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彼方

作者: 檸檬

雲が水やりをしている


緑の庭、宙四階に棲んでいました


時の水槽を泳いでいた、

水を替えてくれるあの手を待っていた

いつもいつも


たたずんでいたゆらいでいた、


淡い蜃気楼が映ります


真実に美しい記憶があるかのように


ゆらいで咲いているかのようにもみえました


水槽を覗き込むようにして


告白をじっと黙って聞いてくれたあの瞳をわたしはずっと待っていたのかもしれません、

その瞳の中には小さな小さなわたしが映っていました


堰をきって溢れ出した流れに


水槽は溶けて見えなくなって


(沢山の星がキラキラと流れてゆく

記憶がチクチクとささっては流れてゆく)


夢の彼方に見えないもうひとりのわたし


強い引力で引き寄せられたもうひとつの星


それはとても小さな小さな光


それはとても熱い熱い光


終の時まで今を生きている


(沢山の星がキラキラと流れてゆく

記憶がチクチクとささっては流れてゆく)


鼓動を打ちながら

古代の人からの伝言が頭を巡る、

諸行無常の流れが与えてくれるものの中に

底辺がゆらぐ安らぎ、自由だってある

希望に淡く透けゆく雲 


どんぶらこと流れつつあの笑顔が浮ぶ


桃や紫陽花の種を粘土で出来た机の引き出しに大切に閉まっておく


いつかとけたなら心に淡い灯りと成るように


曇り空が水やりを終えました

淡い光に透かされ薄墨色の雲が薄青色の峰の上に浮かんでいます


今のわたしには何処までもすぅと沁み渡る色合いでした








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