Regnet øser ned våpnene<<降り注ぐ武器の雨>>
不定期更新状態大変申し訳ありません。
体調万全になり次第定期更新に戻ります。
―Regnet øser ned våpnene―
「いやぁ……若いっていいね、レア。」
「そうだねぇ……。エルフって長生きなせいかこう言うの忘れて生きてるもんね。」
レアとエダは仲よさそうに話している。
「あれ?お二人は顔見知りなんですか?」
「まあ……ね。レアはエルフの女衆で唯一私の矢を全て防いで見せた子だからね。」
「まあ、私は防ぐのは得意なんだけどね。逆に攻撃がてんで駄目なのさ。呪術、祝術とかは得意なんだけどさ。」
キライは目を丸くして驚く。一度ヴィットとのやりとりを見たが。少なくも全てを防ぐなんて出来ない。
「へぇ。すごいですね。エダさんの矢を防ぐなんて……。」
「なに言ってんのさ。ヴィットのが凄いさ。私の矢を殆ど避けちゃうんだし。」
「え……。なにそれ。すごいじゃん!」
「…あの量の…矢を防ぐって…?…どうやるの…?…」
ヴィットがそう言うとなにも言わずにエダは瞬時に弓を構えて矢を放つ。
「……えっ!?」
キライが目で矢を追うと矢が地面に落ちる。
「…なに…?…」
「いきなりなにするの!?びっくりするじゃない!」
「……まぁ、こんな風に矢を無効化してくるんだよ。」
「何をしたんですか?」
「アンタは自分で考えるってことを知らないのかい?それじゃアンタ相手の魔法のネタがわからないと戦えなくなっちまうよ?少しは自分で考えなさいな!わかったかい?魔法っていうのは基礎は結構決まりきっているんだよ!ま、この子が使ったのは少し特殊だけどね!」
「流石に一度で見抜かれると困るよ」
大きな口を開けて豪快に笑うレア。
「そうさね、まあ、アタシも同じようなのを使えるからね。アンタ……攻撃は苦手って本当さね?それが使えるなら全然攻撃も出来るんじゃないのかい?カードは伏せておきたいってことかい?そうかい!そうなんだね!」
「できないよ!……いや、まぁ色々あってできなくなったがただしいのさ!」
「そうかい。まぁエルフも人も亜人もなにか苦手なことはあるかね?無理にする必要はないけどいざという時に使える等にはしておきな!今回みたいなことがあった時アンタが入れば全部うまくできたんじゃないかい?」
「買い被りだよ。そんな力はないよ。」
ふと、キライが疑問に思っていたことを口にする。
「そういえばまだ、レアさんはわかりますが、エダさんは何かありましたか?」
「あ、ああ。そうだ。アナさん。お伝えしたいことが……。老人会に、」
ヴィットがエダを遮って割り込み、ナイフを構える。それに反応したキライも双刃刀を構える。
「…アナ…」
「ん?あ、わかってるよ。殺気さね!大丈夫、すべてアタシに向いてるし、アンタ達には危害を加えるつもりはないみたいさね!レア、その魔法の真髄を見せてあげるさね!言っておくけど正当防衛だからね。」
その瞬間……広場には雨が降り注ぐ。
矢が……槍が……剣が……。雨のように。
全ては広場と言うよりもアナに向かって。だが……すべての矢、槍、剣がアナの半径1メートル内に入ることはなかった。人形の周囲にすべての武器がピタリと止まる。
「お見事……。」
それを見たレアは一人息を飲み、つぶやいた。
レアのそれと異なるのは全てが地面に落ちたわけではなく、アナを囲うように空中で静止している。
「……なんなんですか?これは。すべてエルフから?」
「すいません。いうのが遅くなりました、老人会の一部過激派がおかしな動きをしていると伝えに……。」
「仕方ないことさね。アタシに昔された事を考えればね。老人会にはアタシに恨みを持つエルフがたくさんいるだろうし、アタシは謝るつもりはないさね。アタシがした事は知らないだろ?それは老人共にききなさね。……あ、そうか、レアも知ってるだろうさね。アナに聞きな、そうしな。」
「……わかりました。レアは後で教えてくださいね。」
「…そろそろ…いく…?…」
「そうですね。残念ですが、あまり長居するのは良くないってことはわかりました。」
アナはキライの肩によじ登る。
「そうそう、魔法のことに関してだがレア。もし、極めたいなら新しく老人会に入ったローブを訪ねなさい。アイツもアンタと同じような魔法使えるさね。」
そう言い残すと、街を出る。
太古の森から抜け出す方法は街を北に行くと川が流れている。その川を上流に抜けると滝があり、その滝壺がエフトレットに近い出口だと教わる。