ここが舞台だ!
周りの視線に耐えきれなくなったシオンであったが、ようやく精霊学園の入口にたどり着いた。
「やっと降りれる♪」
シオンは急いで降りようとしたのが悪かった。
バランスを崩してしまったのだ。
「やばっ!?」
頭から落ちそうになった所を誰かが受け止めた。
「まったく、登校初日から無茶をするな?」
えっ!?
シオンは気付くとクリスにお姫様抱っこされていた。
「なっ!なななっ!?」
シオンは今の状況を知って真っ赤になった。
「ほらっ、大丈夫か?」
クリスはゆっくりとシオンを立たせた。
「あ、ありがとう…………」
「怪我がなくて良かった」
甘い空気が流れた。
「お二人さーん?学園の入口でお熱いねー♪」
!?
ノームの能天気な声にハッとなり、周囲を見渡すと、多くの生徒の視線に気付いた。
「ああっ………」
『恥ずかしい!?』
シオンはダッシュで、学園に入っていった。
「ああっ、シオン待ってよー!」
いつの間にかやって来たフレイが追いかけていった。
「まったく、ノームが余計な事を言うから」
「ええっ、私が悪いの!?」
四大精霊達も騒ぎをよそに学園に入って行くのだった。
しかし騒ぎを聞き付けた生徒の中に、鋭い視線を送っていた人物がいた事をシオン達は気付かなかった。
「ああっ!もう初日から最悪だわ!」
明日からは寮生活が待っている。こんな恥ずかしい思いはしないだろうが、初日からやってしまったよ!?
「ねぇ!待ってよシオン!」
建物の入口でフレイはシオンに追い付いた。
「あっ、フレイちゃん!おはよう!」
「もう!私達も成長したんだから、ちゃん付けは止めてよね!」
ぷくーと膨れるフレイは可愛かった。
「ごめん、ごめん♪」
「それよりクラスはわかっているの?」
あっ!そう言えば知らないや!
他の生徒の多くは別の国から遠路遥々やってきている為に、早い生徒は1ヶ月前から寮に入り生活していた。
無論、精霊学園の内部探索も行っている。
逆にシオンは、できた当初は何度かきたが自分の領地にあるため、ギリギリまで寮の入居を控えていたのだ。
「こっちよ!」
フレイに連れられて教室へと移動した。
この精霊学園は体術や剣術もやるが、メインは魔法である。故に、勉学と魔力テストによってクラス分けされている。
クラスはS、A、B、Cの4クラスあり定期テストによって入れ替え制である。
そして、シオン、フレイ、クリスはSクラスである。
「着いたわ!」
クラスに入ると、大学のような教室で、横一列の長い机が階段状に並んでおり、教室も大きかった。
「広いねー!」
「そうね。ここが私達の学舎になるのね」
すでに何人かの生徒は教室にいて話していた。
「あ、あの!もしかして、精霊伯爵様でしょうか?」
1人の女子生徒が話し掛けてきた。
「うん!シオン・シルクードです。初めまして」
「挨拶が遅れて申し訳ありません。私は亜人連合国から来ましたミレイユと申します。お会いできて光栄です!」
ミレイユさんはエルフでした。私と同じく長い金髪美人です!
「これからよろしくね!」
「こちらこそ、よろしくお願い致します!」
それから、他の生徒達も私に挨拶しに来ました。
なんでだろう?
首を傾げるシオンにフレイは軽くため息を付いた。
『本当にシオンってば自分の立場を理解していないのね。でも、それがシオンの良いところなんだけど♪』
こうして、暫く経ちクラスメイトが教室に集まってきた。
さて、目的の人物もこの学園に入学しているのか探さなきゃね!
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