表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.2  作者: リナ
太古の森編
15/27

番外 Förflutna Grön<<ゲルンの過去>>

F()örflutna(フォルタ) Gr(ゲル)ön()


 ゲルンとの出会いはあの子がこの森に迷い込んだところから始まるんだ。



 ゲルンがこの森にやってきたのは彼女の幼い頃。孤児院と言うものに入りたての頃らしい。

 ラタトスクは最初、森に入った侵入者を監視していたのだと。その、侵入者がゲルンだった。太古の森の入り口は今とは異なり複数あり、一番安全な入り口はエフトレット付近の洞窟から入ること。



 許可さえあれば入れるからね。



 彼女が入ってきたのは"シルフの谷"という人間にとっては危険な所から入ってきた。


 シルフは世界的にも有名な精霊で風を司るといわれる。……国によってはイタズラを司るなんて言っている国もあるけどね。


 普通の人間がいけば怪我では済まない。魔力を吸い取られて下手すれば廃人ということだ。


 だけどあの子は違ったんだ。


 どこにでもいるんだろう。

 動物や精霊、悪魔、天使、神獣、そして神様。

 どんな、なんでも仲良くなってしまう子供って。


 普通じゃありえないよ?

 シルフ達が少女と戯れて楽しそうにしてる癖に……。

 契約しているシルフは一人もいないってさ。


 通常、シルフは気に入った相手と契約するものなんだ。


 ボクはそれで興味を持った。

 なんたって、仲良くなった癖に、彼女がシルフ達との契約を拒んでたからね。


 普通のシルフみたいな上位精霊から契約を持ちかけられて拒否するなんてさ?強制的に結ぶ事だってできるんだ。あいつらは。でもそれすら拒絶したんだ。


 そんな事したらシルフから嫌われる可能性が高い。でもそれでもシルフ達は楽しそうに彼女と戯れあってたよ。


 それで、この森に入ったゲルンを監視し始めたんだけどさ?


 ありえない事にさ。ボクの視線にすぐ気がついたんだよ。とは言っても遠くから見てたし、シルフ達すら気がついてなかったのにさ?



 気がついたらボクは彼女を見失ってた。



 間抜けな事をしたわけじゃないんだ。瞬きをしただけ。それだけなのにシルフ達を残して彼女の姿が消えたの。


 そしたらいきなりさ。

 後ろからボクを捕まえて来てさ。なんて言ったとおもう?



 そう!


 "君がボクを見つける二分前に気がついたよ♪"


 だってさ?



 生意気にもボクを先に見つけたとか言い始めたんだよ。そのあと?そのあとはそのままシルフのところに連れてかれた。


 シルフ達はすぐに気がついて固まっちゃってたけどね。あの子は気にしないみたいだった。


 まったく、相手は人間じゃなく精霊や神獣だってのにね。


 そのあと、シルフ達は谷に帰っちゃったんだよ。

 もともと彼等は太古の森に案内するのが仕事だったらしんだけどね。


 そんな見つかってからじゃ隠れて監視も無かったからさついてく事にしたんだよ

 でも人間離れした直感と魔力を持っていた。子供とは思えないくらいいろいろなことに気がつくしね。


 結構長い時間を彼女と過ごしたけどさ。この森にいて、エルフと一度も遭遇しなかった。彼女が色々合わないようにしてたみたいだけどさ。


 ある時ね。気になって聞いちゃったんだよ。


 君は何しに来たの?

"ボクはね世界樹を見に来たんだよ♪"


 それだけ?

"あとね、君に逢いに"


 まったく面白い人間さ!そんな話を聞いてさボクは思わず……。



 じゃ、契約する?



 とか聞いた。シルフ達との契約はすべて断ってたし、ボクのも断られるかなって。



 そうしたらさ。案の定……。


"ボクについておいで、多分したくなくなるよ"


 って言ってきた。


"契約しないのが、オススメ"


 とまでね。


 だから、ボクはこう言ったんだ。

 旅についていくよ。契約じゃなく、友達としてね。


 ボクも面白かったんだ。

 彼女と旅するのがさ。


 そう言っても、太古の森にきた間だけだったけど。

 彼女となら外の世界でも楽しいだろってね。


 でも、それは間違いだった。


 いや、間違いでは無かったんだけど。


 あの孤児院って言うものが許せなかったよ。


 ゲルンとの旅はとても楽しくて……。


 でも


 いつか彼女が壊れるんじゃないかって。


 いや、一度壊れたんだ。

 ……彼女が大切にしていた物を一瞬で奪っていった。


 君ならありえないと思うだろうけどさ。

 あの孤児院が一度壊滅しかけたんだよ。


 何が起こったかは、またいつか気分のいい時に話すよ。

 今日はいい日だもの、こんな話はするべきじゃない。


 そんな時あの坊やが来たんだ。

 そう赤髪の生意気な坊や。


 あの子はあの子を救って、ボクは見ているだけだった。

 それで、ボクはあの子と契約を結んだ。


 勝手にね


 隙を狙わないと拒絶されると思ったしね。


 まあ、でめ戦闘中に呼ばれることは無かったかな。


 だってあの子自身人間の中じゃかなり強いからね。


 ん?あの時ボクじゃなくドリアードが呼ばれた理由?


 ボクが気分屋で人前には出ないからね。

 あの子が契約してる向こうを出したの。

 別にゲルンが出さなかったわげじゃないからね。


 ボクとしては早く元気になって欲しいな。


 せっかくあんなのから解放されたのに……。


 ゲルンにヨロシク。ボクは少し忙しくなりそうだ。


 エルフとダークエルフ、そしてニーズヘッグ。


 もともとボクのイタズラが発端だからね。


 じゃ、頼んだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ