夕日が照らす帰り道
「なんとか見つかってよかったねロイ」
『リナちゃん』たちと別れ、私達も帰っている途中私はロイに話しかける。
「そうだな、もしあの子とリナが会ってなかったらもしかしたら誘拐されていたかもしれない」
「ファーレン王国は比較的ほかの国より治安はいいけど0じゃないからあまり油断はできないわ」
戦争が終わったとはいえ、相手国だったアズガルド帝国の残党が潜んでいるかもしれない。
「私ね、『リナちゃん』がお姉ちゃんが見つからなくて諦めそうになってた姿を見て少し『あの時』のことを思い出したんだ」
「『あの時』?」
「そう、私が誘拐されたとき」
実は私小さい頃、まぁ小さい頃といっても私が10歳の時、(ちなみにロイは私の2つ上のため12歳である。)反王族派閥の貴族が雇った賊に誘拐されたことがある。
「私も誘拐されて、まったく助けが来なくて諦めかけていた時があったの。その時にあーもう家族とは会えないのかな、とか死んじゃうのかなとか…」
私は一度深呼吸をし、ロイの前に立ち、下からロイを覗き込むように言った。
「一度でいいから素敵な恋がしたかったな。とか」
「っ!!」
ロイは驚いているのか、照れているのか、私の顔から眼をそむけた。
「ねぇロイ、もしまた私がさらわれたら、『もう一度』助けてくれる?」
「もちろん、どんなところにいようと探し出して助けに行くよ。絶対に」
ロイは私が望んでいた言葉以上の答えをくれた。
「だから…こういう風に手をつないでしまえばもう2度とさらわれたりなんかしない」
ロイは私の手をとり優しく包み込んだ。
「わ、私こそもう絶対この手を離したりしないんだから!!」
私はロイの手をギューッとにぎり、歩き出す。
「そういえば、ハプニングがあったからしょうがないが、たてていたプラン大丈夫だったのか?」
「平気よ!そんな予定よりも楽しかったし!」
なにより、とっても幸せなんだから!
私はもう一度繋いでいる手に力を込めて歩く。
いつもと違い彼は私の後ろではなく隣にいるということがたまらなくうれしくてしょうがない。
なんとかにやけは抑えることはできたものの顔は熟れたリンゴのように真っ赤だ。
ロイの顔も少し赤かったがそれが夕日のせいなのかはだれにもわからない。
デート?編終了。意外と長引いてしまった。
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