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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.2  作者: リナ
幕間 出発前
18/27

Val av presenter<<プレゼント選び>>

Val(ヴァル) av(ァブ) presenter(パーセンタ)


「さて、ヴィットさんを待たせてしまってるので……。市場をチラッと見て行きますよ。その……。助言お願いします。」

「はっ、嫌なこった!なんでアタシがそれを手伝わなきゃいけないんだい?クスクス……。それはアンタが自分で選ばなきゃ意味がないさ。少しは頑張りなさいな。……まぁ、候補位だしなさね。その中から少しは助言してやってもいいさね。」

 頭の上に乗った人形はキライの頭をペシペシと音を立てて叩く。



「わかりました。……精一杯努力してみますよ。」

 というキライにあんまり時間立ててもあの子を怒らせるだけだからね。さっさとしなよ!と叱りを受ける。


 市場を急ぎ足で回るキライ。それを見たエルフたちは自分たちを救った少年をそれぞれに歓迎した。

「少し、恥ずかしいですね。」

 キライは自分がここまで褒められると思っておらず赤面しながら白い少女に渡すプレゼントを探して駆け回った。




 少年は必死にプレゼントを選んだが……。アドバイスをするといった人形は頭を抱えた。

「アンタ……。怒りを余計に買うよ?こんなの……。相手は女の子。なんだいこの選択肢。普通さ、アクセサリーとかそういうの選ぶよ?珍しい武器を選ぶのなんで論外だよ!喧嘩売ってるのかい?そうかい。それならそれでいいんだけどさ……?アンタの父親も一人身かい?……わかったよ。選択肢は、アクセサリーに限定しようか。それならアンタでも頑張れるだろ?」


 申し訳なさそうにしているキライが重い口を開く。

「ですが、ヴィットさんがアクセサリーするでしょうか?そういうのを身につけているのを見かけたことは今までないですが。……付き合いも短いですが。」

「まぁ、つけてるとこはアタシも見たことないさね。だけどあの子の場合は身につけるものを持っていないっていうのが正しいんじゃないかね?そういうの持ってそうな感じはしないさね。」

 ま、キライのいうことも一理あるか。と思い直すがそれでも却下だ。その考えは曲げる気はないアナ。


「さ、時間はあまりないよ?さっさと決めなさい!待ちくたびれて先に行っちまうかもしれないよ?ほれ、さっさと決め!ほら、急ぐ急ぐ!」


 追い込まれ涙目になるキライを見てご満悦なアナ。アクセサリーを並べた雑貨屋のエルフがキライに話しかける。とても印象的なエルフだ。たいていのエルフの女性は細身で長身な方がおおく美人だ。……一度その女性を見た後にキライは思わず目をそらす。

「あら、街を救ったキライさんじゃないかい?どうしたんだ?英雄がそんな泣きそうな顔して。えーっとアナさんだよね。……その、一度抱いてみていいですかい?一応人形師の末裔なんだ。エルフにしちゃ、珍しいがね。」


 アナはエルフがそう言ってきたので有無を言わずにエルフに飛びついた。

「ふむ……。これはダナエよりあるさね。」

 アナはエルフの豊満な胸に抱かれなにとなく満足そうな表情を浮かべ、その所作をみてキライは更に真っ赤になる。それに対して豪快に笑うエルフ。

「ああ。歴代エルフ一だと自負してるよ。ダナエっていう人がわからないからわかんないけどね!んで?キライさんはどうしたのかな?」

 キライの初心な反応に少し面白そうにそらした視線の先にわざとらしく回り込む。


「そ、その……。」

「なんだいなんだい?思わず臆病者のキライに逆戻りかい?まだ若いって言ったって男さね!あんたもさ!そんなとこで男の子してないで、ちゃんと女の子を口説ける男になりさね!アンタもそう思うだろ?」

 アナは抱いている女性の胸元を小さな手で叩きながらいう。

「ふふ。そうだな少し堂々としたほうがいいかな?揶揄いがいのあるのは面白いけどさ。」

「ほう、アンタもそう思うかい?揶揄いがいのあるのは楽しいさね!あんたとは気が合いそうさね!アンタの名前は?アタシはアナだよ!」

「私はレア。この、小さな雑貨屋が私のお城さ。」

「雑貨屋……ですか。その、ヴィットさんに、何かプレゼントを……と思おまして。」

「ふーん?んで、アナさんと一緒に何かを探してたってかい?」

「そうです。先ほど僕が選んだのは全てアナさんに却下されてしまって……。」

「へぇ。アナさん。キライさんはなにを選んだんだい?」


 アナをテーブルにおき、頬杖をついて話を始める。そして思わず頬杖からずり落ちた。キライの選んだのものを聞いて。

「英雄にはそう言う人がなるのかねぇ」

 悪戯な笑みを浮かべると、店の奥から小さな箱を持ってくる。

「これは私の作ったモノだよ。」

「レアさんが作ったものですか?」

「ああ。気に入ったら貰ってくれないか?この街を救ってくれたお礼だよ。お代?ああ、いいよいいよ。気に入ってくれたらそれだけでいいさ。つけてくれればそれだけで宣伝になるさ。」

 キライは静かに頷くと。レアはその箱を開ける。中には……。


遅くなり申し訳ないです。

夜にもう一つ行く予定です!

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