13杯目 ゲルドの陰謀
夜明け前、俺たちは廃坑に向けて出発した。
マーカス、マリア、リリア、ダグラス隊長、そして選抜された精鋭兵士が10名。
「リリア、本当について来て大丈夫?」
俺は心配になって尋ねた。
「はい。私も戦えます。それに…」
リリアは決意を込めた表情で続けた。
「アルさんを一人にはできません」
「過保護だなぁ」
「違います!」
リリアの頬が赤くなる。
「街から北へ三キロ。獣道を進みます」
先頭を行く兵士が地図を確認している。
森の中は薄暗く、木々の間から差し込む朝日がわずかに道を照らしていた。
「静かすぎる…」
マリアが呟く。
確かに、鳥の声も虫の音も聞こえない。
「警戒しろ。敵が気づいている可能性がある」
マーカスが剣の柄に手をかけた。
俺も腰の酒瓶を確認する。いつでも飲めるようにしておかないと。
---
一時間ほど歩いたところで、廃坑の入り口が見えてきた。
巨大な岩肌に開いた暗い穴。かつては鉱石を掘り出していた場所だろう。
「入り口に見張りはいないようですが…」
ダグラス隊長が周囲を確認する。
「罠かもしれません」
マリアが警告した。
「確かに。『誰もいない廃坑』って、ホラー映画の定番だよね」
俺は前に出た。
「アル殿、危険です」
「大丈夫。何かあったら酒を飲むから」
「その『何かあったら』が問題なんですが…」
マーカスが苦笑いする。
「それに、その後気絶するのも問題では?」
リリアが心配そうに言う。
「細かいことは気にしない。人生、ノリと勢いだよ」
「楽観的すぎます…」
ダグラス隊長が呆れている。
「でも、そのくらいがちょうどいいのよ」
マリアが微笑んだ。
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慎重に廃坑の中へ入っていく。
松明の明かりを頼りに、狭い通路を進んだ。
「うわ、臭い。なんか腐った魚みたいな匂いする」
俺は鼻をつまんだ。
「血の匂いもします」
マリアが顔をしかめた。
「廃坑で魚が腐るってのも不思議な話だけどね。まあ、気にしない気にしない」
通路を進むと、いくつかの分かれ道があった。
「で、どっち行く?右?左?それとも真ん中?」
「匂いの強い方へ」
マーカスが左の通路を指差した。
「最悪の選択肢じゃないか。普通は匂いから逃げるもんだけど」
「アルさん、後ろにいてください」
リリアが俺を庇うように前に出た。
「おお、頼もしい」
さらに奥へ進むと——
「!」
俺たちは息を呑んだ。
広い空間に出た。そこは元は採掘場だったのだろうが、今は——
おぞましい光景が広がっていた。
檻に閉じ込められた様々な魔物たち。ダークウルフ、スライム、ゴブリン…
そして、手術台のようなものの上には、体を切り刻まれた魔物の死骸。
「うわ…これは…」
マリアが青ざめている。
「合成獣の製造現場か…」
マーカスが怒りを込めて呟いた。
「マッドサイエンティストの実験室みたいだな。あ、この世界だとマッドウィザード?趣味悪いね」
俺は檻の中の魔物たちを見つめた。
奥には魔法陣が描かれており、その中心に巨大な装置が設置されている。
「あれが烙印を刻む装置ですね」
ダグラス隊長が指摘した。
「なるほど。魔物にタトゥー入れる機械か。ファッションセンスないなぁ」
その時——
「よく来たな、人族と裏切り者ども」
低い声が響いた。
「!」
俺たちは振り返った。
暗闇から、一人の魔族が姿を現した。
大きな角を持ち、黒いローブを纏った男。その目には狂気が宿っている。
「お前が…過激派のリーダーか!」
マーカスが剣を構えた。
「我が名はゲルド。マリア様に仕えていた者だ」
「ゲルド…」
マリアが驚愕の表情を浮かべた。
「お前…保守派の幹部だったはず…」
「そうだ」
ゲルドは冷たく笑った。
「だが、マリア様は我々を裏切った。人族に媚びを売り、保守派を解散させた」
「やれやれ」
俺は腕を組んだ。
「また『裏切り』とか言ってる。そういう二元論、流行ってるの?」
「何?」
ゲルドが俺を睨む。
「だってさ、考え方が変わったら『裏切り』って、ちょっと乱暴じゃない?人は考え方を変えられるからいいんじゃない?それにマリアさんは考え方が変わったわけじゃなくて戻っただけ——」
「ふざけるな!」
「ふざけてないよ。真面目に聞いてる。あんた、マリアさんの笑顔を見て、何も思わないの?」
俺はゲルドを見つめた。
「それとも、自分の信念のためなら、マリアさんが不幸でもいいわけ?」
「黙れ!マリア様の幸せは、魔族の誇りを守ることだ!」
「それ、マリアさん本人に聞いた?」
「…」
ゲルドが言葉に詰まった。
俺はわざと話しを伸ばしながら。炭鉱をゆっくり歩いた。
「あのさ、ゲルドさん。あんたは多分、本当はマリアさんのことが好きなんじゃない?」
「何を言う!」
「だって、そうじゃなきゃこんな必死にならないでしょ。『マリア様』って呼び方も丁寧だし」
俺はさりげなく仲間たちに目配せした。
マーカスが理解して、ゆっくりと位置を変え始める。
リリアとマリアも、自然な動きで左右に散開していく。
兵士たちも、俺たちの会話に気を取られているふりをしながら、包囲陣形を作り始めた。
「でもね、好きな人を幸せにする方法って、自分の理想を押し付けることじゃないんだよ」
「お前に何が分かる!」
「まあ、俺も恋愛経験豊富ってわけじゃないけどさ」
(というか童貞だけど)
俺は肩をすくめた。
「少なくとも、相手の笑顔を見たいなら、相手が選んだ道を応援するもんじゃない?」
「綺麗事を!」
「綺麗事?そうかもね。でも、あんたのやってることは?」
俺は周囲の檻を指差した。
「無関係な魔物を捕まえて、改造して、人族と魔族を争わせる。これって何の解決にもなってないよね」
「これは必要な犠牲だ!」
「必要な犠牲ねぇ…」
俺は首を傾げた。
「必要な犠牲って言葉は嫌いだなぁなんか言い訳っぽい」
「貴様!」
ゲルドが激昂した。
いいぞ、もう少しだ。
「あ、ごめんごめん。図星だった?」
俺はわざと挑発的に笑った。
「でもさ、本当に信念があるなら、堂々と向き合うべきじゃないの?こんな地下室で魔物いじめてないで」
「黙れぇぇぇ!」
ゲルドが手を振り上げた。
「もういい!お前たちは我が合成獣の餌だ!」
その瞬間——
周囲から多数の合成獣が現れた。
「あー、やっぱりね。対話じゃ無理か」
「全員、作戦通りに!」
マーカスが叫んだ。
俺たちは事前に立てた作戦通りに動く。
マーカスが前衛で盾役。
リリアが中衛で拘束と補助魔法。
マリアが後衛で攻撃魔法。
兵士たちは両翼から挟撃。
そして俺は——
「さて、と」
腰の蒸留酒を取り出した。
合成獣たちが一斉に襲いかかってくる。
「リリア!」
「はい!」
リリアが魔法陣を展開する。光の鎖が合成獣の足を縛った。
「マリア!」
「分かってる!」
マリアの炎魔法が拘束された合成獣を襲う。
「いいぞ!その調子!」
マーカスが巨剣を振るい、合成獣を次々と斬り倒していく。
でも、数が多すぎる。
周囲を見渡すと、少なくとも二十体以上の合成獣がいた。
「うわ、盛大に囲まれてるな。これはちょっと…」
俺は酒瓶を見つめた。
今まで酒を飲むと自分が強化されてきた。
でも、なんか新しい感覚がある。
もしかして、能力が進化してる?
「よし、ちょっと実験してみるか」
俺は蒸留酒を一気に飲み干した。
「っと、けっこう強いな、これ」
体が光り始める。
しかし、今回は違う感覚だった。
(あれ?強化じゃない…?)
力が満ちるどころか、体がどんどん重くなってくる。
酒の副作用——弱体化だけが来てる!?
(くそ、タイミング悪い…!)
でも、待てよ。
何か新しい感覚がある。この弱体化を…
(共有できる?)
俺は直感に従って、合成獣たちに意識を向けた。
「よし、お前らにもこの『副作用』をおすそ分けだ!」
体から光が溢れ出し——今度は敵に向かって広がっていく。
「な、何!?」
ゲルドが驚愕した。
合成獣たちの体が、俺と同じように光り始めた。
そして——
「ギャ…ギャ?」
合成獣たちの動きが鈍くなる。
いや、鈍いというより——
「あははは!何だこれ!」
合成獣たちが、まるで酔っ払ったようにふらふらし始めた。
「ギャオ〜ン…」
一体が俺に襲いかかろうとして、途中で足を踏み外してコケる。
「ぐぎゃ〜…」
別の合成獣は、壁に激突してそのまま座り込んだ。
「おお、効いてる効いてる」
俺自身も体がふにゃふにゃになってきた。
「うわ、俺も来てるな…」
「アルさん!」
リリアが駆け寄ってくる。
「だ、大丈夫です…多分…」
俺はふらふらしながらも、さらに能力を合成獣たちに注ぎ込んだ。
「ほれほれ、もっと飲め飲め〜」
「ギャオオ…オ…」
合成獣たちが次々と倒れていく。
いや、倒れたというより、酔い潰れた感じだ。
(よく効いてるな…もっと強い相手だと、ここまで効かないかもしれないけど)
「何をした!?」
ゲルドが叫んだ。
「簡単だよ。俺の『副作用』をシェアしただけ」
俺はふにゃふにゃしながら笑った。
「今回は強化じゃなくて、弱体化だけが来ちゃってさ。でも、新しく能力が進化したみたいでね」
俺自身も体がどんどん重くなってくる。
「俺が今受けてるこの状態を、そのままお前らにもプレゼント。うわ、俺もキツいな…でも、お前らもキツいだろ?」
「馬鹿な!」
ゲルドが魔法陣の方へ走る。
「させるか!」
マーカスが追いかけた。
しかし、ゲルドは魔法陣に魔力を注ぎ込む。
「出でよ!我が最高傑作!」
魔法陣が激しく光り、その中から巨大な影が現れた。
「お、おお…デカいの出てきた…」
ダークウルフの体、人間の顔、そして背中には巨大な翼。
全ての合成獣の特徴を併せ持った、究極の合成獣だった。
「ギャオオオオオ!」
その咆哮が廃坑全体を震わせた。
「デカいし、趣味悪いな。」
俺はふらふらしながら、巨大合成獣を見上げた。
「でも…もう酔っ払ってるから…」
(こいつ、さっきの合成獣より強そうだな…効くかな?)
でも、やるしかない。
俺は巨大合成獣に向かって、再び能力を発動した。
「お前にも…おすそ分け〜」
光が巨大合成獣を包み込む。
「ギャオオ…オ?」
(効いてる…!所詮は魔物か、強いけど効果あるみたいだ)
巨大合成獣の動きが止まった。
そして——
「ギャ…ギャオ〜ン…」
巨大な体が、ゆっくりと傾き始めた。
「うわ、マジで効いてる」
ドスン!
巨大合成獣が地面に倒れ込んだ。完全に酔い潰れている。
「信じられない…」
ダグラス隊長が呆然としている。
「やった…のか?」
マーカスも驚いている。
しかし、俺の方も限界だった。
「あー…やっぱり来た…」
視界がぼやけてくる。
「アルさん!」
リリアが俺を支える。
「ごめん…ちょっと寝る…」
「今は寝ちゃダメです!」
でも、意識が遠のいていく。
その時——
「くそ!くそおおお!」
ゲルドの叫び声が聞こえた。
「なぜだ!なぜこうなる!」
「ゲルド!」
マリアが叫ぶ。
「もう終わりよ!大人しく…」
しかし、ゲルドは懐から何かを取り出した。
「まだだ!まだ終わらん!」
煙幕のような魔法が廃坑内に充満する。
「しまった!」
マーカスが追いかけようとするが、煙で視界が遮られた。
「逃がすか!」
兵士たちも追跡するが——
煙が晴れた時には、ゲルドの姿は消えていた。
「くそ…逃げられたか…」
マーカスが悔しそうに呟いた。
---
俺が意識を取り戻したのは、それから30分後だった。
「う〜ん…」
「あ、アルさん!」
リリアの顔が真上にあった。
膝枕されている。
「やあ、おはよう」
「もう!心配したんですよ!」
リリアの目に涙が浮かんでいる。
「ごめんごめん。でも、作戦は成功したでしょ?」
「成功…と言えるのかしら」
マリアが苦い表情で近づいてきた。
「ゲルドに逃げられたわ」
「あちゃー、マジで?」
俺は体を起こした。
まだ少しふらつく。
「でも、合成獣は全部無力化できたし、製造設備も破壊できたんでしょ?」
「それはそうですが…」
「なら、まあ及第点じゃない?」
俺は立ち上がった。
「ゲルドはどこかに逃げた。でも、もう合成獣は作れない。被害は最小限に抑えられた」
「しかし、あいつが野放しなのは危険です」
ダグラス隊長が言った。
「次はもっと大規模な攻撃を仕掛けてくるかもしれません」
「それは…そうだね」
俺は廃坑の出口を見つめた。
「でも、今追いかけても見つからないでしょ。まずは街に戻って、情報を整理しよう」
「アル殿の言う通りだ」
マーカスが頷いた。
「ここで無理をしても意味がない」
---
街に戻ると、住民たちが心配そうに待っていた。
「どうでしたか!?」
「合成獣の製造は止めた。でも、リーダーには逃げられた」
マーカスが報告する。
「そうですか…」
住民たちは複雑な表情を浮かべた。
「でも、これでもう合成獣は増えない!」
ダグラス隊長が力強く言った。
「街は安全になったんだ!」
その言葉に、住民たちの表情が明るくなった。
「本当ですか!」
「ありがとうございます!」
人族と魔族がぎこちないながらも一緒に喜び合っている。
「良い光景だね」
俺は呟いた。
「ええ」
リリアが微笑んだ。
「でも、ゲルドは…」
「まだどこかにいる」
マリアが厳しい表情で続けた。
「恐らく、次の機会を狙っている」
「次の機会…」
俺は考え込んだ。
ゲルドが次に狙うとしたら——
「王都だ」
マーカスが言った。
「人族の王都。あそこなら、政治的混乱を利用して何かを企てられる」
「そっか…」
俺は空を見上げた。
「じゃあ、俺たちも急がないとね」
その夜、ダークエッジの街は祝賀ムードに包まれた。
人族と魔族が協力して脅威を退けた——これは大きな一歩だった。
街の広場では、人族の兵士と魔族の住民が一緒に酒を酌み交わしている。
「アル殿!」
ダグラス隊長が近づいてきた。
「本当にありがとうございました。あなたの不思議な能力のおかげで、被害を最小限に抑えられました」
「いやいや、俺は酔っ払ってふにゃふにゃになってただけですよ」
「それが功を奏したんですから、素晴らしい」
ダグラスは笑った。
「しかし、敵に酔っ払いを伝染させるとは…前代未聞です」
「我ながら、頭おかしい能力だと思うよ」
俺も苦笑いした。
「でも、役に立って良かった」
「これからですよ。本当に大切なのは」
俺は街の人々を見渡した。
「この関係を続けていくこと。まあ、俺が言うのもなんだけど」
「その通りですね」
マーカスが笑った。
「さあ、今夜は飲もう!」
「おお!いいね!」
俺は目を輝かせた。
「戦いとか関係なく、純粋に酒を楽しめるのって久しぶりだな」
「アル殿、本当に酒が好きですね」
「だって美味いじゃん。今日は気絶する心配もないし、思う存分飲めるぞ!」
「ほどほどにしてくださいね、言っても聞かないでしょうけど」
とリリアが心配そうな顔で諫めて
「久々でもないでしょ」
とマリアが苦笑いしていた
「でも、楽しそうなアルさんを見るのは嬉しいです」
「よし、じゃあみんなで飲もう!今日は朝まで付き合うぜ!」
「朝まで!?」
「ダークエッジでの問題は一応解決した。次は、人族の王都か」
リリアが不安そうな表情を見せた。
「大丈夫ですか?王都は…もっと複雑な問題が渦巻いているはずです」
「まあ、なんとかなるでしょ」
俺は肩をすくめた。
「最悪、みんなで酔っ払えば平和になるかもしれないし」
「それは解決じゃないでしょ!」
「でも、ゲルドも王都に向かった可能性が高い」
マリアが真剣な表情で言った。
「次こそ、捕まえないと」
「そうだね」
俺は窓の外を見つめた。
「今度こそ、ちゃんと話をしないとな」
---
翌朝、俺たちはダークエッジを出発した。
街の人々が見送ってくれる。
「アルさん!また来てくださいね!」
「おう!また飲みに来るよ!」
「マリア様!気をつけて!」
「ありがとう!みんなも元気でね!」
馬車がゆっくりと動き出した。
窓の外を見ると、人族と魔族が一緒に手を振っている。
「良い光景だね」
俺は呟いた。
「ええ」
リリアが微笑んだ。
「これが、私たちが目指す世界です」
「王都でも、同じことができるかな?」
「できますよ。アルさんがいれば」
「その信頼、プレッシャーなんだけど」
俺は苦笑いした。
「でも、まあ、やってみるよ」
「さあ、王都までまだ四日ある」
マーカスが言った。
「途中で色々な街や村を経由していく。それぞれの場所で、人族の文化を学んでほしい」
「了解。あ、美味い酒があったら教えてね」
「またですか」
「だって、酒飲まないと俺の能力発動しないじゃん。これは仕事の一環だよ」
俺は窓の外の景色を眺めた。
魔界とは違う、人族の世界。
「さて、どんなドラマが待ってるかな」
---
その頃——
人族の王都では、二つの派閥が激しく対立していた。
「ルンブラン王子が王位を継ぐべきです!」
「いや、ルーナ姫こそが相応しい!」
貴族たちが言い争っている。
その中心にいるのは、二人の若者だった。
ルンブラン王子——22歳。真面目で誠実な青年。
ルーナ姫——19歳。明るく社交的な少女。
二人は、互いに視線を交わした。
(どうして…こんなことに…)
二人の心の中には、同じ想いがあった。
(本当は、争いたくないのに…)
そこに、一人の老貴族が進み出た。
「お二方、魔界からの使者が間もなく到着します」
「魔界から?」
ルンブラン王子が驚いた。
「はい。マーカス・オダ騎士団長と、魔王の客人という方が」
「魔王の客人…」
ルーナ姫が呟いた。
「どんな人なのでしょう?」
「それは…人族でありながら、魔族と深い絆を持つ者と聞いております」
老貴族は続けた。
「名をアル、と」
そして、窓の外を見つめる男がいた。
黒いローブを纏った魔族——ゲルド。
「フフフ…ついに王都か」
ゲルドは不敵に笑った。
「今度こそ、人族と魔族の和平を破壊してみせる」
「そして、マリア様を…」
ゲルドの表情が歪んだ。
「必ず、正しい道に戻してみせる」
次回予告:「王都への道」
※毎日更新予定です。お楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございます!
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まだまだアルの酔いどれ旅は始まったばかりですが、お酒でも飲みながらゆっくり楽しんでいただけたらうれしいです。
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