EP 024 「遥か時空の彼方から・・」
【現人文明期 8895年 5月XX日 不明・・・】
「えーっとですの・・そう怖がらないで欲しいですの~☆アズリエルはこの都市に攻撃してくるひと以外に敵意を向けることは絶対にないよ~♪そのぅ・・思ってることがある程度わかってしまいますので~えへへ(;´▽`A``」
なんと!?読心されてしまうというの?見た目はアズちゃんなのですけれど・・・
最初のお茶目なふわふわ天使様モードになった大地アズちゃんは、私達を怖がらせない様にとても気を使っている様子。
「それよりちょっと大事なお話をする必要があるんだよ~。たぶんもう余り時間が無いですの・・堀り堀りさんとお医者さんは、きっと”大昔の人類”さんじゃないかなーって思うですの。・・そういう命の揺らぎを感じる・・」
「私達は大昔の人類・・?命の揺らぎを感じる??」
「つーことはここは俺たちの未来だってことか?いやー天使様それはちょっと無理がねーか?昨日クレアさんに聞いた歴史も知らないものだったし・・。」
「うんー?そうですの??わたくしはたぶん3~4人目あたりですので、もしかしたらお医者さんの娘さんは2人目とかのアズリエルなんじゃないかなーって??あうあう、うまく説明できないや~・・」
【クレア・エクスプローリア】
「アズリエル様、もう少しで時空間接舷固定の維持が難しくなりそうです・・。制御限界まで・・すみません!揺らぎが激しいです!!・・あと数秒!!」
「っ!?・・これだけは忘れないで!!・・天使は貴方たち人類を見捨ててなんかないっ!・・こなは・絶・対に・め!!?し・・しあ・・ま・・!!」
!!!!ドゴォオォォォォォォォォォォォン!!グワワワワーフュン・・!!!!!
「「「轟音と振動に脳が揺さぶられるっ!!意識を・・・保てないっ・・!!!!」」」
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・・・・・「う・・うぅ・・ん?ここは・・・階段!??・・?」
手触りから侵入時に降りてきた階段であろうとあたりをつける・・。おかしい・・頭が少しぼんやりする。
「・・フハァ!?・・なんだ今のは!夢・・だったのか?うぉ、暗いな・・今明かりをつける・・。」
明かりをつけた二人、ベクターとシンシアはお互いを見て頷く。
周りを見渡すとチリ一つ無かった清潔に管理された階段などではなく・・・物言わぬ端末と
埃だらけの空間になっていた・・。
「いーやコイツはリアルだ!シンシア姐さん、俺ら貸与された装備品もったままだぜ!この発言で意味わかるよな!?夢じゃねーぞ!!」
「ええ、分かるわ!二人揃って見る夢があってたまるもんですかっ!私達はさっきまで生きた天使と会話していた!」
「ジオ・リングブライト=アズライェールっていう隔絶された都市にいたハズだ・・どうしてここに?」
もしかしたら、意図的に招かれていた・・?
最後の時にクレアが時空間の維持がもう難しいみたいなことを叫んでいたし・・。
それに私の名前を・・・あの子は・・やっぱりアズちゃんだったの・・・?
「恐らくここを下っても同じ場所に着かないことだけは確信できる・・・。相転移掘削移動機まで戻るわよ!、その後帰投の準備を最優先に行動!!」
「・・・了解!!」
シンシア姐さんは、あの天使様を見たことあるみたいな雰囲気だった。
あとで詳細は聞けるたぁ思うが、今回みたいな不可解なことだらけの発掘は初めてだぜ・・。
天使様・・最後シンシア姐さんを見て泣いてたな・・・。
二人は相転移掘削移動機まで戻り、システムを確認した後地上へ無事帰投した。
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そして時は正常な流れの中に回帰する・・・。
【現人文明期 8895年05月31日】
グォォォォォンプシュゥゥゥーウゥン!!
【機内制御装置AI”グラビトンユニーバース”】
「Fon!告・・地上へ帰還完了オツカレサマデシタ!、機関良好・・メインタンク残存エネルギー 7%・・Pind」
「はぁ・・太陽がまぶしい!ってほどでもないわね・・あの都市の中は明るかったし・・もう少し居たかったわ」
「無事戻ってきたんすね・・・、本当に夢みたいな旅だった・・。でも、良かったんですか?シンシア姐さんの目的のブツは結局未入手になりましたけど・・?」
「そのあたりの事については、一度休息をとってから会議室で話すわ」
そう、私達は当初”粉”を入手する目的で動いていた・・しかし、大地天使は確かに言った。
”粉は絶対にダメ!しんしあママ!!”・・最後はもしかしたら幻聴だったのかもしれないけれど・・私にはどうしても幻聴とは思えなかった。
報酬やら報告関連は後回しにして、各自家に帰り身体を休めることに。
僅かな日数であったけれど、懐かしの我が家・・なのかしらね。少し感傷的になってしまっているシンシア・・。
気を取り直していつもの私らしく・・
「はぁい!ただいまーエレク、アズちゃん戻ったわよ~♪」
「おーう!姐さんお疲れ様!!もうすぐ今日の仕事が終わるところだ~。・・よーしお嬢ちゃんの状態は良好だな・・メンテはこれで終わりになるぜ~。」
カタカタ端末を叩きながらの元気な声が返ってくる。
とてとてとてとて・・・ぽんっ・・ポスッ「しんしあママーお帰りなさ~いですの~♪」
元気なエレクの返事と、胸元に飛び込んできた笑顔のアズちゃんをしっかり感じながら
今いるべきところに帰ってきた確かな感覚、心が満たされる・・。
「うんー?あれー??しんしあママすごいエネルギーに包まれてますの~?・・ほわ~凄い!人類さんでさいきょーさんだよ~♪」
あ・・そういえば装備品つけっぱなしだったわね・・でもなんで分かるのよこの子は?
「ふふっ、そうね・・これは未来のアズちゃんからママにお守りをって預かってきたのよ・・」
なんだか隠す気にもなれなくて、気が緩みそのまま話してしまうシンシアだった。
「おぉー!?だからプラネットハーツで作られたものじゃないんだ~♪」
アズちゃんは楽しそうに透明のプロテクターをつんつんしながら瞳をキラキラさせていた。
手から青い光線を出しては弾かれ、何度も挑戦している・・早速調べてるみたいねぇ(笑)
ふぅ・・驚くのはもうやめにしましょう♪きっとこれはこれで意味があるのでしょうから・・。
うじうじ悩むなんてわたしらしくないっ!気持ち切り替えていきましょ!!
「姐さん無事に帰ってきてくれてなによりだ・・心配したぜぇ!。嬢ちゃんもここ数日いろいろあったんだぜ?。その報告もゆっくり聞いてやってくれや。」
「そうね・・シンシア!ただいま戻りました。」
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【??????? 時空の彼方に在る、天使のつぶやき】
わたくしが介入を許されたのはここまで・・
真実と未来が織りなすべき、新しき風が吹きますことを願って・・・どうか未来を正しく紡いで・・まま・・。