やってやる!
シオン達が壁を壊しながら出口に進んでいる所を見ている者がいた。
「…………なんて言う非常識な奴らなんですか!?」
ダークリキッドは流石に焦っていた。
「こちらが用意した罠が全部ムダになってしまったわ。流石に出口に配置したダンジョンボスまでは素通りできないでしょうが、思った以上に早く到着しそうね」
爪を噛みながら次の手を思案した。
「そうだわ。あの手があるわ!」
思い付いた手に笑みを浮かべた。
「魔王様は邪神様の復活準備でまだ動けない。もう少し時間を稼がなければ」
魔王は膨大な魔力をもつシオンを邪神の生け贄にしようと考えていた。従順になるなら子をもうけてから贄にしようと思っていたが、従わないなら邪神を復活させてから、その力で魔族を増やせばいいと考えていたのだ。
各国を攻めて、大量の死と怨念を邪神に捧げるのも作戦の一環であった。
ダークリキッドはシオン達がダンジョンボスの間に到着する前に準備に取り掛かった。
一方、シオン達は──
「シオンお嬢様、ただ殴るのではなくねじ込むように殴るのです。こうですこう!」
「こうかな?こうっ?」
何故かスノーから拳の伝授を受けていた。
「お嬢様開発した掘削機のドリルを思い出して下さい。奥にねじ込むように、芯を打つのです!」
ここにきてスノーのシオンをからかいたいという悪い癖がでたのだ。好きな人物ほどおちょくりたいスノーであった。
まぁ、間違った事は言っていないのだが…………
「スノーさん、伝授は後でいいので先に進みましょうよ?」
セリスの言葉にスノーは平然と言ってのけた。
「シオンお嬢様のおかげで、大幅に時間短縮されております。休憩も兼ねて今の内に気付いた事を言っておかなければ、もしかしたら、些細なダメージの差で負けてしまう可能性も負けることはあるのですからね?」
うぐっ、何も言い返せなくなるセリスだった。
「まぁ、目の前の大きな扉を開けるとダンジョンボスが出てくるじゃろう。少しの休憩は悪いことではないのじゃ」
ウンディーネが助け船をだした。
「おそらくダンジョンボスを倒せば、そう遠くない内に魔王と対峙するだろうね。連戦になるかも知れないし、今の内に休んでおこう」
クリスもそういいながらシオンの事を微笑ましく見守った。
そして、軽く打ち合わせをしてから大きな扉を開けたのだった。
「よし!行くのじゃ!」
「おうともよっ!!!」
無駄に男らしい掛け声で中に入るシオンでした。
中に入ると大きなドーム状の部屋になっていた。全員入ると扉が自動的にしまった。
「さて、おいでなすったようじゃな?」
目の前に黒い光が集まると、その中から何か出てきた。
「…………あれはドラゴンゾンビか?」
ドラゴンの形をした骨が出てきた!




