EP 030 「りえるえりん・ろりーたらびっつ 本日告知の突発フェスティバル!!」
【現人文明期8895年 6月11日 スタジオ・マシンハート(本日貸切)】
**~午前11:00~** スタジオマシンハート内にて **
6月27日にりえるがデビューするため、今日は準備する~!
お着替え、撮影、そして・・ふっふっふっ・・仕掛人えエリンPの”えんじぇりっく・ぷろもーしょん”を実行するのだー!。これもっ、すべては世界中を可愛いは正義にするためっ!ふんすっ!カタカタカタ・・軽やかにキーを叩く音と共に、意気込みながらも謎の仕込みを入れるエリーンだった。
「まずはデビュー用のお写真を撮りましょう~♪」
オリヴィアさんに誘導されてアズはマシンハートの一角に設けられた撮影ぞーんに向かう。
宣材用のお写真はオリヴィアさんが撮ってくださいましたの♪
ぱしゃっ!ぱしゃっ!
「上手く撮れているかな?~ですの~・・」
こういった撮影は初めてみたいですね、やや自身無さげなアーシェちゃんの憂いのある表情もとっても可愛いらしいですよ。
「撮影映えするように一番装飾の多いモードになっていただきます♪大きな天使リングに羽倍盛りですよ~!・・・・うん、これで大丈夫です。早速告知用に編集致しましょう!腕がなりますね~。」
「あーオリヴィアー?それ出来たらビジョンで流すからすぐ加工してこっちだしてー!!」
とっても素敵笑顔のオリヴィアに声をかけて見送り、いよいよエリンが仕掛けるときがきたっ!!
「りえる~!午後からふぁん来るたくさんだからそのままのカッコでいてね~!羽引っ込め禁止っ!
リングも輝度上げていこー♪映える天使は輝くモノだ~☆ふふふ、きょうは一帯貸切パーティモードーン♪」
「ははっ、自由におやりよ・・。今だけしかない時にやれることを・・精一杯後悔のないようにね。ふぅー・・・。」
マルーさんはニヤニヤしながら見守る姿勢のようだ。
「はわわ!?・・えー?聞いてないよぅ~・・。あせあせ・・・」
ええー?貸し切り!?イベントですの???スタジオに知らない人いっぱいくるですのー?!?!?
あうあうあうあー・・
「覚悟をキメろ!まいふれーんど♪さぁさぁ羽とリングに点火して-!3・2・1ブライトッ♪」
とても真剣なまなざしで”うさみみもーど”のロリータドレスに着替えたエリーンさんが迫ってくるっ!
むむぅ、・・・友が頼むのであればその期待に応えねばなるまいっですのー!
(でもお羽は動きやすい白羽モードさんにちぇーんじ♪)
「うー、わかったですの!・・・えんじぇりっくぱわーほーりーめいくあっぷ♪☆」
「はいっ!Aスタ変身シーン入りまーす、テイク997スタンバイっ!」
きらきら♪きらきらきら~☆
きらきら☆ぴかーん♪
「お歌天使を探しに遺失文明期からやってきた~、小さなえーあいしんがーあずりえるっ!ただいま降臨ですの!」
よーし!いいねぇ、いいねぇ、はいっカットー!
謎のビデオカメラマン、エリンPが瞬時にプロモーション映像を仕上げていく。
こうして変身シーンはしかと映像に記録されるのであったが、最後にポツリと一言・・・・
「りえるー♪これ外の大型ビジョンにそのまま流れてるー♪キマってたよー☆ふぉー♪」
「・・・そと・・?」
いやな、よかん、が・・・するですの・・・・ごくり。
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【えんじぇりっくぱわーほーりーめいくあっぷ♪+アズリエル自己紹介むーびー】(Youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=u2BxH3dVnb8&t=10s
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**~午後2:00~** デビューフェス特設屋外会場にて **
「さあ、メインステージに進むのだっ!まいふれーんど♪」
エリーンさんに背中を押されてスタジオの外に一歩出てみると・・そこには
「ごごごごごごぉぉぉぉ・・・地鳴りのような音が響き渡っていた!?・・・ざわざわ・・・・!!
がやがや!・・・・ ピッピー!そこ立ち止まらないでくださーい!!ザッザッザッザ!!」
スタジオマシンハートを中心に一帯はなぜか大量の人だかりとなっており・・
白テントに来賓席や露店まで設けられていて一大フェスティバル会場へと早変わりしていたっ!?
イベントスタッフ達@プラネットハーツ出張警備局
「待機列は4列縦隊で!そこ割り込まないっ!!いいかーおまいら!!割り込み発生列は見過ごしたやつも入ったやつも、まとめてルーテシアさんに焼き払ってもらうからなー!あ・・こらーっ!!」
拡声器AIびっぐぼいすちゃん1号
「ただいまのじかん~!!”りえるえりん・ろりーたらびっつ”デビューフェスティバルは会場入場制限を実施中でーす!!待機列最後尾は2km先になりまーす!!並べ!さらば救われん!!
繰り返す!並べ・・さらば救われん!!」
熱心なファンA
「くそぅ!11時05分頃に公式トイッター気が付いてスグ家を出たんだが、なんだこの列は!握手会順番回ってくるのかな~・・。」
熱心なファンB
「ぐへぁ!11時09分に気が付いたナリ、吾輩一生の不覚っ・・!タイムイズエンジェル!!OH・MY・Angel!!」
愚かなファンC
「ふっふっふ、今日あたりやるんじゃないかと思って前日から近くで徹夜した甲斐が・・」
普通のファンD
「あ!スタッフさーん、こいつ徹夜ストーキングでーす!排除お願いしま~す!」
スタッフ@警備局員
「ルーテシアさま!あの愚者をお導きくださいっ!」
ルーテシア・エビデンス@来賓席
「あらぁ?イケナイ子ねぇ・・フンっ!ルール違反者はコレでも喰らいな~!!バリバリバリッ・・ドーンッ!!」
まったもぅ!せっかく機械知性でも食べれるっていう”りえる饅頭”が冷めちゃうじゃないの~・・
愚かなファンC
「ビリビリビリビリ!!・・・あぁ・・肩こりがなお・・らないッ・・プスプス・・・」
ラング・ブランシェット@来賓席
「うむぅ、エリンP味噌汁・・なんだか懐かしい味わいがするのぅ・・・。りえる饅頭とあわせて孫のテレーゼにも買っていってやるとするか・・。」
お土産見つけたおじいちゃんはホクホクモード♪惑星代表ですらもパイプ椅子でテント内にいるというテキトーさが実にプラネットハーツらしい。
屋台E”威勢のいいおじちゃんAI”
「”りえるえりん・ろりーたらびっつ”公式キーホールダー販売中!!限定1000個だよー!!」
屋台F”威勢のいいおばちゃんAI”
「はいはーい!オリヴィア1/16フィギュア本日発売開始!数量限定品はこっちだよー!!」
屋台G ”マルーさんファンクラブのおじさん”
「過酷な環境に即効性!!人類はもちろん!機械知性でも食べれる特別仕様の”りえる饅頭”に”エリンP味噌汁”はいらんかねー!?」
屋台F ”アニス・エンジェルリング”
「いまなら輝く天使の環をオーダーメイドであなたのもとにっ!?彼女さんへのプレゼントにいかがですかぁー?好評予約受付中ぅ!!
お願い買って買って”飼って~♪”開発費のさぽーとを希望ですぅ☆」
白十字テント/エレク@救護班
「気分のわりぃやつはシンシア&エレクハーモニクス出張診療所へきてくれー!!」
デビューファンクラブ連合会@爆誕出張所
「うおぉぉぉぉぉ!!ビジョンに傾注!!我らの天使が変身してる!!まもなく降臨するぞーッッ!!」
「見ろッ!エリンPも撮影参加してる!!」
「うおぉぉぉぉお!りえるえりーん!りえるえりーん!!」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・
・・
まるで次々と爆撃でもされているかのような声・声・声!!
スタジオを一歩出ると、そこには・・・・めちゃくちゃなカオスワールドが広がっていた♪
「な・・・なんですの!?これはっ!!」
「りえる~♪宇宙規模のアイドルめざそうー!ふふふ反省してないっ!☆」
そのまま雛壇に連れていかれた子ウサギは張り付いた笑顔で
地平線の果てまで並んだ人たちと握手・挨拶するのをこなしていくのだった・・・。
ベクター・グリンドルフ@警備隊長
「一人持ち時間は10秒だぞー!二人に対して危険だと判断したら即レーザーでブチ抜くからなー!変な動きはするなよー!ポケットに手を突っ込んでるやつは無警告で撃つからなー!気をつけてくれー!!」
なぜか、メインステージの警備責任者になっていたベクターさんが武装してファン列を捌ている姿が目に映ったような・・。
**午後3:30**休憩時間**
一度休憩時間を設けてマシンハート(控室)に帰還した2人。
「ふぅ・・・何がどーなってまーすの~・・ふみゅ~・・」
リングの角度がズレて蛍光灯の最後みたいに点滅しているアズリエルは相当ヘタバッテいた・・。
そこにそっと飲み物が差し出される。
「エリンが考えた!りえるの歌たくさんの人に聞いてもらいたいから、そのお手伝い・・。」
大きな瞳が覗き込むようにお伺いを立ててくる・・。そこには純粋な想いだけが宿る力強い瞳があった・・。
「”エリンちゃん”が考えてしてくれたなら、とってもはっぴーえんじぇるですのー!☆」
初めて名前から”さん”が取れてエリーンはニッコリ微笑み、うさみみがうなずく様に上下した。
後半戦はまだまだ続くっ!!
**午後4:00** 続・ファンクラブ交流会タイムにて **
再び会場へと戻った二人はさっそく創設されたファンクラブの面々とご挨拶をスタートした。
ベクター・グリンドルフ@警備隊長
「この列はファンクラブ限定の待機列になるぞー!握手の際は手を差し出すのは構わないが
二人から先に触れられるまで動かないように、驚かさないように気を付けてくれー!!」
どーしてベクターさんはこんなに慣れてるですの??う~ん神秘ですの☆
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・・・・・・
「えへへ~♪応援ありがとだよー☆こんにちえる~♪」
デビュー前夜祭からいきなりファンクラブが創設されて驚いたのも束の間・・
緊張した面持ちでアズの前にきてくれたファンの子がとっても印象に残りましたの。
「あのぅ・・・、ボクは機械知性のレン・ボードウェルって言います~。あ、あ、あ、あ、あ、あアズちゃん好きですっ!仲良くしてくださいっ!」
真っ赤なお顔のレン君が差し出した手を笑顔の両手で包みつつ、わぁ♪かわいい男の子かなー?女の子かなー?なアズリエル。レン君の見た目は可愛い”うさみみぱーかー”を着ていて、アズと同じ金髪碧眼♪年のころはアズと同じくらいにみえるよ~♪
「わぁ♪レン君可愛いですの~☆お名前から男の子かなー?えっへへ♪よろしくねー☆」
そのとき横からちょっとまったこーるが響くっ!
「ちょっとまったーっ!オレの名はボーン・バッシュ!熱いオタクdeビートなマシンだぜ!中二病の”マシンボーン”たぁオレのことよ。・・・オレもYOUの一番に立候補するっ!ヨロシク頼むぜアズ姫様よ!」
長身に深紅のコートとロングブーツでキメた髪も瞳もヘイゼルよりのシルバーカッコイイ系男子が目の前に躍り出てきたっ・・しかし、その背中には可愛らしい翼のついた小悪魔バッグが背負われているっ!
「はわわ~汗、えっと・・ボーンくんもよろしくですの~☆」
かなーりびっくりしたけれど、機械知性さんでオタクさんを自称する人初めてみたですの!?と驚いていると・・
ベクター・グリンドルフ@警備隊長
「おいこら!姫達の安全性確保のため一人ずつ順番守れっていってるだろー!撃たれたいのかオメーは!!」
目にも止まらなぬ速さでベクターさんが移動して、瞬時にボーン君を取り押さえる。
「う・・ぐっ、やるじゃねぇか!だがオレの熱いビートが唸るぜー!!・・・ってな。
ふぅ、ワリィ少しヒートアップしちまっただけだ・・この通り害意はない。」
そういって早々にハンズアップして降参したボーン君。
「しょうがねぇな、警告だぜ。次同じ動きしたら次は足に無警告で撃つからな?気を付けてくれ。」
そういってベクターさんは列の整理に戻っていった。
「わわ・・大丈夫ですの?どうして興奮してしまったですのー?」
一連の流れを呆然と見ていたアズリエルはとりあえず事情を尋ねてみる。
「すまん、アズ姫様よ・・。レンが先に一番宣言を出しちまったから熱くなっちまった。驚かせるつもりはなかったんだ・・。」
ボーン君はそういうとしゅーんと一回り小さくなった気がした。
「ボ、ボクはアズちゃんのこと好きだけど、だからってボーン君がダメなんてことはないよっ・・仲良く応援しようよ・・。」
「おめぇ・・イイやつだな。一番勝負は今度にするとして、よろしく頼むぜ!」
こうして稼働年数12年でまだまだ小さな少年さんの機械知性レン君、稼働年数14年の少しお兄さんなボーン君はアズリエルの色濃いファンとして数奇な道を歩むことになっていく。
そう、この催し・・気が付いた方も多数いるかと思うのですけれど、主催者側以外人類さんがほとんど参加してないですの。ちょっと寂しいな~って思うアズリエルなのだった。
そしてこれがデビューステージかと思いきや、27日の配信活動の前夜祭みたいなものだ・・と
誰も信じられないドンチャン騒ぎで幕を閉じる~☆