疑問
各国のトップが会議をしている時に、来客があった。
「失礼致します。四大精霊の皆様が来られました」
部屋の外で待機させていた旅館の者から声が掛かった。
「わかった。お通ししてくれ」
すぐにウンディーネ達が入ってきた。
「うむ、やっておるな。今後の方針の話しは終わったかのぅ?」
「ウンディーネ殿、来るなら事前に教えて下さい。びっくりするではありませんか」
グリード皇帝は苦言した。
「まぁまぁ、それについては謝りますわ。ちょうど、こちらからも話をしたい案件がでたのでね」
シルフィが代わりに答えた。
四大精霊の席を用意して話が続いた。
「それで四大精霊達の話と言うのは?」
「うむ、先の魔王軍の襲撃前から議論していた事があってのぅ」
ウンディーネは大きな紙を広げた。
「これは?」
「簡単にまとめた年代別のグラフじゃ。まず、前回の『魔王』が倒されたのが約120年前じゃ、そして1番最初に魔王軍四天王にやられたのがノームで今から50年ほど前になる。これは若き日にグラン殿がノームにあった事から逆算した。その後はウンディーネとイフリートが20年ほど前に動けなくなり、最後にシルフィが殺られたのじゃが………」
グラフを見ながらイフリートが呟いた。
「四大精霊が実質的に動けなくなって、少なくとも20年ほどは抵抗できない期間が合ったのに、どうして魔王軍は侵略戦争を起こさなかったんだ?」
!?
各国の王達もようやく話の主旨を理解した。
「確かに!人類の庇護者である四大精霊達が封じられているこの好機をどうして逃したんだ?」
「今まで魔王軍の動向を探るだけで、『どうして四大精霊が復活した』今になって動きだしたかということに、考えがいたりませんでしたね」
「確かに言われてみればおかしいわね?」
各国の王も疑問に思った。
「そこで、我々が至った結論は、当時【魔王】はまだ復活していなかったと結論したのよ」
なるほど………確かにそう考えればつじつまは合うな。各自が思う事があった。
「………逆にいえば、魔王が復活したからこそ動き出したと?」
!?
「なるほど。確かにそれはあるじゃろうな。新しい四天王など、実力はともかく、すぐに用意できるものでもないからのぅ」
「ならば、我が国でも兵士の練度を上げるようにもっと厳しく訓練させるか。良い意味で魔王軍の襲撃があったといえば、兵士達もやる気になるだろう」
「個々の実力もそうだが、集団戦術の訓練も並行して行うとしよう。魔王軍がどれだけの数の兵力を持っているのかわからないからな」
次々に魔王軍との決戦に向けての実務や作戦など話し合いが進んだ。
「魔王軍………いや、魔王の居場所の探索は我々精霊が引き続き行うとしよう」
精霊ならば海の中だと水の精霊が、火山地帯だと火の精霊がと、それぞれの属性に合わせた精霊で探索ができるからだ。
「我々人間も冒険者を使い、怪しい場所や不穏な動向など調べることにしよう。今回は精霊学園が襲われたが、各国の街や村が襲われる事もあると思われる。辺境の地にも伝令を走らせ、定期連絡を密にするよう厳命させよう」
他のトップも頷き、その夜遅くまで話し合いは続いた。




