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Project.MUSCLE!!!  作者: 黒歴史おじさん
5/9

始まり part1

 何だかんだで4日(実質5日)も跨いじゃいました・・・本当に申し訳ございません。

しかも長引いたから前後編式にしちゃったし…でもおじさん宿題(残業)片付けないと死んじゃuハイハイ言い訳は後でね。

 今回は会話メインです。話が話なので割込みセリフが多くなるでしょうから少し見づらくなるかもしれませんがどうかご了承ください。ここまで緊急性高い話はここだけなので多分今後は大丈夫です。

  帝国大闘技場、選手控室…しかしそこは、ただの選手がいられる場所ではない。ある特権を持つ者のみにそこにおける安息を許される場所。それがここチャンピオンルームだ。


 ここで一人の男が鎮座し、戦いの余韻を楽しんでいた。名をヘラクレスというその男は真の戦士だ。自ら勝ち討った獅子の毛皮を身にまとい、あらゆる戦いで、あらゆる傷を負い鍛え抜かれた、無駄が一片とない筋肉。内から湧き出、漲る生命力。これこそが、これのみが彼の"武器”…!


 そして何より、彼は戦いに生きていたのだ。生と死のやり取り、刹那の直観に全てを委ねる本物の野生、狩るか、狩られるかの極限の状況でのみ、彼は生きる実感を肌で感じ取り、それを楽しんだ。


 先の戦いは正直彼にとっては期待外れだった。"スモーカー"として称されるあの棍鎚使い、本来は会場の砂か、持参した煙粉を風魔法で吹き荒らして煙で相手を撒き、盾で様子を見つつ相手を中心に円として周りながら、その鉄塊を容赦なく相手のわき腹や背中に突き刺して勝利を収めるタイプ。しかしヘラクレスは判断の全てをその天才的な野生の勘に任せる男。彼にその程度の不意打ちはむしろ逆効果であると知っていた彼は、あえて戦士として、堂々と戦い抜いたのだろう。

「あれは奴の全てではなかった・・・残念だ。しかしありゃとんだタフネスだったな。実際、顎貫いて脳みそシェイクさせるくらいじゃ死なんだろうな。またやりたいもんだ・・・」

ストレッチを終え、クリムゾン・ラム片手に一人晩酌に浸る彼の静かな静寂は、残念ながらその言葉と同時に幕を閉じてしまった。


DON!DON!DON!……唐突に強いノックが彼の部屋の戸を叩いたと思った次の瞬間、彼はもっと信じられない言葉を耳にすることになった。

「チャンプ・ヘラクレス!!いるなら出てきてください!あなたの尿からドーピング剤の一種であるゴリラ・エッセンスが検出されました!!!お話を聞かせてもらいま…「なんだって!?」

突如として戸が破壊され、同時にヘラクレスは怒号を投げかける。


「何かの間違いなんてレベルじゃあないぞ!そんなもの使うなど戦士の恥だと決めたのはここの門を叩く前だった!!どういうことなのかこっちが話を聞きたいくらいだ!!!何だっていうんだ!!!?」

「あなたが知らないわけないでしょうヘラクレス!ゴリラ・エッセンスは効果の強い代わりに味がきつく混入があればすぐ気づく!あなたの筋肉に通せる針など通常の太さじゃ無理だからこっそり駐車なんて不可能だ!つまりあなたは!!!"意図して"この薬を使ったはずなんです!!!!チャンプともあろうお方がしらばっくれないでくだ…「この俺がしらばっくれるだぁ!?!?ナメた口利いてんじゃねぇぞ坊主テメェこの野ロ・・・「待て。」

"しらばっくれる"一本木で戦いに高潔な彼が一番許せないと思える言葉の一つを聞いて逆上したヘラクレスが思わず振り下ろそうとした拳を、一人の男が止めた。

 「暴れるなら暴れるがいいさ・・・その瞬間ぶった切ってやる。」


 胸が開き、腹の部分で長帯に巻かれて囲うように体に羽織る白い服…CAL(*)の伝統衣装の一つだ。

戦場の装いとは思えないほどに華奢できめ細やかな生地とは裏腹に、隠されたしなやかで無駄のない筋肉が胸元から見え隠れし、おそらく夥しい量であろう返り血を受けては洗い受けては洗いを繰り返す中で、嫌でも染みつく、恐ろしさを覚えるほど血生臭い衣。

 それを大胆にもあらゆる場所で着こなすこの男は、名をジェフという。今では希少価値どころか本当に両指で数えられるほどしか使い手のいない超レア武器「刀」を扱い切り、相手のあらゆる挙動の所作を読み解き、それを潰し続ける"虚読"と呼ばれる技を編み出し、それを取り入れ流派として自ら成立させた武道"闘道"を用いて戦う無敵の武士である。


 目、首、脇、肘、手、腹、膝、腱…人間にとって重要であるにもかかわらず致命的に装甲を付けられないこれらの部位を削ぎ落していく、卓越した技術とそれを成すほどの判断力、そして体をその所作に合わせ、理不尽なスピードでこの"技"を成立させる筋肉がなければ不可能な妙技。それこそが彼の武器だ。

 彼は元々CALへ移民したOglalf(腕力に優れた武家的な趣向の強いエルフの亜種こと、アルフ)の一族の一人だったが、戦士としての誇りを捨て、商人として生きることを決めた家族に嫌気がさした彼は家出。流れのままこの国へ行きつき、闘士候補としてヘラクレスの同期になっていた。

 今ではその天性の才能から武道の形成を一から成し、ヘラクレスとしょっちゅう王座を争う仲になっていた。勝っては負け負けては勝ち、引き分けも数知れず。まさに彼らはライバルだったのだ。つまりは現状、暴走するかもしれないヘラクレスを止められる者の中で、すぐに呼べる者としては彼しかいなかったのだ。

 *Catalia・Alphemald・Lock中立王国。不自然なまでに国の全方位を完璧に囲い切った霊峰に守られて暮らし、帝国統一の波を直接受けることなく友好関係を保った猫の王国。解体戦争に伴って霊峰にトンネルが掘られ、一時は戦火が上がったが迅速にそれを制圧、戦争後も大きな余力を残したまま貿易の中心地となり、経済的に大きく発達した。その関係で移民も増え、ジェフもその一人だったわけである。


「ジェフテメェまさか…「そんなわけねぇだろ単細胞。」

「俺だってついさっき聞いた時ぁ高周波食らった魚みてぇにビビりながらこいつらの護衛についたんだ…おめぇがそんなことするタマじゃねぇのはよぉく知ってるが物証があったんじゃ黙るしかねぇ。実際まだ信じらんねえんだ。おめぇがそんな事する奴だってな。」

手錠を、勿論通常の拘束ではない。強化タンパク繊維とダイアストリングで編みこまれた特別製の腕輪。物理的な方法で引きちぎる方法のない、本来は特A級危険生物に使用する特別製だ。これが嵌められたら流石のヘラクレスも暴れるなど不可能。そして同時にジェフの役目は終わった。


供述用に緊急で設けた部屋に向かうヘラクレスに対し、続けて言い放つ。

「だからこそ、一言言っといてやるぜヘラクレス!

 テメェ絶ぇっっっ対に認めるんじゃねぇぞ!!!!テメェがもしこの案件でパクられたらあのスモーカーとかいうハゲが新チャンプだ。あん程度のやつすぐに捻りつぶせる

しかしなぁ!!!!俺はそんな方法でトロフィーを受け取る気なんかサラサラねぇし、おめぇがその椅子から転げ落ちてそこに入るまでリングを出る気だってねぇ!!その席に居座ってふんぞり返ってるテメェをぶった斬らねぇならそりゃあ勝利じゃねぇんだ!!そこで待ってろこの野郎!!いいな!!!」「いや」

彼の言った言葉の全てを否定するように、冷静さを取り戻したヘラクレスは冷たく言い放ち、続ける。

「コイツら俺を事なかれで帰す気なんざ元から無いらしい。元々主催の連中マンネリが進んでなんやかんやでレート低い俺の試合にうんざりしてたしな。暴れたって仕方ねぇしいい機会だ。ちょい、休むわ・・・」

「ふざけんじゃねぇ!!!認めねぇ!!俺は認めねぇぞこんな勝ち方!!!!おう上等だよ今からでもいい俺と喧嘩しろこの野郎!!!テメェをぶった切らねぇ勝利なんて勝ちのうちに入らねぇんだよクソが!!!!!戻ってこい!!戦え!!戦えよクソッタレが!!!!!!」咄嗟に押さえられ、ヘラクレスから引き離されるジェフは叫び、勝負を挑み続ける。その拳に握られた刀の柄は、今までできた凹みの中で最も大きな歪みを残していた。

終わらせたったぁ!3060文字!ご精読ありがとう!

クリップ作ったってのにそれが全く関係ない部分ばっかり出てきちゃったもんで緊急で説明割り込ませちゃいました…ホント申し訳ない…各国の説明とジェフ君の詳しいキャラ設定はまたCC作るから待っててほしいです。

表現を大文字使わねぇで表現するのホントしんどい…次話投稿にそんな感じの機能あったし次に使ってみよっかな…その辺未定ですが多分おじさんの気分次第です。

次は多分そう長い期間空くわけでもないと思います。夏休み分のお仕事はもう片付けたんで…(今後増えないとは言ってない)

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