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二重のBOSS

お久しぶりです。

スランプ脱出したことでまた今までくらいのペースでの投稿ができそうです。

長らくお待たせして、すいませんでした。

しかし、それでも待っていてくれた方々へ、心よりの感謝を申し上げます。

本当にありがとうございます、これからもよろしくお願いします。

「尾に向けて束縛系の攻撃を! 追随する形で顎へ衝撃系の攻撃をしてください!」


※誰が


「ンぐっ……はい」


「糞が……!」


※どうなっているのか


 カオスロブスターとの激戦は長引いていた。理由はいくつかあるが、決定打となりうる攻撃がお互い与えられていないのが最も大きいことだろう。カオスロブスターはその巨体からは考えられないほどに動きが速い。それは、足が速いのでは無く、初動が早いのだということを戦闘をしている者すべてが気付き始めていた。回避の時には、おそらく視認してからほぼ反射といっても過言ではないほどに動き出しが早い。つまりはこちらの攻撃に気付くのがとてつもなく早いことで攻撃が始まるときにはその対処のために動き出している。堅そうな甲殻と多彩である攻撃パターンのせいで勘違いをする人も多いが、カオスロブスターとは一言でいえば反射速度と視野がずば抜けているモンスターなのだ。そしてカオスロブスターからして見てもこの長期戦は想定していたものよりも長かった。ゲームのプログラムとして考えても長期戦とは非常に稀有なものであった。

 焦りも出てきたことで次の指示を受けた葉二と玄武も余裕があまりない。

 しかしその二人よりも焦っているのはサクラ、ダオ、たしぎの三人であった。


「やばいよ、早く決めなきゃまずいよ!」


「黙っててください。急がなきゃいけないのはわかってます……もう、声も届かなくなり始めてますから」


 戦闘が始まってからたしぎも軽口を叩かず、サクラすらもすでに無口な口調ではなくなっており、余裕のなさがうかがえる。それもこれもすべてこの男関係と考えると覚悟していたことではあるが、トップランカーともなるとここまでかと何気なくその相手に視線を移す。


「フゥー……フゥ! オアアア……!」


 ベルセルクであるダオのスキル<激昂>が発動し始めているこの現状が予断を許さない。今はまだ味方へ攻撃はしていないが、最悪暴れ始めたダオを残して余波が来ないところまで撤退することも視野に入れていた。仙人掌闘士が少しずつ集まってきていることも考えると、いつ味方にも攻撃してくるかわからないくらいまで発動している。こんなところでボスが増えるなんて願い下げである。


「ゴリマッチョと玄武さんが今レッドとオレンジゾーンを行き来してる。体力が持つかどうか」


「持たなければ負けです。惨めに敗走なんてのは御免です」


 戦局を変える一手を模索しながらも指示は止まらない、いや止まれない。自身の役割は的確な指示を出し続け、自分の代わりに戦ってくれている人の補助。やめることはプライドが許さない。

 そして、変化は唐突に表れた。


※何が起きたか


「見ろ! あのザリガニ、脚が欠損したぞ!」


 苛烈な攻撃により一つの脚の甲殻が崩壊、間髪入れずペコペコ丸が引きちぎったことでカオスロブスターは体のバランスが悪くなり、動きが落ちた。


「!! チャンスです! 大きい動きをされる前に動けないよう地面に縫い付けてください!」


※誰が行くか


「俺が行く! あの野郎……いや、メスか?オスか? どっちでもいいがとにかく一泡吹かせてやる!」


「援護するであります。主」


「わかってるよ! <スペリオフォルメ>!」


 突っ込んでくる玄武とたしぎの術によりDEFが格段に強化されたペコペコ丸に対応しようとするカオスロブスターだが脚を失ったことでバランスが崩れているせいで回避は間に合わない。回避から撃墜へと思考を変え、動きが鈍いもののいまだ健在な自身の鋏を振りかざす。


※成功か


 二人に向けて振り下ろされた鋏。

 それを二人は避けなかった。このまま突っ込めば攻撃が通るが、二人は避ければわずかにタイミングがずれてせっかくのチャンスをふいにしてしまうことを恐れた。

 故にペコペコ丸は前に出て避けず、引かず、受け止めたのだ。

 確実に玄武に攻撃させるために。


「ぐううううう!!」


「ウソだろ!? なんで耐えられてんだよ!?」


「耐えられて当たり前です、<スぺリオフォルメ>はテイムモンスターのDEFを上げて、さらに次に受ける大きい攻撃のダメージを一度だけ60%カットする技ですからね。テイムモンスター限定でMP消費も膨大だけど効果は見ての通り、てき面だ」


 自分よりも小さい相手から突如つかまれた鋏を引き戻そうとカオスロブスターは力を込めるがまるで万力のような力で締め上げられながら杭で固定されているかのようにびくともしない。

 一瞬注意がペコペコ丸にすべて向いたことで、カオスロブスターは玄武が宙に飛び上ったのに気付けない。獰猛な顔で槍を下に向け、さながら流星のように落ちてくる。


「よくもまあやってくれたな、ここで全部鬱憤晴らしてやる!<堕天の槍撃フォールン・ランセリオ>!」

 

 攻撃が当たる直前にペコペコ丸は鋏を地面へとたたきつけダメ押しにかかと落としをすることで鋏を地面へと埋めて、技の余波でやられるのを防ぐために全力で後方へと跳んだ。細い光の柱が爆音とともに背中の甲殻を貫き、大地へとへばりつかせる。HPゲージはまだ少し残っているもののほぼ詰みといえる結果となった。

 ーーはず、だった。


 もしここで、カオスロブスターが彼の近くにいなければ。

 もし他のメンバーが仙人掌闘士をもう少し減らせていれば。

 もし彼がその職に就いていなかったら。

 もし玄武の硬直時間がもう少し短かったら。

 もしーーーー


 だが、ここはWWO。第二の現実。



 現実に起きてしまった以上、『IF』はあり得ない。



「オオオオオヲヲヲヲオォォォォオオオ!!!!」


「しまっ……玄武さん、逃げて!」


 カオスロブスターの近くにいたのは、完全に<激昂>が発動してしまったダオだった。

 攻撃の対象となるものは近くのものから無差別に。無慈悲に。その手に持つ斧はつぶしてゆく。全ステータスは上昇し、周りの仙人掌は攻撃に耐えられず消え去る。ターゲットされているのは最も近いカオスロブスターだとしても、もうHPはレッド間近であるうえカオスロブスターをつなぎとめている玄武は大技のせいで動き出せない。


「いや、大技だったし硬直が……あ、やば……」


 振り上げられた斧が斬首を待つ死刑囚のように大地へと頭を垂れているモンスターへ振り下ろされる。

 そして爆発などというのもおこがましい程の音と威力を伴った一撃はクレーターを作り、砂塵を巻き上げる。一気に視界は不明瞭となったことでサクラは一時撤退を決めた。


「玄武がやられた!」


「この人でなし!」


「ああもううるさい! ふざけてる暇があるなら玄武さんを回収してきてください! 他の方は相手のHPもあとわずかですし少し離れて様子を見ましょう……」


 あれほどの威力の一撃。もしかしなくとも玄武は巻き込まれているだろう。そしてここで仕留められていなければとてつもなく厄介なことにもなる。サクラは再び思案し始めた。


※玄武さんは

※カオスロブスターは


「ぐへっ!」


「!?」


 情けない声がしたほうを見ると槍は半ばから折れ、HPももう1桁くらいしかないであろう玄武が地面に打ち付けられ倒れていた。葉二とたしぎが慌てて近寄って行く。


「げ、玄武君! 急いでポーションと回復魔法を!」


「吹き飛ばされてきたのか!? 悪運の強い……!」


 完全に満身創痍だが、いくらか体力が回復した玄武はいまだ立ち込める砂塵を見てつぶやいた。


「まだだ」


「え?」


「直前で硬直が解けたから全力で逃げてぎりぎり耐えられたけど、ザリガニの野郎も鋏犠牲にして頭守ってた。ターゲットマーカーもさっきまで見えてた。まだ、死んでねえ」


 どうやら、とてつもなく厄介なことになったようだと、全員が覚悟した。

 決着が近いことも……





※誰か

1.ゴリマッチョ

2.たしぎ

3.葉二

4.玄武

5.ペコペコ丸

6.ダオ

二人えらびますよー。

でたのは4と3!

いけっ!ランs…じゃなくて玄武さんと葉二さん!


※どうなっているか

1・2、じり貧になっている

3・4、拮抗して長引いている

5・6、死にかけている

でたのは4。

長期戦になるとは思っていましたがまさかここまでとは……


※何が起きたか

1・2、ダオさんが暴走開始

3・4、カオスロブスター腕部欠損

5・6、カオスロブスター脚部欠損

7・8、サクラさん大ダメージ

9・10、カオスロブスターが仲間を呼ぶ

でたのは5。

あぶなかったですねえ。

9とかでてたら絶体絶命もいいとこですけど、確実に頭数増えるのでダオさんの激昂も発動します。


※誰がいくか

1・2、ゴリマッチョさん

3・4、葉二

5・6、玄武

7・8、ペコペコ丸

二人選びます。

でたのは5と8!


※成功か

ステータスから考えると、二人いますし不確定要素も含めるので10面ダイスで1・2・3で失敗、4・5でぎりぎり成功、6・7・8で成功、9・10で大成功です。

でたのは4!

わお、一番微妙なところに…

失敗の場合、攻撃自体失敗します。

成功ならばダオさんが暴走しませんでした。

大成功の場合、クリティカルがでてあと一撃のところまで体力が減らせるということでした。


※玄武は

残り体力やディレイから考えると、7以下で死亡、8以上で生存です。

出たのは9!

さすが!


※カオスロブスターは

残り体力やその他もろもろから考えると、6以下で死亡、7以上で生存です

でたのは7!

しぶてえ!

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