一年生を甘く見るなよ?
水鏡の滝の修行が一段落して、次の修行の場へと移動した。私達の楽しい臨海学校は何処に!?
水鏡の滝の裏の方に歩いて行くと、嘆くシオンの元にウンディーネが無情にも告げる。
「では次の課題である!二人1組となって、この『迷いの森』を出ることが本日の最終課題である!日没前に脱出する事ができれば豪華な晩御飯と温泉が待っているのじゃ!」
うおぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!
一年生達のテンションが上がった。
「ペアになった者達は必ず二人で脱出すること!相方を置いて1人で出た場合は失格とする!」
モチのロンだよ!相方を置いていくなんてあり得ないから!
シオン達はペアを組み、次々に迷いの森へと入っていった。
ここで1つ、ウンディーネの予想外の出来事があった。迷いの森は深い霧で覆われ、多くの生徒が入っても、協力することが難しかった。そう、ペアの相方と離れてしまった場合、再会するのが難しいのだ。故に、ペアで脱出することが条件にしたのだが…………
森に入ってすぐにあるちょっとしたひらけた場所に結界を張ったシオン達がいた。
「ここはいったい………」
後から来た生徒が呟いた。
「あなた達で最後かしら?」
「え、ええ。自分達が最後に入りました」
シオンはよし!と、演説を始めた。
「私達は美味しい晩御飯を目指す同志である!ここからは強力して迷いの森を脱出するわよ!」
おおっ!!!!!!
生徒達の気持ちが1つになる瞬間であった。
「ここからは僕から説明する。ウンディーネ先生はペアで脱出することが条件と言ったが、他のペアの生徒と協力してはいけないとは言わなかった。この迷いの森の深い霧のせいで、協力や連携は難しいと判断したんだろう。でも─」
クリスが一呼吸置いて話した。
「先の修行で、水の魔力の操作に馴れただろう?この霧も魔法で作られた物だ。僕達の先の修行で散らせる事ができるんだ!」
ざわざわ
ざわざわ
「水鏡の滝で、反射を上手くできた者が霧を散らしながら進み、上手く出来なかった者は、罠や襲ってくる魔物の対応をしながら進む!そして、全員で豪華な晩御飯を食べようじゃないか!」
オオオォォォォォ!!!!!!!!!!
『なんじゃ?生徒達が共闘しておるのか?』
ウンディーネは入学したての一年生達に、霧をどうにかできるとは思っていなかった。探知の魔法や水の流れを調べて入口へたどり着くものと思っていたのだ。
まさか一年生達全てが一丸となって進むとは、本当に思っていなかった…………
「そっちに落とし穴を発見!気を付けたし!」
「東から魔物が多数接近中!迎撃に当たれ!」
「必ずペアの相方がいるのか確認しろ!いなくなった場合は大声を出せ!」
迷いの森の道は狭かったが、意外と移動は難しくなかった。時々、目印となるひらけた場所に出て、休憩を取りながら進んだ。
1時間ほど時間が経ち、生徒達にも疲労が見えてきた時、森の出口へとたどり着いた。
「やったね♪」
「これで豪華な晩御飯にありつける!」
ぞろぞろと出てくる生徒に、ウンディーネの顔がひきつった。
「ま、まさか全員無事に出てくるとは…………」
正直、半分でも出てこれば良い方だと思っていた。
「シオン、どうやって生徒をまとめて迷いの森を出てこれたのじゃ?」
「えっ、ウンディーネがそう仕向けんでしょう?前の水鏡の滝で、水の魔力の操作を学ばせて、迷いの森の霧を散らせる事ができるようにしたんじゃない?」
!?
「お、おお!よく気が付いたのう~」
『まさか、そこまでできる様になるとは思って無かったのじゃが………』
思った以上に優秀な一年生達にウンディーネは頼もしく思うのだった。
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