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酔えば酔うほど異世界最強 〜ランダム酒魔法と極上の一杯で世界を救います〜  作者: 晴天よよい
第二章 杯を重ねて世界を知る編

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99杯目「守護者の限界」

 城に戻ると、守護者が倒れていた。


「守護者様!」


 ミアが、守護者に駆け寄る。


 守護者の体は——。


 透けて、消えかかっていた。


「大丈夫ですか!?」


 俺も、守護者の傍に膝をついた。


 守護者が、か細く微笑む。


「……アルさん……皆さん……無事でしたか……」


「ああ、みんな無事だ。お前のおかげで、住民も全員助かった」


 俺は、守護者の手を握った。


 その手は——。


 氷のように、冷たかった。


「良かった……本当に……」


 守護者が、安堵の息をつく。


 でも——。


 その体は、さらに透けていく。


「守護者様……無理をされすぎました……」


 ミアが、涙を流しながら言う。


「このままでは……消えて……」


「消える……?」


 俺は、ミアを見た。


 ミアが、頷く。


「守護者様は……川の化身です……」


「川の力を、すべて使い果たしてしまったら……」


 ミアの声が、震える。


「存在そのものが……消えてしまうんです……」


 俺は、守護者を見た。


 守護者は——。


 穏やかに微笑んでいた。


「……仕方ありません……」


 守護者が、小さな声で言う。


「私は……もう、千年以上……生きてきました……」


「川を守り……人々を見守り……それが、私の使命でした……」


「でも……もう……」


 守護者の声が、途切れる。


「力が……残っていません……」


「待ってくれ!」


 俺は、叫んだ。


「何か方法があるはずだ! 酒だ! あの酒を飲めば——!」


「いえ……」


 守護者が、首を振る。


「あの酒は……人間を救うものです……」


「私は……川の化身……人間ではありません……」


「だから……効かないんです……」


 守護者の言葉に——。


 俺は、何も言えなくなった。


 その時——。


「守護者様!」


 リリアが、城の中に駆け込んできた。


 ルーナとマリアも、一緒だ。


「大丈夫ですか!?」


 リリアが、守護者の顔を覗き込む。


 守護者が、微笑む。


「リリアさん……皆さん……」


「無事で……良かった……」


「守護者様こそ……!」


 ルーナが、涙を流す。


「あなたが、私を……みんなを救ってくれたのに……!」


「いえ……」


 守護者が、静かに言う。


「私は……何もしていません……」


「皆さんが……頑張ったから……」


「みんなが……救われたんです……」


 守護者の体が、また少し透けた。


「守護者様……!」


 ミアが、叫ぶ。


「もう……話さないでください……!」


「力を使わないで……!」


「いえ……大丈夫です……」


 守護者が、ゆっくりと体を起こした。


 ミアとリリアが、支える。


「皆さんに……お話ししなければならないことが……あります……」


「話?」


 俺は、守護者を見た。


 守護者が、城の外を見る。


 その目は——。


 遠くを見つめているようだった。


「第二の試練は……終わりました……」


「でも……これで、すべてが終わったわけでは……ありません……」


 守護者の声が、重い。


「まだ……第三の試練が……残っています……」


「第三の……試練……?」


 マーカスが、大剣を握りしめる。


「ああ……」


 守護者が、頷く。


「今回の汚染は……災厄の、ほんの一部に過ぎません……」


「本当の災厄は……これから……」


 守護者が、咳き込んだ。


 口から、銀色の光が漏れ出す。


「守護者様!」


 ミアが、守護者を支える。


「もう、話さないでください!」


「いえ……これだけは……」


 守護者が、俺を見た。


「アルさん……」


「ああ」


 俺は、守護者の目を見つめた。


「第三の試練は……もっと過酷です……」


「空に……裂け目が開きます……」


「そこから……災厄の本体が……」


 守護者の声が、かすれる。


「あなたたちは……それと……戦わなければ……」


「災厄の本体……?」


 俺は、息を呑んだ。


「そうです……」


 守護者が、小さく頷く。


「でも……大丈夫……」


「あなたたちなら……きっと……」


 守護者が、微笑む。


「勝てます……」


 その言葉とともに——。


 守護者の体が、大きく揺れた。


「守護者様!」


 みんなが、叫ぶ。


 守護者は——。


 もう、ほとんど透明になっていた。


「ミア……」


 守護者が、ミアを見る。


「はい……」


 ミアが、涙を流しながら答える。


「あなたに……川を……託します……」


「え……?」


 ミアが、目を見開く。


「私の力……すべて……あなたに……」


 守護者が、ミアの額に手を当てた。


 その瞬間——。


 銀色の光が、ミアの体に流れ込んでいく。


「守護者様……!」


 ミアが、叫ぶ。


「これ……やめてください……!」


「あなたが消えてしまう……!」


「いえ……」


 守護者が、穏やかに微笑む。


「私は……消えません……」


「川の中に……いつまでも……」


「あなたと……一緒に……」


 銀色の光が、どんどんミアに流れ込んでいく。


 守護者の体が——。


 光の粒子となって、消えていく。


「守護者様……!」


 俺は、叫んだ。


 でも、守護者は——。


 最後まで、微笑んでいた。


「ありがとう……ございました……」


「皆さん……」


「どうか……世界を……」


 その言葉が、消える前に——。


 守護者の姿は、完全に光となって消えた。


 残ったのは——。


 淡い銀色の光だけ。


 それが、ゆっくりとミアの体に吸い込まれていく。


「守護者様……守護者様……!」


 ミアが、泣きながら叫ぶ。


 でも——。


 もう、守護者の姿はなかった。


 部屋には——。


 重い沈黙が、降りていた。


 俺は——。


 拳を、強く握りしめた。


 守護者は——。


 最後まで、俺たちを守ろうとしてくれた。


 自分の命を削ってまで——。


「……ありがとうございます」


 俺は、小さく呟いた。


「俺たちは、必ず——」


「守護者さんの想いを、受け継ぎます」

もし面白い、続きが見てみたいと少しでも思っていただけたら☆☆☆☆☆をポチポチして貰えたら嬉しいですm(_ _)m

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