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Grave Defamation -潔白の空-  作者: えすえすけい
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プロローグ

どうも、初めまして!

完結させられるように頑張ります。よろしくお願いします。

 その日は、高校生活最後の日になった。

 本来なら夏休みに入る前日、七月末の真夏日の話だ。


 俺はいつも通り登校していた。

 

 強烈な直射日光とアスファルトの熱気を浴びながら学校へ向かっている俺の身体は重かったが、夏休みを前に控えていたので気持ちはずいぶん軽かった。


 夏休みは何しようかなぁー


 のんきなことを考えている俺は、すれちがうサラリーマンに少し気味悪がられるほどニヤニヤしていたが、なにせ高二の夏休みの前日だ。それはしょうがないだろう。まだ受験のことは考えなくていい。

 

 俺が通っている高校は大都会にあり、その校舎はビルに囲まれている。通学路も校舎も東京の中心部だ。 部活には入っていなかったが、学校の付近にカラオケやら映画館やら遊ぶ所が充実してたのでまあまあ楽しい生活を送っていた。通っている学校の立地が特殊なことを除けば、とても普通の高校生だと自分で思う。俺はそんな普通の生活が好きだった。


そうだ、終業式が終わった後は何しよう?


 やっぱり最後はパーっとカラオケでもした方がいいか、しかし見たい映画もあるしなぁ。

 そんな贅沢な悩みを解決するべく、俺はスマホを取り出し友達に何をしたいか聞くことにした。


 しかし、電源ボタンを押してもスマホはうんともすんとも言わない。


 充電し忘れたかなぁ……


 スマホにケーブルを挿したことは覚えているが、肝心のコンセントにプラグを挿していなかったかもしれない。たまにあることだ。


 まあ学校で聞けばいいかと気を取り直し、また歩きだそうとした。しかし、歩き出そうとした俺の視界にいつもとは違う光景が広がっていることに気がついた。


 それは、正面のビルの壁面にある巨大ディスプレイにあった。

 通常、このディスプレイは朝八時に天気予報を流した後、一から五位までのオリコンランキングの紹介に入る。これは、俺が高校に入ってから、今までの約一年半変わっていない。


 しかし、その日は天気予報が終わるよりも早くに、画面は臨時ニュースに映り変わった。


 いつもとは違うその変化に、周辺を歩いていた人々の多くが気がついた。俺も学校へ急ぐ足を止め、ディスプレイを見る。何事だろうと、周囲はその小さな非日常に盛り上がった。


 そして注目を集める中、そのディスプレイの中のアナウンサーはこわばった表情で告げた。


 『今日午前八時ごろ、東京で銀行強盗が発生しました』


 「まじかよ……」

 思わず声が漏れる。


 周りからも動揺の声が上がった。


 『現地での調査を進めていますが、被害総額は最低でも60億円に上ると思われます』


 動揺の声はさらに大きくなった。付近の人々はほぼ全員が立ち止まり、ディスプレイに釘付けになっている。この場にいる人々の反応は、野次馬的なものからかなりシリアスなものへと変わっていた。


 『なお、銀行の監視カメラには、強盗を行ったとされる犯行グループの姿がはっきりと映っており……』


 そして、あくまでこの事件の外野に居て一般人であるはずの俺は、次の瞬間スポットライトを浴びることになった。


 『……こちらの四人になります』


 ディスプレイに映っている四人の内の一人、俺こと雨波風真(あめなみふうま)と目が合った。

 

 

 


 


 













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