EP 053 「退院日」
【現人文明期8895年 10月15日 アンチレス・メディカル 病院正面玄関口 】
ようやく待ち望んだ退院の日がやってきた~☆
「お世話になりましたの~♪」
「アズ君の意識が無くなったときは気が気じゃなかったよ・・・無事にここで見送れることをうれしく思う。」
「アズリン様がご無事でなによりですよぉ~♪病院から退院する人を見送るのって・・、わたし初めてなんですよねぇ・・うれしくてぇ~♪♪」
メディエス院長とファムちゃんに病院玄関口で見送られて、本日無事に退院したアズリエル。
シンシアままと、エレクぱぱはしばらく診療所を空けてこちらに詰めていたため、一足先に戻って慌てておかたずけや受け入れ準備のお掃除さんとかをしてくださっているらしいですの~☆
帰りは送迎にきてくれたガルさんに車で診療所まで送ってもらう。
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【リリエンタール&ハーモニクス診療所:セキュリティAI“イルカ87号ちゃん”】
Pi・・ぴんこーん♪ アズチャン帰ッテキタヨ♪・・モチ解錠シマスヨーン。ドルフィーン・アンローック!ガチャッ!Pid
「イルカちゃんただいま~ですの♪」
「PiPi☆ イェーイ♪ナイスバーック!ドルフィーン・シェイクハーンド!・・Pid」
壁面がきれいな海色に染まりイルカちゃんが壁に姿をみせ手を振ってくれる。
笑顔で手を振り返して診療所の中へ進む。
「ただいま~?ですの~☆」
「おう!天使ちゃんお帰り~!もうすぐ片付け掃除が終わるんで少しそこでゆっくり待っててくれや~。シンシア姐さんとエレクの旦那も持ち出した機材を片付けてるから、奥はまだ埃っぽいと思うぜ~。」
診療所に帰ってくると忙しそうにお掃除してるベクターさんからお声がかかった。
「ベクターさんこんにちえる~♪わかりましたの~☆」
ほけ~とノンビリ用意されていたお茶をすすりながら、久しぶりに帰ってきたな~という感覚にしんみり。
しばらくのんびりしながら、アズちゃんは少し考え事にふけっている。
むぅ・・・、なんとか帰ってきたですけれど、作ったお歌を歌うたびにこれでは困ってしまうですの・・。
でも、せっかく創造ったお歌を歌わないという選択肢も取りたくないですし・・何かいいほーほーはないかな~?
神様は”帰還請願と同等”っていってたRe.Codeさんのお歌、強い願いや祈りを込めて歌うと同じになっちゃう・・。
でもでも、お歌に魂を込めて歌わないのは本末転倒ですの~~。
天使の魔法さんみたいな奇跡の再現ではなくて、お歌として歌いながらも願いをきちんと込めてお歌にできないのかな~?へたに実験しちゃうと死んでしまうですし・・うーん困ったですの~(汗)
次なるは自分に負担のないようにReCodeを歌う方法はないか研究を始める。魔法のような奇跡の再現ではなく、歌として歌うことはできるのか・・?新しい戦いがはじまっていた。
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物思いにふけっていたところ、掃除を終えたエレクぱぱが一足先にやってきたですの♪
「嬢ちゃんおかえり!奥の方の片付けと掃除も大方済んだぞ~。しばらくぶりだったんで嬢ちゃんの部屋も綺麗にしといたぜっと・・」
「ふふ~っ☆ありがとうだよ~エレクぱぱ~♪」
とことことことこ・・ぽすん☆
目覚めたばかりの頃を思い出しちまうな・・・、見た目は何も変わっちゃないが成長したな~って思うぜ~。
「おぉ?、嬢ちゃんが俺の方にくるのは珍しいじゃね~か・・へへへ!」
そんなぶっきらぼうな口調とは裏腹に照れた顔がどこまでも崩れていくエレクぱぱ☆大きなお手手でよしよししてくれる♪
「あら~?どうしたの~エレク顔が凄いことになってるわよ?・・あらあら~?裏側にアズちゃんが張り付いていたからね~。」
そういいながらアズがエレクぱぱに張り付いている後ろ側から顔を覗かせてくるシンシア。
「えへへ~♪」
あぁ~♪やっとアズの居場所に帰ってきたんですのね~☆
ひとまずはこの幸せを噛みしめていたいですの~♪・・・・・・・・・・・・・神様ありがとう~☆