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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.2  作者: リナ
太古の森編
12/27

Is inlagd …<<…の氷漬け>>

遅くなり申し訳ありません。

更新しました!

Is(イス) inlagd(インダット)


 一つの影が、ニーズヘッグに斬りかかる。

「遅れてすみません。」


 少年が謝罪とともに現れ、肩には人形を乗せている。

「全く全く、面白いのと相対してるじゃないか?ええ?ヴィット!ラタトスクを探しに来たんじゃないのかい?手を貸そうか?貸してあげようか?アタシとあっちで遊んでる二人で一瞬で片付けるけど?いいんだよ?アタシとあんたの仲じゃないかい!あとは任せてもいいんだよ?」


「…アナ…どうやってきたの…?…」

「いやいやいやいや、アンタらと一緒さね!ダナエ達と別れてでっかい龍の口に入ってここまで来たのさ!あの子ナンダカンダであんたらのことが心配で仕方ないらしくてさ?来てみれば案の定面白いのに巻き込まれてるしね?んで?どうする?アタシがやっちゃおうか?そんな藪蛇なんてチョチョイってやっちゃうよ?」

「…アナ…大丈夫…もう…勝負はついてるから…」

「えっ……どういうことだ、ヴィット?」


「…キライ、エレ…時間稼ぎお願いしても…いい…?…」


「任せろ。倒すことが出来なくても時間稼ぎくらいやれるさ。」

「任せてください。遅れてきた分頑張りますよ。……先に倒してしまったらごめんなさい!」

 そう威勢良く言うとキライは"双刃刀 嵐"を二つに分離させて突っ込む。


 突っ込むキライに対してニーズヘッグは蛇の矢を放ち、キライはそれを回避しながら近寄る。回避しきれない蛇はエレが矢で射ち落す。

「ありがとうございます。エレさん!」


 両手湾刀でニーズヘッグに斬りかかる。鱗に弾かれることはないが、傷をつけるので漸くのようだ。

「そんなので、俺を倒せる見込みあると?」

「ええ。ですが、こうすると……どうでしょうかね?」

 ニーズヘッグの下から切り上げる。魔力が篭っているため風の力も合わさって大蛇の巨体を持ち上げ腹を見せる。そこへすかさずエレが矢を指の持つ限り、魔力の限りを尽くして撃ちつける。


 大量の矢の圧力で壁に貼り付けられる大蛇に対してキライはロープに対して放った魔法を放つ。

「……倒せないにしても、ダメージくらいは与えれるはずです。」


 今回は魔力を少し温存したのか、倒れることはなかった……が、邪魔になると感じ部屋の隅っこに飛び退く少年。


「…いくよ…シュー…!!…」

(うんっ!いつでもいける!)

 ヴィットは自身の魔力でユキトのナイフを浮かせると、リームシュークはその周りに魔法陣を作る。その魔法陣に対して魔力を全力で籠めていく。


「何をするつもりだ?氷の魔法でも使う気か?」

「…魔法っていう…魔法じゃ…ないけど…」


 ニーズヘッグは体に無数の擦り傷を作りながらもピンピンとしている。

「何をしようと無駄だ。あの小僧の魔法は凄かったが、俺にとどめをさすことはできなかったからな?アレよりも高位な魔法はなかなか……ククク、小僧。誇っていいぞ?あの魔法は極めれば名前を世界に轟かすだろう。まあ、残念ながらここでくたばるお前にそんな瞬間、こないがな。」


「随分と、余裕だな?」

 エレの矢の勢いは未だ衰えず、大蛇を壁に貼り付けている。

「痛くもかゆくもないからな?エルフごとき神獣を止められるわけが……。」


 エレの放つ矢は少しずつ、少しずつ勢いを失っていく。しまいには壁話に貼り付けておくともできなくなり解放してしまう。

「……ここまで……みたいだな。」

「ああ。神獣の俺相手になかなか頑張ったじゃないか」

 大蛇がエレを睨み少しずつ彼との距離を詰める。彼と大蛇の間にキライが割って入る。


「……悪あがきですが。もう少し頑張らせてもらいますよ。」

「邪魔だ……!」

 キライを大蛇の尾が襲うが、武器で尾を受け止めそのまま軌道をそらして攻撃を受け流す。

「ああ、なるほどですね。」

 ニーズヘッグの尾を受け流した際ちらりとヴィットを見て確認すると頷く。

「何がだ?」


「あっと、こちらの話です。気にせず。わかってても何もできないですしね。」

「気にくわないな……!何を隠している?」

 ニーズヘッグの攻撃の対象がエレからキライへと変え、木の蛇がキライを襲う。それと同時に大蛇自身の尾も彼を屠ろうとする。キライの対象は木の蛇に移り、大蛇自身の攻撃は回避に専念している。


「……なぜ当たらない。」

「なんででしょうかね?」

「……お前、何か知っているな人間!」


「そうですね。あなたが神獣でも、あまり高位ではないということはわかりましたかね。」

 キライはニーズヘッグを挑発すると大きな尾が振り下ろされる。回避する場所がなく咄嗟に両手の湾刀で受け止めるが、木の蛇がキライを襲う。


「ククク、残念だったな。」

「そうでもない。やっぱり高位ではないな。何度相手が複数人いると忘れんだ?」

 エレが木の蛇に対して矢を放ち、キライを守る。

「ええ。僕ら、相手は三人と一匹ですからね。」


 その一言でヴィットの存在を思い出し、そちらを向こうとするが、思うように身体が動かない。

「な、何を!?」

「…氷らせた…」

「ヴィットがさしたナイフ、どこいったかな?ニーズヘッグ。」


「さしたナイフなど……!?」

「…身体の中…入れたまま…」


 キライはリームシュークの作った魔法陣に対して片方の"ユキトのナイフ"を触媒にに魔力を注ぎ込み、ニーズヘッグの身体を蝕んだ。と説明する。ヴィットは多分そうだろうと頷く。

「……っ!?」


「残念だったな、爬虫類。神獣を名乗るにはふさわしくない相手だったよ。言い残すことはあるか?」

「人間、エルフ風情が!俺を殺せば……あの、カラムを含めてダークエルフが死ぬことになるぞ!?」


「そうか、とりあえず詳しい話を聞かなきゃいかんから……お前は凍ってな。ヴィット頼んだよ。」

 そう言ってヴィットを見て頷く。ヴィットはそれを見てニーズヘッグに触れて魔力を籠める。

「…死にはしないから…」


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