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酔えば酔うほど異世界最強 〜ランダム酒魔法と極上の一杯で世界を救います〜  作者: 晴天よよい
第二章 杯を重ねて世界を知る編

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105杯目「忘却の海への到着」

 翌朝——。


 俺たちは、再び出発した。


 二日目の旅が、始まる。


 森を抜け、丘を越え——。


 次第に、景色が変わっていく。


 草原が、荒野へと変わっていく。


 岩だらけの大地。


 草木も少なく、乾いた風が吹いている。


「……すごい場所ね」


 ルーナが、呟く。


「まるで、世界の果てみたい」


「ああ」


 俺は、頷いた。


「地図通りなら、もうすぐだ」


「もうすぐ……」


 リリアが、前方を見つめる。


「忘却の海に、着くのね」


「ああ」


 俺は、歩き続けた。


 荒野を、ひたすら歩く。


 太陽が、容赦なく照りつける。


 暑い。


 喉が渇く。


「少し休憩しましょう」


 リリアが、提案する。


「そうだな」


 俺は、荷物を下ろした。


 水を飲む。


 温かい水だが、喉を潤してくれる。


「あと、どれくらいかしら」


 ルーナが、地図を覗き込む。


「……あと半日くらいかな」


 俺は、地図を見た。


「夕方には、着くはずだ」


「そう……」


 ルーナが、不安そうに呟く。


「本当に……忘却の海なんてあるのかしら」


「あるさ」


 俺は、答えた。


「煙が嘘をつく理由がない」


「それに……」


 俺は、前方を指差した。


「見ろ」


 遠く、地平線の向こうに——。


 何か、光るものが見えた。


 青白い光。


 まるで、海のように——。


 広大な何かが、そこにあった。


「あれ……」


 リリアが、息を呑む。


「忘却の海……?」


「ああ」


 俺は、頷いた。


「たぶん、あれだ」


「……」


 ミアが、その光を見つめている。


「守護者様……」


 ミアが、呟く。


「あそこに、答えがあるんですね」


「ああ」


 俺は、立ち上がった。


「行こう」


 俺たちは、再び歩き出した。


 忘却の海へ向かって。


 次第に、その光が大きくなっていく。


 青白い光。


 幻想的な光。


 そして——。


 夕方——。


 俺たちは、ついに辿り着いた。


 目の前に広がるのは——。


 海ではなかった。


 青白く光る、霧のような空間。


 地面に、巨大な裂け目が開いていて——。


 そこから、無数の光が立ち上っている。


 まるで、魂のような——。


 淡い光が、ゆらゆらと揺れている。


「これが……」


 ルーナが、呟く。


「忘却の海……」


「ああ」


 俺は、頷いた。


 その光景は、圧倒的だった。


 美しくて——。


 でも、どこか悲しい。


「魂が……」


 ミアが、涙を流している。


「たくさんの魂が……ここにいる」


「ああ」


 俺は、光を見つめた。


 無数の魂。


 死んだ者たちの魂が、ここに集まっている。


 そして——。


 その中に、俺の両親もいる。


「……行こう」


 俺は、一歩を踏み出した。


 忘却の海へ。


 真実を知るために。


 俺たちが、光の中へ足を踏み入れると——。


 不思議な感覚に包まれた。


 体が軽くなる。


 まるで、水の中を漂っているような——。


 そんな感覚。


「これ……」


 リリアが、驚いている。


「体が……浮いてる?」


「ああ」


 俺も、驚いた。


 足が地面から離れている。


 ゆっくりと、光の中を漂っている。


「すごい……」


 ルーナが、目を輝かせる。


 その時——。


 声が聞こえた。


『ようこそ、忘却の海へ』


 低い、厳かな声。


「誰だ!?」


 俺は、周りを見回した。


 すると——。


 光の中から、一つの人影が現れた。


 白い服を着た、老人。


 長い白髪と、白い髭。


 杖を持ち、ゆっくりと近づいてくる。


『私は、渡し守』


 老人が、俺たちを見つめる。


『忘却の海を管理する者だ』


「渡し守……」


 俺は、その老人を見つめた。


『お前たちは、生者だな』


 老人が、興味深そうに言う。


『生きたまま、ここに来るとは……珍しい』


「俺たちは……」


 俺は、口を開いた。


「忘却の海で、魂と会いに来た」


『魂と……?』


 老人が、少し驚いた顔をする。


『それは……難しいぞ』


「なぜ?」


『ここにいる魂は、すでに記憶を失っている』


 老人が、説明する。


『忘却の海に長くいると、魂は記憶を失い——』


『やがて、生まれ変わるために川へ流れていく』


「記憶を……失う?」


 俺は、愕然とした。


「じゃあ、俺の両親も……」


『それは、分からない』


 老人が、首を振る。


『ここに来てから、どれくらい経ったかによる』


『最近死んだ者なら、まだ記憶があるかもしれない』


『だが、何百年も前に死んだ者は——』


『もう、何も覚えていないだろう』


「……」


『だが……』


 老人が、俺を見つめる。


 その視線は——。


 まるで、俺の全てを見透かしているような——。


 そんな感覚。


『お前には、特別な力がある』


「特別な……力?」


 俺は、驚いた。


 なぜ、それが分かる?


『私は、魂を管理する者』


 老人が、静かに説明する。


『生者と死者、その境界を見る力を持っている』


『お前の魂——その色を見れば、分かる』


「魂の……色?」


『そうだ』


 老人が、頷く。


『お前の魂は——通常の人間とは異なる』


『特別な力を宿している』


『それは、まるで——醸されるもののように、複雑で、深く、何層にも重なり合っている』


『何の力かまでは、私にも分からない』


 老人が、少し困ったように首を振る。


『だが——その力は、この忘却の海と相性が良い』


「……」


 俺は、言葉を失った。


 魂の色が見える?


 そして、俺の魂が特別な力を宿している?


 何の力なのか、渡し守にも分からない?


『その力を使えば、魂と対話できるかもしれない』


「力……」


 俺は、考えた。


 俺の力といえば——。


 酒を飲むことで、ランダムなチート能力が発動する。


 それが、関係しているのか?


 俺は、懐の小瓶を取り出した。


 以前、偶然作った酒。


 回復の力を持つ酒。


 でも——。


 これで、魂と対話できるのか?


『試してみるといい』


 老人が、光の奥を指差す。


『魂たちは、あの奥にいる』


『お前たちを待っているだろう』


「……ありがとう」


 俺は、老人に頭を下げた。


 そして——。


 光の奥へと進んだ。


 リリア、ルーナ、ミアも、俺に続く。


 忘却の海の奥へ。


 魂が集まる場所へ。


 真実を知るために——。


 俺たちは、歩き続けた。

もし面白い、続きが見てみたいと少しでも思っていただけたら☆☆☆☆☆をポチポチして貰えたら嬉しいですm(_ _)m

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