お仕置きだ~べ~~!!!!
「さてと、いくら命が掛かっていると言っても『様々な理由』から手を抜く奴もいるだろう。ここは俺が10人分ぐらいの力をまかなおう!」
アースは、身に付けている指輪に魔力を流した。
「まだ新入生達は知らないだろうな。精霊の指輪は俺達の魔力を増幅するだけじゃない。常時、魔力を溜めておける器でもあるんだぜ?」
アースは精霊の指輪から魔力を引き出して、他の生徒より大きな魔力で結界を強化した。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
アースを見ていた同じクラスのメンバーもアースに負けじと限界まで魔力を放出した。
「俺達も負けないぜ!」
「私の方が結界の強化は得意なんだからっ!」
1年生とは違い、魔力の扱いに慣れていた2年生は結界の強化に一役買ったのであった。
学校全体で協力してシオンの魔法を防ごうとしている中、シオンは目を閉じて『流星』の落下位置がズレないよう集中していた。
『ぐっ…………初めて使ったけどかなりの魔力を持ってかれるわね。今度から注意しないと………』
でもこれでウンディーネ達も慌てて結界を強化するのに全力を尽くすでしょう。ざまぁ見なさい!頑張って疲れ果ててしまえば良いんだわ!
シオンは本気で被害を出す積もりは無かった。手加減して、四大精霊達が全力を出せば防げるだろうと加減していた。しかし、学校の生徒全員が結界を強化するとは思っても見なかったのだ。それが後に悲劇を呼ぶのだが………
そして、ついに『流星』が結界へと落ちてぶつかった!?
ドッーーーーーーーーーーーン!!!!!
ギギギッ!!!!!!
バチバチッ!!!
バチバチッ!!!
激しい爆音と共に、結界に防がれて激しい火花を散らしていた。
「うわっ!?」
「ぐっ………!?」
「がっ!?」
結界に流星がぶつかったショックは、結界を魔力を流し場がら強化していた生徒達に重く押し掛かった。生徒達は、激しいプレッシャーに負けじと魔力を送り続けた。
流星が結界にぶつかった衝撃周囲に及んだが、突風程度で抑えられた。結界がゴムのように衝撃を吸収したからだ。
「もう少しじゃ!頑張れ!!!」
時間にしたら一分も経っていなかっただろう。しかし、結界を強化している生徒達には一時間以上の体感的感覚であった。
そして─
バッリーーーーーン!!!!!!!
小さな爆発音と共に、結界を壊せなかった流星は砕け散った。
キラキラッと、光の粒子が辺りを包み込んだ。
「やったのか…………?」
空を見上げながら多くの生徒が茫然と、流星がぶつかった結界を見つめた。
「そうじゃ!御主達のお陰で、皆が救われたのじゃ!よくやった!!!」
ウンディーネの言葉にようやく我に返った生徒達が雄叫びを上げた。
「やったーーーーーーーー!!!!!!」
「俺達は助かったんだーーーーー!!!!!」
「やりきったって感じ……………よかった!」
ワイワイ!!!
ガヤガヤ!!!
多くの生徒が喜びの声を上げて、隣りの仲間と抱き合い喜んだ。
ようやく魔法の集中が解けて、周りを見渡したシオンは首を傾げた。
「あれ?みんなどうしたの?」
魔法の制御に集中していたシオンは、生徒達が結界を強化している事に気付いていなかったのだ。
「シオーーーーン!!!!もう、びっくりしたでしょう!周りの迷惑を考えなさい!」
フレイがシオンを叱り付けた。
「ひぇっ!ごめんなさい!?」
クラスメイトの視線も痛く感じて、シオンは頭を下げた。
「まったく御主という奴は…………そんなに死にたいのかのぅ?」
ウンディーネが青筋を立てて怒っていた。
ガクブル!?
ガクブル!?
「だ、だって酷いじゃない!私の制服がボロボロになったのよ!」
「たったそれだけの事で、この辺りを廃墟にするつもりかっ!…………それに知らないのかのぅ?」
「な、なによ?」
ウンディーネは空を見上げながらシオンに言った。
「御主、先ほどの魔法を初めて使ったであろう?あの魔法は神である神族しか使えぬ大魔法じゃ」
「えっ!?そうだったの?何年か前に急に頭に浮かんだ魔法なのよ♪」
「…………まぁ、それは良いとしてこの神罰魔法は、悪事を働いた者に天罰を与える魔法なのじゃが………」
「フムフム?」
「今回はリヴィは悪事を働いておらんし、シオン以外は全員、結界を強化するという善行を行った」
「………およ?」
「つまり、悪事を働いたのはシオンと判断される材料が揃っておるのじゃ」
ウンディーネはそう言うと、シオンからスススッと離れた。
「えっ?ちょっ!?」
「つまり、シオン…………死ぬでないぞ?」
ウンディーネの言葉と同時に、晴天の空から雷が落ちた。
「うっぎゃーーーーーー!!!!!!あばばばばばばばば!!!!!!」
コメディのように、感電しながら骨が見えるようにシオンは痺れるのであった。
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