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入学前の準備です。

シオンは若手の領主となって敏腕に働いていた。しかし、シオンも学業や貴族のマナーレッスンなど多忙であるため、腕の良い執政官を王国は派遣してシオンの側で働かせていた。


「う~む………流石は領主様だ。税収も右肩上がりだし、民からも取れる所から取って、一般市民には負担の少ないやり方で税収を行っている。領主様にしか出来ない植物の魔法で、飢饉も起こらないし、まだまだ発展していくぞ」


何人かいる実務の執政官は、シオンの政策を見ながら、忙しくもやりがいのある仕事に満足していた。


ドーーーーーン!!!!!


大きな爆発音と共に、執務室が揺れた。


「またか………これさえ無ければ………」


なまじ実力のある者が集まっているので、ケンカなど始まると、こうして魔法合戦が始まってしまうのだ。無論、被害が出ないように『遊んで』いるのだが、一般的な人種には恐怖でしか無かった。


「こら~!逃げちゃダメでしょう!」


四大精霊のシルフィードが魔法を投げながら追っていた。


「ば、バカ!逃げるに決まっているでしょう!死んじゃうわよ!?」


いつものように、イタズラをして怒ったシルフィードに追い掛けられるシオンであった。


「まったく、いつまで経っても成長せんのぅ………」


追われるシオンを見ながら軽くため息を付くウンディーネがいた。


「はははっ!元気があっていいじゃねえか!」


男勝りな口調のイフリートが楽しそうに見ていた。


「ちょっと!こっちに来ないでよ!?私は関係ないからねっ!」


シオンと一緒に逃げるノームがいた。

これが、ここ最近のシルクード領の日常であった。


「もうすぐ入学式だと言うのに。落ち着きのない奴じゃ!」

「まぁ、ここ最近は平和だから良いじゃないか?」


イフリートは屋敷の庭でウンディーネとお茶を飲んでいた。


「まだ魔王軍の動きが確認できていない。いつでも対応できるように身構えておらねば、いざというとき動けぬぞ?」

「まぁ、あたい達はそれで痛い目に合ったからな。気を付けるさ!それより─」


イフリートは魔術を使い、周囲に声が聞こえないようにした。


「それより、シオンが入学するに当たって、魔王の配下、もしくは魔王崇拝者が隠れて入学してくるって話はマジなのか?」


先ほどとは違い、真剣な顔でウンディーネに問いただす。


「まだわからん。しかし何人もの魔王軍幹部を倒しているのじゃ。敵も危険視しているじゃろう。そして合法的に近付ける場所と言えば、シオンが入学する学園しかないじゃろう?」


「確かに、魔王軍も情報収集をしているのならこの場所の事もわかっているだろうな」


ズズッと、紅茶を飲むイフリート。


「うむ、このシルクード領はすでに水脈を使って、魔物など何処にいるのか妾なら把握できる。しかし、姿を偽って人間として過ごしている者は流石にわからぬ」


腕を組んで、考えるウンディーネだった。

そして、シオンが入学する学園に危険な場所がないか、安全対策に力を入れていたのだ。


「あのシオンが易々と殺られる訳はないが、危険は排除しておいた方が良いしな」

「そうじゃな。特に交流関係にも眷属を派遣して見守るようにしておるのじゃ」


少し過保護かも知れないが、1番怖いのはシオンの親しい人物が人質になることだろう。


「あたいもできる限り、周囲に気を付けておくから、定期的に報告を頼むぜ。探索系は苦手なんでな」


ウンディーネは頷くとシオンの居ないところで、入念な準備をしていくのだった。



「ふふふっ…………ねぇ?シオン。もう一度言ってくれないかしら?」


現在進行形で、シオンの命が危なかった!?


「え、えーと?なんか言ったっけ?」


目を反らしながら言った。


「出会った時は同じくらいだったのに、シルフィーってロリ枠で定着したわよね?だったかしら?」


ゾック!?


覚えているじゃん!

なんて、ツッコミする余力など無かった。


「シオン!あんた、シルフィードが気にしている事をいったの!?」


「だって!気にしているなんて知らなかったのよ!いつも白いワンピースを着て、空を飛んでいるから、気にしてないと思ったのよ!」

「バカッ!シルフィードは大人の体型な時からあの服装でいることが多かったわよ!」


「えっ?マジで?」


田舎のお姉さんが夏に着ている姿を想像した。


「でもシルフィーって胸が………」


ペッタン……こ…………!?


「あら?今、何を言い掛けたのかしら♪」


ゴゴゴゴッ!!!!


「ひぃっ!?どうしてバカシオンは思った事をすぐ口に出すのよ!!!」


ノームの罵倒を気にする余裕もなく、シルフィードにお仕置きされるシオンだった。


「うぎゃーーーーー!!!!!!」



口は災いの元である。










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[一言] 胸が在ろうが無かろうが、シルフィーが好きだ。
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