表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕立  作者: 蒼生光希
3/10

じわり、じわり。

 ババアのせいで真由香ちゃんに距離を置かれたらどうしようと思ったけど翌日も普通に接してくれた。嬉しい。

 派遣の彼女は経理部で内勤をしている。

 休憩所でガラガラ声の総務部長の声真似をしたらウケた。笑った声が可愛い。


 出会って数日が経った。真由香ちゃんとは順調に距離を詰めている。くるくると表情が変わるし、退勤後につけている香水の匂いがたまらない。そろそろ手を出したいが社内の女の子なので慎重に口説くことにする。


 一つ気になることがある。

 どうにも体調が悪そうなのだ。まだ二十歳そこそこだろうにやたら首や肩を回して気にしているし、デスクでお弁当食べているところをチラ見すると小さな弁当箱の中身を半分残していた。

 ダイエットでもしているんだろうか。俺はちょっとくらいふくよかな方が、抱く時気持ちよくて好きなのに。


 休憩所や退勤後、よく話すようになり何日か経った日。

「領収書? こっちで預かるから」

 俺があまりにもちょいちょい経理部に来るもんだから、警戒したクソババアがガードしたのかと思ったら真由香ちゃんのデスクは空いていた。

「あれ、真由香ちゃんは?」

「倉橋さんもしくは倉橋社員って言いなさいよ」

 冷ややかな目。もう年増で男から相手にされないからイラついてるんだろうな。更年期ってやつか。

 「今日は体調悪いって。土日で良くなるといいけど」

 「ふうん」

 連絡先を聞いておいてよかった。体調が悪い女には心配するメールを送っておけばまた好感度が上がる。今夜は別な女と会うことにしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ