いた。


「ワシらは、ゴーレムの動きを止める!」


「リリア、ルーナ姫、コアへの攻撃を頼む!」


「わかりました!」


「任せて!」


 二人が構えた。


 ***


「行くぞ!」


 ドラたちが、ゴーレムの足に斧を振り下ろした。


 ガキィィィン!!


 物理攻撃は効かないが——


「構わん!ワシらは足止めをするだけじゃ!」


 ドラたちが、ゴーレムの周りを駆け回る。


 ゴーレムの注意が、ドワーフたちに向く。


「今だ!」


 俺は叫んだ。


 リリアが前に出た。


「ファイアボール!」


 炎の魔法が、ゴーレムの胸を狙う。


 ゴォォォォ!!


 しかし、ゴーレムは炎を吸収してしまう。


「くっ……吸収されちゃう……」


「大丈夫だ!もう一度!」


「わかったわ!」


 ルーナ姫が剣を構えた。


「シャイニングブレード!」


 光の剣が、ゴーレムの胸を斬りつける。


 しかし、それも吸収される。


「やっぱり駄目……」


「いや、効いてる!魔力が乱れてきた!」


 俺は、ゴーレムの魔力の流れを見つめた。


 魔力が、少しずつ乱れている。


 コアが露出し始めている。


「もう一回だ!二人同時に攻撃してくれ!」


「わかりました!」


「任せて!」


 リリアとルーナ姫が、同時に魔法を放った。


「ファイアボール!」


「シャイニングブレード!」


 炎と光が、ゴーレムの胸に集中する。


 ゴォォォォォ!!


 ゴーレムの胸が砕け——


 中から、青白く光るコアが露出した。


「見えた!あれがコアだ!」


「もう一撃!」


 リリアとルーナ姫が、再び魔法を放つ。


 ゴォォォォォ!!


 炎と光が、コアを直撃した。


 パリィィィン!!


 コアが砕け散る。


 ドサァァァ……


 ゴーレムが、崩れ落ちた。


「や、やった……」


 俺は膝をついた。


 体が、ずっしりと重い。


「アル!大丈夫ですか!?」


 リリアが駆け寄ってきた。


「ああ……なんとか……みんなのおかげだよ」


「すごい……みんなで協力して倒したんですね……」


 ルーナ姫が笑顔で言った。


「ふぉっふぉっふぉ!これが種族を超えた協力じゃ!」


 ドラたちも笑っている。


「混成酒の能力のおかげで、魔力の流れが見えたんだ……」


 俺は小瓶を見つめた。


 その時——


 ゴゴゴゴゴ……!!


 再び、装置が不気味な音を立て始めた。


「!?」


「なんじゃ!?」


 シュウウウウウ!!


 装置から、また魔力の塊が噴き出した。


「嘘だろ……また!?」


 倒したはずのゴーレムが、再び形成されていく。


「くそっ!装置の魔力が膨大すぎて、何度でも再生するのか!」


「このままじゃ、キリがない!」


 リリアが叫んだ。


「ワシらの体力も限界じゃ!」


 ドラが息を切らしている。


「逃げるぞ!今すぐ!」


 俺は叫んだ。


「じゃが……」


「装置を止めるには獣族にしかない花が必要なんだろ!?だったら、今はここから出るしかない!」


「……わかった!」


 俺たちは、一斉に出口へ向かって走り出した。


 背後で、再生したゴーレムが動き出す音が聞こえる。


 ドシン、ドシン、ドシン……


「追ってくる!?」


「いや、遺跡から出れば追ってこないはずじゃ!」


 ドラが叫んだ。


 俺たちは、必死で階段を駆け上がった。


「くそっ……体が重い……」


 混成酒の代償で、体が思うように動かない。


「アル!」


 リリアが俺の腕を支えてくれた。


「ありがとう……」


「わたしも!」


 ルーナ姫が反対側の腕を支えた。


「助かる……」


 三人で階段を駆け上がる。


 ようやく、出口の扉が見えた。


「あそこだ!」


 俺たちは、扉から飛び出した。


 ドンッ!!


 親方が、すぐに扉を閉めた。


 ガシャン!!


 重い音を立てて、扉が閉まる。


「はぁ……はぁ……助かった……」


 俺は地面に座り込んだ。


「大丈夫か!?」


 親方が心配そうに駆け寄ってきた。


「はい……なんとか……」


「ゴーレムは……?」


「倒しましたが……装置の魔力で何度も再生します」


「なんじゃと!?」


 親方が驚愕の表情を浮かべた。


「装置を完全に止めないと、ゴーレムは無限に再生し続けます」


「そうか……やはり、獣族に伝わる花が必要なんじゃな……」


 親方が悔しそうに拳を握った。


「だが……その花があれば、装置を止められる」


「獣族に伝わる花……?」


「ああ。古代文字に書いてあった。『この装置を止めるには、獣族に伝わる花のエキスが必要』とな」


 グラが説明した。


「獣族に伝わる花は、獣人の森にしか生えない植物じゃ」


 ドラが付け加えた。


「獣人の森……」


 俺は考え込んだ。


 このままでは、街が吹き飛んでしまう。


「行くしかないな……獣人の森へ」


「じゃが、獣人族は人族を信用しておらん。簡単には行けんぞ」


 ドラが心配そうに言った。


「それでも、行くしかない。魔力で造られた酒は是が非でも飲みたいだろ!」


 リリアとルーナはあきれていた。


「そうじゃな!もちろんワシらも協力するぞ!」


「ありがとう!」


「必ず、獣族に伝わる花を手に入れてくれ」


 親方が深く頭を下げた。


「任せてください!」


 俺は、親方に約束した。


 こうして、俺たちは獣人の森へ向かうことを決めた。


 ***


 その夜——


 俺たちは、ドラたちの家で作戦会議を開いた。


「獣人の森は、ここから西へ三日ほどの距離じゃ」


 ドラが地図を広げた。


「獣人族は、どんな種族なんだ?」


「主に、狼や虎の獣人じゃな。戦闘能力は高い」


「戦闘能力……」


「じゃが、昔は人族と友好的じゃった。何かがあったんじゃろうな」


 ドラが悲しそうに言った。


「何かって……」


「わからん。じゃが、今は人族を信用しておらん」


「なるほど……」


 俺は考え込んだ。


 どうすれば、獣人族と話ができるのか……


「まあ、行ってみないとわからんな」


「そうじゃな」


 ドラが頷いた。


「明日の朝、出発しよう」


「おう!」


 こうして、俺たちは獣人の森へ向かう準備を整えた。


12月31日は3話一挙投稿いたします!

11時、15時、20時投稿予定です!是非スキマ時間に読んでいただけたら嬉しいです

リアクションなんかもくれたらうれしいなと思ってます……

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