詩 いつまでも待ち続ける人形
よくできた人形のように 大人しくしていて
ご主人さまの帰りを待つ
私はなんて良い子なのでしょう
ねぇ 褒めて
毎日 ずっと変わり映えのない毎日
それでも 幸せ
私の世界は この部屋の中で完結しているんだもの
人形が夢を見る? そんな事 ありえない
アシタの事を夢想する? そんな事簡 単にはできない
今が幸せなのが一番
完璧に完結したオハナシ そう
よくできた人形のように おりこうにしてられる
ご主人様を待つ その時間すらも幸福
褒めて 褒めて 今日も褒めてくれた
それだけあれば私は満たされている
「ストーリー」
彼を作った職人は帰ってこなかった。
人形はアトリエでずっと待ち続ける。
変わり映えのない部屋の中で。