再会
あれからロイは残りの90人と戦ったがやはりだれもロイを負かすことができなかった。それどころからロイに一回も触れることすらできなかった。
「つ、強すぎる‥」
「100人の騎士を相手にまだ余裕があるとは‥」
地面に座り込んでいる騎士たちが呟く。
「いやぁ、まさかホントに100人と戦って勝つとはね‥恐れ入ったよ」
と、笑いながらロイに近づくレオン。
「恐縮です、しかし皆さんも中々レベルが高く最初は戦いづらかったです」
「はは、そうか。君からそんな言葉をもらえるとは思わなかったよ」
「さて、どうします?まだ時間はありますが」
「まだ戦えるのか‥すごいな君は」
「なんなら貴方とやってみる、というのもいいかもしれませんね」
と、ロイは挑発気味に言ってレオンに剣を渡す。
その時2人の間に入ってきた者がいた。
「その勝負、私にさせていただいてもよろしいですか?ロイさん?」
兄と同じ綺麗な銀髪で、動きやすいようにしっかり纏められたポニーテールの美少女だった。
「クレア、君には帝国方面である東の関所の警備を頼んでいたはずだが?」
レオンは少し驚きつつ妹であるクレアに問う。
「少し報告することがあって直接伝えようと一回戻ってきたの」
「報告すること?」
「もう、リチャード王太子殿下には伝えたわ。あとで兄さんにも教える。それよりも‥」
クレアは向きを変えロイを見据える。そして笑顔で声を発する。
「久しぶりね、ロイ」
「あぁ久しぶりだなクレア。最後に会ったのは君が東の関所に向かう時だったから3年前かな?」
「ふふ、どう?久しぶりの私は?会いたくて仕方なかったんじゃない?」
「そうだな、さすがに長い間会ってなかったから一瞬誰かと思ったよ」
「それは褒め言葉かしら?」
「好きにとってくれて構わないよ」
「ホントいじわるなんだから‥」
クレアはそう言いつつも少し楽しそうだった。
そんな状況を1人陰で不満そうにしてる者がいた。
「む〜クレアめぇ〜‥ロイとあんな楽しそうに話しちゃって!ずるい!ロイもロイで楽しそうだし!」
私は少し心の中がモヤモヤするのを我慢しながら様子を伺う。
「それで、どうかしら?私と勝負受けてくれるのかしら?まさか兄さんがよくて私がダメなんてことはないでしょうね?」
「もちろん、こちらこそ望むところだよ。君がどこまで成長したのか気になるしね」
「ふぅん‥嬉しいこと言ってくれるじゃない。成長したのは見た目だけじゃないって思い知らせてあげるわ」
「じゃあこの試合も俺が審判を務めようかな。ていうか俺以外に出来そうな人がこの場にはいないし」
レオンがまた審判をするようだ。
そして2人は木刀を構えて向かい合う。
「始めっ!!」
その瞬間、合図とともに2人は目にも止まらない速さで動き出した。




