友達になろう!
こうしてシルフィードの退屈な話が終わり(なんだとう!)私達は教室へ戻って明日からの日程を聞いて解散となった。
各クラスメイトが寮へ帰る中、シオンは思い切ってセリスに声を掛けた。
『もし、セリスが私と同じ転生者ならこのシルクード領の発展など見て、私の事も気付いているはず』
「ねぇ、セリスさんですよね?私はシオンって言うの!光の魔法って使える人が少ないから、訓練や勉強が難しくない?良かったら私と一緒に勉強しないかしら?」
シオンは営業のエンジェルスマイルでセリスに話掛けた。
「えっ!?あ、あのっ………!?」
セリスは私の顔を見ると突然に慌て出した。
「ご挨拶が遅くなりました。セリス・ヒロインと言います!私、ずっとシオン様に御礼が言いたかったのです!」
はて?私とセリスは初対面のはずだけど?
シオンが首を傾げているとセリスは続けた。
「私の住んでいた小さな町はこのシルクード領の隣の領地なのです。幼い頃、私の領地も酷い圧政で喰うものなく、家族で身売りするしかない所までいきました。でも、ある時から私の領地より酷いとされていたシルクード領が、目覚ましい復興と発展をした事で、隣の私の住んでいた町とも取引が増えて助けられたのです。しかも、それから領主様も王様と精霊様に粛清されて、別の方が領主になってから領民達の生活は楽になり、蓄えもできるようになりました。本当にありがとうございました!」
セリスは深く頭を下げた。
シオンはそんなセリスを見て思った。この子、めっちゃ良い子じゃない!?
よし!友達になろう!そうしよう!
「セリス、私はたいした事はしてないよ。それにクラスメイトに『様』はいらないから。呼び捨てで呼んで。私、セリスと友達になりたいの!」
!?
「はいっ!これからよろしくお願いします!」
セリスは顔を少し赤くしながらはにかんだ。
可愛いわ!?
これがヒロイン補正というヤツかしら!?
なんと!我らの主人公であるシオンが、いきなり『絆』された!?
「ちょっと!シオン!?」
はっ!?
フレイに揺らされて我に返るシオン。
「セリス君だったね?我々の力が足りなくすまなかった。この国の王子として謝る。本当に苦労を掛けてごめん!今後は、民が生活に困らぬよう、全力で国政に務めると約束する!」
今度は逆にクリスが頭を下げた。
「はわわわわっ!?王子様に頭を下げられるなんて!?だ、大丈夫ですから!頭を上げて下さい!」
クリスは頭を上げると言った。
「では、私の事もクリスと呼んで欲しい。ここで王子と呼ぶのは不要だ」
「じゃ、私もフレイって呼んでね♪これからよろしくね!」
私達は硬く握手を交わした。
ガラッ………
「あれ?まだ残ってたの?」
シオン達以外のクラスメイトはすでに帰宅した後で、誰も残っていない教室にエルフのミレイユが戻ってきた。
「ミレイユこそどうしたの?」
「ちょっと忘れ物しちゃって…………」
ミレイユの座っていた足下にポーチが落ちていた。
「ちょうど良かったわ。セリス、この子は亜人連合から来たエルフのミレイユよ」
「初めまして、セリスと言います!」
「エルフのミレイユと言います。これからクラスメイトとしてよろしくお願いしますね♪」
こうして、初日から友達と呼べる人物が二人できました!
「さて、帰るとしようか!まだ寮の部屋の片付けが終わっていないかも知れない」
高位の貴族、王族は執事、メイドを1人まで連れてきているが、下位の貴族や平民は全て自分でやらないといけないのだ。
「私は一週間前から入居しているので大丈夫です!」
エルフのミレイユは言った。遠い所からやってくる生徒は、早目の入居が許されているのだ。
「私は3日前から入居してますが、まだ片付いていないです…………あぅ」
セリスがため息を付いた。
寮にはベットや机、クローゼットが備えてある。本来なら余り良くないが、貴族ランクによって寮の建物が違っていた。
それは暗殺など防ぐため、王族用と貴族用、一般人用と別々の建物が用意してあったのだ。
「それにしても、ここの寮の施設は凄いですねー!私の家より豪華ですよ!」
セリスは嬉しそうだった。一般人向けの部屋でも内装には力を入れているのだ!違いがあるとすれば、部屋の広さぐらいなのだ。
こうしてシオン達は各自の寮へと戻るのだった。
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