長岡更紗さま『好きな人に好きと言われたら死ぬ病と診断されたので、俺は君に告白させない』
「ああ、今日はレビュー日和だな」
すじ雲が浮かぶ清々しい空にうなずいて、レビュー喫茶店の看板を出しました。
わたしはレビュー喫茶店の喫茶マスターのくまごろうです。どうぞお見知りおきくださいね。
このレビュー喫茶店は、おすすめの一冊を語り合う喫茶店でございます。
今日はどんな一冊に出会えるでしょうか――?
「いち、に、いち、に――」
すじ雲がうどんに見えたアライさんと一緒にうどんを作ることにしました。
よいしょ、うんしょ、うどんの生地にコシが出るようにリズムよく踏みます。
アライさんと交代しながら生地を作っていると、森のおにぎり屋さんの店主のたぬきさんがやってきました。
「くまごろうさん、こんにちは」
「たぬきさん、こんにちは」
うどん談義をしながら喫茶店に戻ると、たぬきさんは抱えていたおすすめの一冊を見せてくれました。
本日のおすすめの一冊、どんな本か見てみましょう。
「これは長岡更紗さまの『好きな人に好きと言われたら死ぬ病と診断されたので、俺は君に告白させない』ですね」
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《本日のおすすめの一冊》
◇作品者/作品名
長岡更紗さま
『好きな人に好きと言われたら死ぬ病と診断されたので、俺は君に告白させない』
(https://ncode.syosetu.com/n6540ge/)
◇ジャンル/文字数
現実世界〔恋愛〕/ 22,786文字
◇あらすじ
俺、菊谷紀一郎。陸上部所属の高校二年。……彼女? いねぇよ! でも、気になる子がいるけどな。
サラサラのショートボブが可愛い、陸上部のマネージャー、山下藍美。(なんと、俺んちのお隣さんなんだぜ!)
藍美は俺のことを「きっくん」って呼ぶし、何かっつーと俺に優しいし、これって……イケるんじゃねえ?
そう思っていたら、医者からとんでもない宣告を受けた。
『好きな人に好きと言われたら死ぬ病』だって。
────は?! マジで?!
(『好きな人に好きと言われたら死ぬ病と診断されたので、俺は君に告白させない』の小説情報より引用しています)
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たぬきさんのしましましっぽが揺れるとアライさんのしましましっぽも揺れました。
「故郷のたぬき村で読んでいないタヌキはいないと言われる作品でしてね――本当に本当に素晴らしくてレビューのお手紙を書きました」
たぬきさんがレビューのお手紙を大切そうにゆっくり広げてくれました。
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◇レビュータイトル
きつねーたぬきー!あなたも読み終わったらきっとそう叫んでしまうはず!
◇レビュー本文
突然ですが、合言葉と聞いて思い浮かぶものは何ですか?
山と川と答えたそこのあなた――古い!それはもう古いですよ!
正解は――「きつねーたぬきー!」です。
これはテストに出るのでしっかり覚えておきましょう♪
この物語の主人公きっくんはクラスメイトの藍美とちょっといい雰囲気の高校二年生。念願の彼女ができると思っていた矢先、とんでもない病気――『好きな人に好きと言われたら死ぬ病』を発症してしまう。
好きな人に好意を持たれれば持たれるほど病状は悪化して、意中の相手から「好き」と告白されると死んでしまうとわかっていても、好きという気持ちは簡単にはなくなってはくれなくて……。
大好きな人に好きと言えないせつなさにもだえ、この青春をもてあそぼうとする病にどうやって立ち向かうのか続きが気になってしまうこと間違いなし!
きっくんと藍美の運命は――?
ぜひぜひ、ふたりの選んだ未来を見届けてみてください!
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「たぬきを合言葉に使ってくださる作者の長岡さまは――葉っぱの付けどころが違いますよね」
たぬきさんはドロンと化けるときに頭に乗せる葉っぱにこだわりがあるので、葉っぱの付けどころが違うというのは格別な褒め言葉なんですよ。
「それにしても……たぬきを合言葉にしてくださったのが本当に嬉しくて、ファンアートというものにも挑戦してしまいました」
たぬきさんはパタパタとしっぽを動かしてとっても嬉しそうにファンアートも見せてくださいました。好きが溢れていますね。
「この作品の要になる『好きな人に好きと言われたら死ぬ病という病気』を思いつくというのもやはり凡人ではありませんよね……だって好きな人に好きって思われていても好きって言われたら死んじゃうんだよっ?!」
「ええっ?! とんでもない病気だね!」
興奮したたぬきさんのしっぽが椅子にバシバシぶつかると、アライさんのしましましっぽもバシバシと床にぶつかっています。
気が合うならぬ、しっぽが合う仲なようですね。
好きな人に好きになってもらうこと自体が奇跡と呼んでもいい幸せな出来事なのに、好きだと言ってもらうことができない……なんという切なさ、もどかしさ、理不尽さでしょうか、とわたしもうなるようにうなずくと店主のたぬきさんは口をひらきました。
「作者の長岡さまが、読者を切なさともどかしさの谷底にどんどこ落としていくスタイルをなろう森の皆さまは、愛を込めて『長岡節』と呼んでいます」
たぬきさんがふう、と切ないため息をひとつ吐きました。
「長岡節が来る、切なすぎる谷底に落とされるとわかっていても長岡節にハマってしまう方がなろう森に続出しているのです……たぬき村は全員谷底に沈んでしまいました」
たぬきさんは、長岡さまの『長岡節』を熱く語り終わるとあつあつの新米をきゅっきゅっとむすびます。わたしは先ほどのうどんの生地を伸ばして、茹でていきます。
おむすびを握ったたぬきさんの前にあつあつのキツネうどんを出しました。たぬきといえば、きつねですからね――テストに出ますので覚えておいてくださいね。
「たぬきさん、あつあつのキツネうどんをどうぞ」
「くまごろうさん、ありがとう」
「たぬきさん、美味しいおにぎりと素晴らしいおすすめの一冊をありがとうございます」
本日のおすすめの一冊である長岡更紗さまの『好きな人に好きと言われたら死ぬ病と診断されたので、俺は君に告白させない』は、くまごろうの本棚に入れておきますので皆さまも手に取ってみてくださいね。
ここはなろう森にあるレビュー喫茶店。
今度はどんなおすすめの一冊に出会えるか楽しみですね。
またのお越しをお待ちしております。







































