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異世界転生酔いどれ世直し記〜酒飲みながら平和にしてやんよ編〜  作者: 晴天よよい


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29杯目 新たな一歩


リヒトの騒動から一週間後。


俺は屋敷の食堂で、朝食を食べていた。


リヒトとの戦いが終わって、王都には一時の平穏が戻った。

マリアは城に戻り、俺とリリア、それにリーサの三人で屋敷で暮らしている。


「はあ……」


ため息が出る。


「どうしたの、アル?」


リリアが心配そうに聞いてくる。


「いや、考え事してて」


「リヒトのこと?」


「ああ……あいつと約束しちゃったんだよな」


「笑い合える世界を作るって」


「でも、どうすればいいのかわかんなくて」


俺は頭を抱えた。


正直、俺が思いつくのは「みんなで酒を飲む」くらいしかない。


でも、それで本当に世界が変わるのか?


「大丈夫よ、アル」


リーサが微笑む。


「アルなら、きっとできるわ」


「そう言われても……」


「まあ、焦らずにね」


リリアが優しく言う。


その時――


ドタドタドタ!


マーカスが慌てて食堂に飛び込んできた。


「アル!助けてくれ!」


「どうした?」


「大変なんだ!来週、王都で大規模な式典が開かれることになって!」


「式典?」


「そうだ!王様の呪いが解けて病状が回復したことを祝う式典と、ルンブラン王子とルーナ姫の共同統治を発表する式典だ!」


マーカスが叫ぶ。


「へえ、それはめでたいな」


俺は他人事のように言った。


「他人事じゃないんだ!城から、お前に式典の準備を手伝ってほしいって頼まれたんだ!」


「は?俺が?」


「そうだ!リヒトの襲撃で、操られていた騎士たちがまだ完全に回復していないんだ!」


「城の人手が足りなくて、準備が全然進まないんだよ!」


マーカスが必死に訴える。


「いやいや、俺が手伝ったところで……」


「頼む!お前しかいないんだ!」


「はあ……」


俺は深くため息をついた。


面倒くさい。逃げようかな。


でも、断る理由も特にない。


「……わかったよ。手伝うよ」


「本当か!?ありがとう、アル!」


マーカスが満面の笑みを浮かべた。


「でも、何すればいいんだ?」


「とりあえず城に来てくれ!詳しくはそこで説明する!」


こうして、俺は半ば強制的に式典の準備に駆り出されることになった。


* * *


城に着くと、そこは予想以上に大混乱だった。


「あああ!飾り付けが全然足りない!」


「料理の食材が届いてない!」


「椅子の配置がめちゃくちゃだ!」


メイドや執事たちが走り回り、あちこちで悲鳴が上がっている。


「うわ……これは大変だな」


俺は引き気味に呟いた。


「だろう!?だから、お前に来てもらったんだ!」


マーカスが必死の形相で言う。


そして、俺はその日から一週間、朝から晩まで式典の準備に追われることになった。


飾り付けをしたり、料理の手配をしたり、来賓の座席を決めたり……。


正直、面倒くさいことこの上ない。


でも、みんなが一生懸命働いているのを見ると、さぼるわけにもいかない。


* * *


準備三日目のこと。


俺は大広間で、巨大な横断幕を掲げる作業をしていた。


「もっと右!右!」


「こっちか?」


「逆!左だ左!」


「どっちだよ!」


マーカスと二人で横断幕を持ちながら、俺は叫んだ。


下で指示を出しているリリアが、困ったような顔をしている。


「ごめんなさい、アル……私、右と左がとっさに出てこなくて……」


「そういうのは先に言っといてくれ!」


そんなこんなで、なんとか横断幕を掲げ終わった頃には、俺もマーカスもへとへとになっていた。


* * *


そして、式典当日。


城の大広間には、人族、魔族、エルフ族の代表者たちが集まっていた。


王様の病状回復を祝う声と、ルンブラン王子とルーナ姫の共同統治を歓迎する拍手が響き渡る。


「よかった……なんとか成功した……」


マーカスが安堵のため息をつく。


俺は広間を見回しながら、ふと思った。


人族、魔族、エルフ族……みんなが一堂に会している。


でも、正直なところ、みんなどこかぎこちない。


各種族が固まって座っていて、あまり交流している様子がない。


「……なあ、マーカス」


「なんだ?」


「こういう式典も大事だけどさ、もっと気軽に種族同士が交流できるイベントとかあったらいいんじゃないか?」


「交流イベント?」


「ああ。料理とか、音楽とか、酒とか……みんなで楽しめるやつ」


「なるほど……それはいいかもしれない」


マーカスが目を輝かせた。


「種族間交流イベント……いいな!みんなで笑い合える場になるかもしれない!」


「まあ、まずは酒だな。酒があれば、大抵のことはなんとかなる」


俺は笑いながら言った。


リヒトと約束した「笑い合える世界」。


その第一歩が、見えた気がした。


アルの酒語りもひと山超えたところでございます。

この後どんな展開になるのか引き続き酒を飲みながら楽しみにお待ちください。

話の構成などで1日空くこともあるかもしれないですが基本は毎日更新しますので

引き続き、アルたちの物語を見てやってください。

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