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1-7

「逃げて来たのかい?」

「はい、争うつもりはありません」


 青年は両手を挙げ、自分の姿を曝け出す。その姿を上から下まで確認した女性は、男の子と共に、ゆっくりと少女の側へ歩み寄った。


「この子は、怪我でもしているのかい?」

「いえ、今までずっと走っていたので……」

「可哀想に」


 静かに眠る少女へ、自分の着けていたエプロンと、男の子の着ている羽織を巻き付け、抱き上げた。

 驚いた青年は思わず女性の腕を掴む。


「何をする気だ」

「何もしないよ。こんな所で休んでいたら危険だ、付いて来なさい」

「……すみません」


 大して気にもせずに青年の手を払い、部屋の奥へ促してくれた。が、それはまた、何かの気配が青年の足を止めた。

 何かが、いる。

 腰に吊るされた柄に手を掛け振り向くと、建物の入り口に人の姿があった。逆光で顔は見えないが、辛うじて人数だけは分かる。三人。

 殺気が青年の肌を伝う。


「何者だ」


 金属の擦れる音がして、輝く刃がすっと青年の顔へ向けられた。


「俺の家族に、何の用だ」

「ご家族……ですか?」


 そう青年が言葉を漏らした時、大人達の間に、小さな壁が影を作った。


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