迷子
視点が変わります。わかりづらかったらすみません。
「さてと、そろそろお腹が空いてきたわね‥」
「何か食べたいものでもあるか?俺が買ってくるよ」
「そうね、特に食べたいものはないからロイに任せるわ、少し疲れたからあそこの広場のベンチで休んでるわ」
「わかった、10分ほどで戻る」
ロイを送ったあとベンチで休もうとしたら隣で泣いている女の子がいた。見たところ5歳くらいだろうか、さすがに見て見ぬ振りはできず、声をかけた。
「えっと‥どうしたの?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて、なんでもいいと言われたが何を買おう。お嬢様は甘いものがお好きだから、菓子系がいいだろうか」
悩ましいな。こんなことなら事前に何か昼ごはんを用意しておけばよかったと後悔する。
と、色々と考えていると何か‥いや、誰かを探しているかのような焦った顔をした若い女性がやってきた。
「すみません!5歳くらいの女の子が1人でいるところを見たりしてませんか!?」
?女の子、5歳くらいの女の子は今日何度か見かけたが1人らしき子はいなかったはず。
「すまない、見てないな。えっと女の子の名前は?」
「あぁすみません!『リナ』といいます。一応私は大通りの方を探してますので、もし見かけたら教えてください」
「大通りだな?分かった、見かけたらすぐにそちらに向かおう。」
「すみません。よろしくお願いします」
そういい彼女は頭を下げ大通りの方へ去っていった。
「ふむ、それにしても『リナ』か、偶然にしては驚いたな」
いけない、あまり遅くなるとお嬢様が心配される。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あ!もどってきた。少し遅かったじゃない。お腹ペコペコだわ」
「すまない、少し人とお話しをしてしまった」
「お話し?まぁいいわ、それよりもいい匂いね〜、なにを買ってきたの?」
「『ダンゴ』という東の国の食べ物を買ってみたんた。試食したとき思わずうまいとつぶやくくらい美味しかったからぜひリナにもって」
「へ〜じゃあいただこうかしら。ん?この黒いものが塗ってあるのとタレみたいなものがある方はどう違うの?」
「黒い方が『あんこ』と言って甘くて、タレの方が『みたらし』と言って少ししょっぱい味付けみたいだよ」
「じゃあ甘い方にしよっと!」
串を手に持ちダンゴを1つ口に入れる。
優しい甘みと噛むたびにモチモチと歯応えのある弾力がとてもマッチしていてとても美味しい!
「これとってもおいしいわ!」
「口に合うならなによりだよ。ところで‥」
私がダンゴに夢中になっているとロイが私の後ろを見る。
「その子は一体だれなんだい?」
じ〜っと後ろから私の持っているダンゴを凝視する女の子。
「あ〜‥えっと‥」
ロイに事情を説明しようとすると後ろにいたはずの女の子がひょこっと顔を出して声を発する。
「リナっていいます‥あと、その‥私もダンゴ食べたい‥!」
どうやら『運命のいたずら』というものが起きた瞬間であった。