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竜騎士聖女は隠れて暮らす  作者: 卯月 霰
1/4

繰り返す












一回目の人生は病で死んだ____....








私の名はエレノア・クレイ・ロックフェラー


公爵家の娘


幼き頃に母を亡くし、父に好かれようと勉学に励み、

弟を守るために継母に嫌われようと…

異母妹に嫌われようと気にせず強く生きていた


でも、いつの日かやってもいない横領や

帝国で禁じられている奴隷の買収の罪で

公爵家の名を恥じたとし、極寒の北大国への追放

寒さに慣れておらず、薪を焚べるのもしたことが無い私



一緒に送られたはずのメイドは買い物をすると言って

出たっきりいつの間にか小屋には戻らなかった

それでも生きなくてはと、ずっと独りぼっち




「ゴホッ…ぐ…、うぅ…」




風邪を拗らせて、酷く魘されている

ベットに横になっても意味もない

息をするにもゼーゼーと喉が鳴り、上手く吸えない

何故、どうして、お父様、お母様…ダレン…

心の中で叫んでも誰も助けてくれない




「おか…さま……」




どうか、お母様だけは私の身の潔白がわかってますように

どうか亡くなっても、お母様の元へ行けますように

そして弟のダレンをお守り下さい


そんな事を願いながら窓の外にふと目を向けると、轟々と大雪が降っている

今夜も荒れている、止む日はあるのだろうか



ああ、寒い…苦しい…

もう辛い…


まだ16歳だった私は、生きる術も本質も分からず

ただひたすらに父へ愛情を求め、周りへ自身の存在価値を確かめたかった幼い子供

魔法も弟と異母妹より遅くに発生し、落ちこぼれと呼ばれ常に屋敷の人間からは冷たくされていた

継母の虐待も、異母妹の嫌がらせも継母によって前執事長から全て代えられた屋敷の人間により隠蔽されていたのだ

良くダレンに助けてもらってたな…


ああどうか次の人生は、愛される人であってほしい…


そう願いながら、私は意識を手放した

死ぬ、と認識するには時間はかからなかった



















―――――――――――――――――――――――――――………


















パチリ



目が覚めると、それは1度目の人生と同じ景色

赤ん坊の私を大好きなお母様とお父様が優しい顔で覗いている



「あうあうー…」



喋れている、喉や身体はどこも痛くない

2度目の人生をやり直している事にすぐに気がつく



「エレノア、私の天使」


「ああ、君に似て良く笑う子だ」


「瞳は貴方にとても似ているわ…」



なんと絵になる夫婦だろうか、仲睦まじく微笑み合っている

これは夢なのだろうか…












そう、幸せは長く続かない

前回と同じ時期、お母様は亡くなった

弟ダレンはまだ1歳、私は3歳だ


母、ミラ・ルージュ・ロックフェラーの運命なのだろうか

悲しみに耐えきれない

また、またもやお母様を失った


泣きじゃくる私とダレンを抱きかかえ、静かに泣かず…お母様の墓の前で強く立っている父


西帝国の騎士団長

オーウェン・トーマス・ロックフェラー

賢く厳格な父、西帝国では子供も知ってる

【冷徹な風の騎士】として有名

世の女性にはその見た目、富、地位で大人気である


私やダレンに厳しくも優しい父

でも、1度目の人生では継母と異母妹のせいで

弁解も何もさせてもらえぬまま…

北の大国へ追放されたのを今でも思い出す


あの後のダレンはどうなったのか、

そしてグライハム大陸はどうなったのか…












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