EP 011 「スタジオ”マシンハート” その1」
「現人文明期8895年 5月16日」
「るんるん♪初めて一人でお出かけですの~☆」
きょうは”マシンハート”っていうお店にいるオリヴィアさんに会いに行くんだ~♪
”会ってもいいよ”っていうお返事きたんだよ~☆
ちゃ~んとエレクぱぱ☆シンシアまま☆の許可さん取ったですのよ~。
シンシアままから貸してもらった小さなモバイル端末さんの案内に従って歩くことしばらく・・
配信スタジオ”マシンハート”の看板を無事発見ですの~☆
カチャ・・りんりーん♪
エリーン・テンニエス
「いらっしゃいませ~、スタジオマシンハートへようこそ~・・おぉっ!?」
サササササーッ!と小さな店員さんが勢いよくアズのところに駆け寄ってきた!?
アズの周りをくるくる回りながらジィィィィっと見つめられてますの~!?!?
「なっ!?・・なんですの~?」
とっても緊張しますの~、ど、どどどうすれば・・はわわわ・・
「・・・キューティーポイント95点おーば~♪スタジオ無料サービスチケット10枚進呈~☆
私は”Kawaii人類探求家”のエリーン・テンニエス!ついでにココの店員をしてるよー。
うさうさ~♪」
・・・とても、びっくり・・したですの・・。
でも、サービスチケットをいただいてしまったよ~♪
・・・アズのウサミミさん、ずっと触られてますの~・・わ~ん動けないよぅ。
目をぱちくりさせながら、近くでじっくりエリーンさんを見てみると・・
「おぉ~!?アズと同系統のファッションさんですの!?」
「Sou、遺失文明期に流行ったとされる幻のロリータ・ファッション~、うさうさ♪」
「わぁ♪アズ以外に初めて同じファッションスタイルの人見たよ~♪
わたくしは機械知性”アズリエル”ですの~、でも・・お名前発声できないはずですから適当に呼んでくださいませね♪」
「ん?・・呼べない?・・なんで??、アズリ・・うぐぐ、ほんとだ~不思議♪
それじゃぁーリエル!リエルって呼ぶ~。きまーり♪」
二人できゃいきゃいお話していると、横から声がかかる。
マルー・メイディ
「おや?これはこれは随分と可愛いらしいお客さんだぁね~。いらっしゃいな。
いつも辛口評価なエリーンから95点もぎ取るなんて珍しいこと。」
そういって妖艶な微笑みをくださいましたのは、機械知性の”マシンハート”店長マルー・メイディさん。わぁ・・・とっても大人なせってぃんぐのメイド服・・ですの☆
「こんにちえる~ですの♪アズはオリヴィアさんに会いにきたんだよ~☆」
「あぁ、聞いているさね・・オリヴィアは今配信中だからしばらく待っているといいさねぇ。エリーンお茶入れとくれよ。」
「あーい♪」
オリヴィアさんが出てくるまで、中で待たせていただくことになりましたの~☆
・・・・・・・
「ティータイムどーん♪」
エリーンさんがポッドに入れたお茶を持っていらっしゃいましたの・・。いい香り~♪
「私は機械知性だけどね、どうしてもティータイムがやりたくて飲めるようにしてもらった特別性なのさ。せっかく来たんだ、今じゃ珍しい本物の茶葉をつかった逸品、香りだけでも楽しんでおくれよ。」
カップに注いでいただいた良い香りのお茶~♪じゅるる・・。
「いただきますの~♪」
至極当然のごとくカップに注がれたお茶に手を伸ばして ”一口”・・。
「あーい?」
「何してんだい!?ちょっとお待ちよ!」
すぐに吐き出させないと!
機械知性にとっては致命的になりうるんだよ!!
「ずずずず~おいしいですの~♪」
「あーい♪」
「えぇ!?あんたも飲めるのかいっ!?」
飲み物を飲みたいという要望をADF関連施設に依頼したとき、
こんな事を依頼してきたのは”貴方が初めてだよ”と言われたもんだけれどねぇ、他にもいるたぁ驚いたよ。
そういや首元にプレートも見えないし、実は人類なんじゃーなかろうね?・・・
訳アリってろころかねぇ・・、まぁいいさ。
「おかわりおかわりー♪お茶の妖精~♪おいしくな~る☆」
陽気なリズムにのってエリーンさんがおかわりを注いでくれますの♪
「とってもテイスティですの~♪」
「イエス!まい・ふれーんど♪」
「ふーん♪あたし以外に飲める機械知性に出会った記念日だねぇ」
驚いたけれど、飲めるなら存分おやりよ・・詮索はナシにしておこうじゃないの。
─カチャッ・・・バタンー
「あらあら、皆様お揃いでティータイムなの~?私も混ぜてくださらない~?」
配信活動を終えたらしいオリヴィアが部屋に入ってきた。
「オリヴィア、おつかれさーま☆」
「おかえり、今日はどんな具合だったかい?」
「わたくしは機械知性アズリエル、アズリエル・ノイエン・アーシェライト!、オリヴィアさんこんにちえる~ですの☆お招きいただいてありがとうだよ~♪会いに来たよ~☆アズのお名前は呼べないので以下略ですの☆」ぺこりっ。
元気よくちゃーんとご挨拶ですの~♪うまくできたかなー?
「まぁまぁ・・よく来てくれたわね、お手紙ありがとう~!とっても嬉しかったのよ~、私がオリヴィア・アーティエル・ハーツです。・・それではアーシェちゃんと呼ばせてもらいますね~。」
ほっこり自然と笑顔が出る。お便りをいただいたのなんて、実に20年ぶりくらいじゃないでしょうか?・・
今の時代人類はもとより機械知性も配信を見て感想をいただくなんていうことはめっきり減ってしまいましたもの・・・。
「アズね、オリヴィアさんの”結晶”が見たいですのー!結晶さんはこれだよー!」
そういうと、アズリエルさんは何もないところから”羽マイク”のようなものを出して見せてきた・・。
「りえるー?何もないところから出した!ポイント+10点♪」
「おやっ、手品の類かい?上手なもんだねぇ~。」
エリーンさんが羽マイクを見つめながら、触れようと手を伸ばした刹那・・
「消えた・・・?」
「あれぇ?りえる触れないよ~、見えないよ~。」
「この結晶・・マイクさん?はアズ以外には触れられないようになってるみたいですの~。しんしあママは”先史文明期”のモノだっていってたよ~?何故かうごかないですの・・・」
「むぅ、触ろうとすると消えちゃう~。離れると出てくるー♪やるなおぬし~☆」
エリーンさんは未知の体験に大喜びのご様子ですの♪楽しそう~☆
「こ、これは!?驚きましたね・・初めて人類遺産を目にしました・・。」
「私も初めてだよ、これが先史文明の遺産ってやつかい・・」
チラっとオリヴィアのことを伺っていると・・・
「結晶・・そういえばお手紙にも書いてありましたね。マイクのことでしたらこちらを使用していますよ。」
配信に使っていたマイクを手渡して見せてくれるのだった。