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Project.MUSCLE!!!  作者: 黒歴史おじさん
3/9

プロローグ -英雄の天秤-

第2部分と言いつつ0話

ようやく話に入れる・・・

ただ今回はヘラクレスのオープニングファイト入れるのでちょっと長くなるかもしれません。

おじさんは本来長い文章は読みづらくてしょうがないと思ってるので結構細かく分けます。

決闘…その歴史は古い。有名なのは古代ローマのコロッセオで催されたパンとサーカス、規模を考えなければ、その歴史は更に遡る。しかしその本質は、人類が生み出した最初の"スポーツ"とすら言えるだろう。

勝者と敗者があり、戦う。

勝者には褒美が、敗者には罰がある。

競技者は限られた時の中で、その命や人生を賭してまで戦う。

こんな原点さえも、多くの競技と決闘は一致している。すなわちスポーツは、"洗練された決闘"と言える。

そう。決闘はスポーツなのだ。少なくとも、"ここ"では。


注意!この後結構長くなるから、長文嫌いなら※まで飛ばしてね(問題ないように書くからダイジョブやで)

  帝国立大闘技場、創立からもう290年になるこの巨大な円筒の要塞は、今、否いつも溢れんばかりの熱気に包まれている。耳を刺すが如き歓声と、地を揺らさんばかりの地団駄、大理石に羊毛と織ったい草をかけた質素ながら心地いいこの客席は、言うまでもなく休息を忘れている。この興奮の"波"は、ここでは大体当たり前の光景だった。そして今、その中心に立ち波の末端となりつつも、それを諸共しない男が一人…


 彼はむしろ、この光景を楽しんでいた。幼少から誰にも見向かれず、誰からも褒められず、誰からも注目されなかった彼であったが、腕だけはよかった。"もっと見てほしい"もっと注目してほしい"もっと褒めてほしい"そんな思いだけが彼の味方であり、ここに立ち、立てる理由であり、そしてその原動力だった。

 そんな彼が向くはもう一つの入り口、周りの注目を楽しむことで必死に気を紛らわしていた彼だが、その視線の先にあるものに対して、確かに怯えていた。


 暗く、狭く、人間の恐怖心を本質的にくすぶるその簡素な"穴"は、明らかに、本来そこにあるべきでない"何か"によって一層の恐怖を纏っていた。その主こそが、彼の"最後"だ。憧れにして、畏怖。目標にして、神。"穴"より出ようとするその-獅子-は、彼の全てだった。けたたましい触れ役の大声とともに、彼を唯一安心させていた鉄格子が今・・・開いた。


 その穴を遮る古い、しかし確実に頑丈な格子が開き切るとともに、彼自身さえもすくませるほどの、より一層強い歓声の"津波"が、その場を襲った。地の揺れは一層強くなり、自分の緊張する鼓動を動悸として表すがごとく、彼の足を震わせた。そしてその先には…やはり、否ようやくともいえるだろう。

子供の頃から見知り、見守り、憧れ、ずっと背中だけ見つめ、目指していた"それ"が、今確かに彼の方を向いている。その事実だけが、震えおののき、危うく闘志さえ失いかけた彼を奮い立たせ、踏みとどまらせていた。俺は今からこの獣と戦うんだ。その覚悟は、知らずと彼を強くしていた。


 それは獅子だった。身長2m16㎝のハーフギガントが、それよりも巨大だっただろう大獅子の毛皮を身にまとい、何よりその体の全てが、美しいとすら形容されるべき、鍛え上げられた筋肉の鎧に身を纏っていた。

それは悠然と彼を見つめ、自らの覚悟など言語道断と言わしめるが如き威風堂々たる態度で、初めの鳴り鐘を待っていた。


※長くてごめんね、ようやく本編始まるからね。

 闘技場…最初の建造はEC元年(296年前)まで遡るこの生きる世界遺産で、今無数の観客に囲まれながら、二人の男が戦おうとしている。一人は寡黙な大男だ。しかし、相手が素手と分かっていつつも彼の防具に妥協はない。この地方、増して今どき更に珍しい木製の鎧だ。黒い塗装のみを無骨に施したそれは、剣、魔法、弓の全てに対して脆いだろう、がしかし、打撃には強い。鉄のように下手に衝撃を響かせることも、繊維状の鎧の様に、純粋な衝撃は緩衝できないこともない。目の前に立つこの"獅子"を狩るにはむしろ最適な装備だった。


 もう一人は獅子の毛皮を全身に纏った男だ。その体躯と極めて凶悪かつ芸術的な筋肉、そしてそれを隠しすらしない巨大な獅子の毛皮。両手には何も持たない。そう、これがいつもの彼だ。

 そして盛大な歓声にかき消され、いつもはた目には聞こえない、しかし極限の集中を持った闘士には確かに聞こえた。鐘の音だ。戦いの火蓋が今……落ちた。


 獅子は突進した。まず、近づく。いつものやり方だ。自分は殴るしかできないから、まず、近づく。それを迎え撃たんと、魔法を構えかけた彼だったが、すぐに無意味であることを思い出し、盾を構える。事実、盾をギリギリ構え切ったその時、強大で、巨大で、そしてどうしようもない破壊力を持つであろう何かが、盾を襲った。それは獅子の体自身だった。受けの構えをとることをわかっていたかのように、全体重が恐ろしい速度で襲い掛かる!盾で迎えるのが分かってたから"全力"だった……?否!それを確実に否定する"余裕"が、盾越しにすら伝わった。


 真っ向から受けられるなんてはなっから思っていない。彼はこの日の為に何度も練習した受け流しの構えを見事成功させた。両足を絶妙なバランスで軸移動させながら、この肉塊を盾から受け流し、すぐさま盾を横にしてたたき返そうとした…が、いない!?彼の盾は派手に空を切った!


 獅子は受け流さんとする確かな手ごたえの緩さを早々と察し、盾を土台に蹴り飛んで突進の衝撃をすでに制御しきっていたのだ。所作の一つを無駄に終わらせ、もう一つの所作もそこにはいない相手に向けられたものと終った。彼はすぐさま反応し、とっさに盾を背後まで余計に振った。しかし…

………これは、悪手だ。それを肉体が理解したのは、彼の鳩尾に深々と拳が突き刺さり、肺が機能を停止した時だった。


 ボクシングの世界ではソーラ・プリキサスとしても知られる、みぞおちへの一撃は、肺を直接刺激し、呼吸を支配する。木製の装甲、しかもやはり最も警戒していた心中線を護る最も分厚い部分からでさえ、クリーンヒットからなる力の大潮流は、彼の肺を止めた。


 それは人間の活動を、その反射的反応も含め一時的に止めるには十分だった。脇腹。装甲が薄く、人体、増して肺にはさらに致命的な追撃を食らうまでの僅かな時間、彼は考えるしかできなかった。

(何故だ?何故奴は気配とは逆な位置にいたんだ?)しかし、その疑問は皮肉にも、獅子の位置そのものによって証明された。

……そうか!正面だ…!奴は最高の位置になどいなかったのだ。獅子は一度背後に回って殴る気を持たないまま気配と殺気"だけ"を残し、すぐさま身をかがめ、"姿勢が戻る前に一発入れられるギリギリの位置"に滑り込んでいたのだ。彼は何もできなかった。しかし満足だった。今の彼には、やるだけできたんだからという満足感があった。


 ろっ骨を破壊し、左肺に致命的な損傷を受けるであろう理不尽なまでに無慈悲な打撃。普通なら、まともな体なら絶対…死ぬ。しかし彼は今、それでさえ受け入れようかと思えるほど、満足で欺瞞した諦めがあった。これでいい…これで、満足…

「まだ"絶つ"な!!!!まだやれるだろ!!勝負を投げるな!!!来い!!!!!」

唐突に放たれた獅子の一喝は、彼を目覚めさせた。そうだ。まだ出し切れてなんかない。まだ"終わって"など、いない……・・・!!!

 瞬間、彼は左手に渾身の力を籠め、盾を振り戻して獅子の後頭部に殴りつけた!咄嗟の勘で受け流され、完全には入らなかったが、今自分の身を終わらせようとしてるこの拳を止め、怯ませるには十分だった。

追いの一撃を盾で打ちつけると見せつつ、フェイントで棍槌を一撃。しかしこれは力の流れを読まれ、予想を超える力であえて盾を押し切られ、身をかがめられる。彼の武器は空を切った!


………そしてその時、彼の腹はその内容物を暴走させる。小さな、しかし確実に鋭く、凶器として成立し得るその"肉杭"が深々と突き刺さる。普通の、否あらゆる剣闘士の腸を破壊し、その戦意と意識を奪い取るには十分な一撃……

 しかし彼は"漢"だ!今度はみぞ落ちじゃねぇ!こっちの"動き"が死んでるわけじゃねぇんだ!!!彼は棍槌を戻して敢えて、先程と同じく一閃した。無論見切られる。同じ手が通用するほど、戦いは甘くない。だがそれはわかっていた。受け止められた余力で手を放して素手のみを振りかぶり、渾身の一撃を、獅子の顔に一番デカいのを…ブチ込む・・・入った!しかしまだだ!こんなもんじゃ獅子は倒れねぇ!

 多段層で、衝撃を吸収すると同じにその軽さや大きさを変えられる彼の盾はその"皮"を一段階外し、軽く、小さくなるが確実に振り回しやすくなった形に身を変えた、それを用いて、獅子をもう一度殴りつける。今度は脇腹だ!あくまで筋肉の壁を作りづらい肋骨、盾は深々と刺さり、骨をへし折るはずだ。

しかし彼は知っている。この男が、何故"チャンピオン"の地位を持つかを。


……そう。耐えたのだ!骨が割れる手応えの代わりに、あくまでも面の広い盾が上から打ち払われ、その軸がぶれたのを感じた。すでに右手を戻していた彼だが、防御をする時間を与えるような情けは獅子にない。

 左で一撃。今度は顔だ。反射的に首を捻り、衝撃を殺すが、逆にその動作が命取りとなる…!

右だ。首ひねりをわかってたように、綺麗に合わせてきた。位置、タイミング、スピード、パワー。パンチの4大条件が全て揃った拳闘士の拳を食らったものに未来はない。


………まず頬骨が粉砕した。砕けた骨が、眼球に突き刺さるのを感じる。そして目が潰れた。もう二度と、左目が光を感じることはないだろうと確信した。そして残酷なことに脳震盪は少し遅れてくる。

 ファイターズハイというやつだ。訓練された戦士は、勝負を決める一瞬を何秒にも何分にも感じられるという、意識の極致だ。皮肉にも、そんな絶え間ない修行の末に身につく身体の奇跡が、逆に彼を苦しめていた。……来る、来る……来る!!!来た……!!!!

脳がシェイクされ、大振動を起こしながら暴走する最悪の激痛を、残酷なことに彼はこれからスローモーションで体感しなければならない。


 しかしその悪夢は、意外にも獅子の放つ3発目によって絶たれた。この角度では意識を断ち切れず、相手を苦しめてしまう。この真の戦士の今抱く最高の闘志を挫いてしまう。それを知っていた獅子は、あえて右を引っ込め、左で一閃していた。


 顎だ。本来は逆に脳を不規則に揺らし、相手を生き地獄に陥れる部位だが、真稔に支えられ、真っすぐと貫いた"慈悲の一撃"は、元々シェイクされ、暴走していた彼の脳をその一撃によって衝撃で一定方向にまとめあげ、ある地点ですべての衝撃が吸収され、急に動きを止めた。あごの骨を伝導して脳の穴を反射して伝わるその衝撃の行き場は後頭部、小脳だ。獅子は、そこが意識を司る重要な場所であることを知識でなく経験で知っていたのだ。


 そして彼の意識は静かに、しかし苦しみを伴わぬ程の短いときの中で・・・絶たれた。

 書き切tt…てはいないかな。でもちょっと長すぎると感じたのでいったんここで切ります!

4153文字!ご精読ありがとう!

 今回初めてヘラクレスの戦いの一つを字に起こしたんだけどかなり冗長になっちゃったねww

しかも表現を繊細にするために終始挑戦者を"彼"ヘラクレスを"獅子"としちゃったけど伝わりづらかったよね・・・今度からはちゃんと読みやすさ重視にして名前で呼ぶけどその分文章の美しさは落ちるかもしれない。ゴメンね…

 挑戦者ってのは寡黙な大男のことね。棍槌っつうデカいアイスピックみたいな武器持ってる人!

本名グミザリックていうんだけど紹介しそびれちったww場合によっては今後ちょっと出てくるよ!

 書き方このままでいいのならそうするけど、やっぱり長いよねw別におじさんは楽しいからいいけど読む側からすればたまったもんじゃないしねwww要望次第で維持するかもだけどとりあえず直す気でいるよ!

 実はあんまり長引いたもんだからまだ書いてないけどヘラクレスのライバルの試合がもう1試合あるんだ。彼の試合をストーリー内で書くか後で外伝なりにまとめるかは今後適当に決めるよ。モチロンこうしてくれってのはできるだけ反映させるよ!

次の話は大体お盆終わりくらいまでには出すよ!おじさんのお盆は12~19の1週間だから盆前に出す可能性も微レ存あるよwwこれも結局翌日に作っちゃったしねwww

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