魔王軍襲来!雄叫びを上げろ!
ウンディーネの指示で、遠距離魔法が得意な生徒と近接魔法及び剣術が得意な生徒達で配置場所が別れた。
「ウンディーネが言うには、『優秀』な精霊が密偵の魔族に幻術を掛けて、各生徒が部屋で寛いでいる映像をみせているようなの。だから襲撃する魔王軍は待ち伏せを知らないわ」
シオンは知らなかった。その優秀な精霊というのが、いつもグータラしているスノーだとは知らなかった。
「なら、最初の一撃目が重要だね。2発目からは警戒されるだろうしね」
「そうなのよね。魔王軍の数がわからないけど、少しやり過ごしてから一気に魔法を撃つのはどうかしら?」
先頭から魔法を放つと後方に警戒されるしね。
「なるほど。それはいいかも知れないな!やり過ごした魔王軍も後方が攻撃されれば、引き返すしかないしな!」
生徒達は精霊に手伝ってもらい、トランシーバーのように離れている生徒同士でのネットワークを構築し、こまめに連絡が取れるようにしていた。
「………シオンは相変わらずじゃな。精霊同士の念話を利用してリアルタイムでの連絡網を築き上げるとは………」
ウンディーネは戦争においての有効性を実感していた。シオンの何気ないアイディアがこの世界ではとんでもない事だということに。
そして、他の生徒達もすぐに順応して活用している事に頼もしく思うのだった。
そしてしばらく時間が経った。
『北西から多数の飛行物体あり!魔王軍だと思われます!』
斥候として広範囲に偵察に出ていた下級精霊から連絡が入った。
「北西か………どうやら魔の森の山脈に陣を張っていたようじゃな」
ウンディーネは総指揮官として命令を下した。
『北西の森にいるクリスに伝達!魔王軍の半数ほどを行かせたのち、攻撃魔法を放て!魔王軍が向かってきたら近距離戦闘に切り替えて迎撃せよ!』
ウンディーネの指示は他の地域を守る生徒にも聞こえていた。
「ちぇっ、向こうがアタリかぁ~」
「まぁまぁ、此方にも魔王軍が来るかも知れませんし…………」
シオンとセリスは南の方を担当していた。
南と言えば、港街があり住宅街を飛んでこないといけないので危険度が下がるのだ。なぜなら、学園ほどではないとはいえ結界が張ってあるからである。
こうして激戦区はクリスとフレイが担当している北西の森になるのだった。
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一方魔王軍は─
「よし!密偵の報告では精霊学園の生徒は、呑気に寛いでいるそうだ。作戦通り強襲を掛けて生徒達を血祭りにするぞ!何人かは拐って四大精霊を脅迫する材料とする!」
ウオォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!
「聞くが良い!『新生魔王軍』の有志達よ!旧四天王は耄碌して破れた!しかし!我を含めた『新四天王』がいる限り魔王軍は滅びぬ!さらに、魔王様も目覚められて力を蓄えておられる!ここで武勇を示せば、魔王軍の幹部になることも夢ではないぞ!気合いを入れろ!!!!」
ウオォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!
こうして名もでぬ新四天王の戦いが切って落とされたのだった。
察し…………




