尾行はまずは変装から
あけましておめでとうございます。遅くなりまして申しわけありません。
「むぅ、ロイがまさか仕事を休んでいいなんて言うとは思わなかったわ」
確かに寝不足ではあったけど、仕事ができないほどでもないし…
むしろさっきの件でもう目が覚めてしまった。
「う~ん、なんかロイを騙したみたいで嫌な感じだわ。けれどいまさら大丈夫って言いにいくのもなぁ」
暇をもらってもすることなんて特にないし、なにしようかなぁ…
「…ロイは今なにをしてるんだろ」
そんな時ふと、あることに気づいた。
「そういえば私普段ロイが一人でいるとき何してるとか全く知らないわ…そもそも趣味とかも知らない…」
そう考えてると居てもたってもいられなかった。
「決めた!今日はロイを尾行してロイのことをもっと知ることにするわ!」
そうと決まればまずは変装しなくちゃ!まぁロイが変装で気づかないとは限らないけど…
「確かこの辺に…あった!」
私はクローゼットからメイド服を取り出した。
「昔あこがれてたよねぇ、メイドさん」
小さい頃、具体的に言うとロイと出会って恋したとき、執事とお姫様は夫婦になれないって聞いて、私もメイドさんになるー!って言ってたのを思い出す。
「よいしょっと、少しきつく感じるけど動くには十分だわ。ふふっロイったら一体なにをやってるんだろう?」
わくわくしながら私は部屋の外へ出た。
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とあるメイド視点。※本編とは関係ないです。おまけ感覚で読んでください。
「さてとお掃除が終わったら、次は食事の準備ね」
と、前から走る足音が聞こえてくる。見ると自分と同じ立場であるはずのメイドが走っているではないか!
「ちょ、ちょっとあなた!メイドが王宮を走るだなんて、何事!?」
たまらず私は走ってくるメイドに声をかける。
彼女は私の前で止まった。
近くでみてもやはり見覚えがない。ていうかとても美人。可愛さをのこしつつ、綺麗な顔、こんな美人を忘れるだろうか。そもそもメイドにいただろうか。
「すみません!少し急いでて…以後気を付けます!!」
「はぁ…」
彼女はそう言ってその場から離れていく。
「あの顔…もしかしてリエスティーナ様…かしら?」
彼女が来た方向にはリエスティーナ様の部屋があるし、今日このエリアの仕事は私だけだし…
「…いけないっ!食事の準備しなくちゃ!」
私は少し心に謎を残しながら仕事をするのであった。




