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ハードル高すぎるわ!

※今回は新しいメンバーは何人出るか

※誰が出るか


 靉靆の店からしばらく歩いた一番街の裏路地にかるぼ☆な~らの店はある。入口のドアを除く外壁がすべてピンク色の店は見た目からもう入るのを躊躇うもので、唯一色が違うドアも『外見子供の美少女と美少年以外お断り』とハッキリ書かれており、徹底的に来るものを拒む仕様だった。


「あ、かるさん。買いに来たのに居ないからどこにいたのかと……」


「あー、てりちゃんごめんねー! 後ろのむさい野郎をけしかけられてさー」


 少し後ろから追い付いてきた四人は店先に一人立っていたプレイヤーと目が合った。小柄な少女で水色のパーカーを羽織っているが頭に二つ出っ張りが見えることからフェルミルだとわかる。


「えーと、てりやきチャーハンといいます。かるさんにはいつも……」


「堅苦しいのはいいから入んなよー! てめえらもだ! 本当なら野郎はウチには入れないんだがね、愛ちゃんに頼まれたから仕方なくだよ! あ、店ん中いるうちはそこの空気清浄木から離れんじゃないわよ!? 離れない限りは会話くらいしてやるから。ウチは可愛い子の吐息だけで酸素を構成するつもりなんだから、せめて吐く空気をきれいな空気に変えてな!」


「……人の気も知らんとこのアマ……」


「やめておきましょう……いろんな意味で勝てませんよ」


 罵倒の言葉に若干我慢がきかなくなってきた銀朱が武器を装備しようとするが、葉二はそれを諭すように止めた。

 二人とは反対にカゲロウと玄武は言われた通りかるぼが改造したらしい植物、空気清浄木が入った鉢植えを抱えて店内に入り商品を物色している。触ろうとすると物凄く怒るので見るだけだが。


「ゴスロリとか猫耳もありますけど、その割には武器も防具もマトモな性能のが多いですね。サイズは小さめですが……てりやきさんはどれを買いに?」


「あ、私男ですしそこら辺は買いませんよ?」


「……え?」


「その子の性別みんな最初は間違えんのさ。まあウチはそういう体型の子なら男でも女でも使いやすく作ってあるからね。これを装備して十二分の力が発揮できてこそあたしの中での可愛い子の第一段階なのよ。可愛い子をより安全に戦わせてあげることが戦えないあたしの役目さ」


 黙って聞いていた四人は少しだけ見直したように目の前のダークエルフの評価を一段階上げた。

 体格が小さいプレイヤーというのは実際に戦いでは不利なことも多い。WWOではキャラクターは性別や体格、顔の作りなど、全く違う外見にすることは可能だが、変えることはできても現実とあまりにもズレがあると動かしづらくなったりするため、そこまで大きく変える人は少ない。せいぜい性別と体つきくらいで、身長などはいじらないのが普通。

 ゆえに体格が小さいプレイヤーを安全に戦わせてあげるというのは実はかなり助かっている人も多かったりする。かるぼの場合は個人的趣味が大きいが。


「で、あんたたちいろいろ頼まれたんだろ、どんな内容だい?」


 かるぼに聞かれ、葉二は靉靆から渡されたメモをアイテムボックスから取り出した。


「えーと、食材は……」


※いくつか

※どんな食材か


「仙人掌闘士の果肉、ハニワキノコ……ってなんだこりゃ」


「モンスター食材か? ……カゲ君は聞いたことないか?」


 銀朱にいきなりあだ名らしきものをつけられて面食らったカゲロウだが、すぐに質問に答える。


「ハニワキノコは確か古代樹の森で採れるキノコです。もうひとつのは聞いたこともありませんが……

 食材ではなく素材の方はなんです?」


※いくつか

※どんな素材か


「素材は……カオスロブスターの甲殻、スサノオメタル。

 ――ってフォッサ砂漠のオアシスと古代樹の森のレアモノじゃないか!」


 フォッサ砂漠は最近WWO内で新たに開拓された場所で、常に気温が高いため対策をしないで行くと時間と共にHPが減っていく上、砂に足をとられ、砂漠でも移動できるモンスターに騎乗するか空を飛ぶかしないと移動速度が大幅に下がるエリアである。

 もう一つの古代樹の森はいくつかのエリアによって特徴が分かれている広大な所。そのエリアは大きく分けて、通常の森のように古代樹が生い茂る森林地帯。樹と樹の間隔が人一人分ほどしかないため古代樹の枝や上、樹の間を縫って進まねばならない密生地帯。古代樹に侵食されながらもなお神秘的で危険な空気を放つ古代遺跡地帯に分けられる。

 ハッキリ言って四人でどうにかなる場所じゃない。顔を見合わせてはみてもハードルが高すぎるのはどうあがいても変わらない。何も行動していないのにいきなり暗礁に乗り上げてしまった。

 だが、これ幸いと考えた者が一人。


「あたしの用事聞いてくれたら簡単なやり方教えてやるぜ? あー、てりちゃんも忍者なんだし野郎共を助けてあげて」


「あ、え? はあ……よくわかりませんが……」


 頭上に疑問符が浮かんでいるてりやきチャーハンを尻目に葉二は少し、いや、かなり嫌な予感がしていた。チラリとカゲロウの方を向く。同じように嫌な予感をしたようで表示を曇らせていた。下手に聞いたらとんでもない内容の依頼をされる気がしているため、すぐに返事はしない方が得策だと考えた二人はすぐに銀朱と玄武に伝えようとするが、


「おう、パパッとやるから教えてくれ」


 玄武は即座に聞いていた。膝から床にに崩れ落ちるカゲロウと葉二などお構い無しにだ。

 てりやきに至っては優雅にコーヒーを飲んでいる。


「なに、難しい依頼じゃないよ。本一冊と出先で人を捕まえてきて欲し『ヒイイイィィ! たぁーすけてぇー!!』あ、ちょうどいいな」


 飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。かるぼがニヤリと笑う。まさかと言いながらも、窓際にいた銀朱とカゲロウも玄武と葉二を呼んで外を見る。

 咳き込みつつもてりやきは声のした方へ動いた。窓の向こうだ。外の方から聞こえた。

 窓を開ける。

 裏道である目の前の細い通りを風が通り過ぎた。

 風の後ろを武装した店員の服を着たNPCが追いかけていく。

 一瞬ではあったが見えたのはパンを片手に走る少女の姿だった。


「あの子、一葉楓って言うんだけどさ、まあおっちょこちょいでね。大方売り物を持ったまま外に出ちまって他のプレイヤーが作った店員NPCに追われてんだろ。マイホーム扱いのお店とかマイホームには規模に応じてNPC作成権限が与えられてるからね」


「……アレを連れてこいと?」


「うまいことNPCを撒いてな。まあいくらろくでなしな男でも忍者に槍道がいるならどうにかできんだろ? できないとは言うまいね?」


※何人行くか

※誰が行くか


「細い道に入ったら武器持って走らなきゃならない玄武さんはキツいでしょう。てりやきさんも忍者なら銀朱さんを含めた三人に決まりですね」


「了ー解。遠くにいっちまう前に行こうぜ」


「あ、待ってくださいよう! まだご飯食べてなくて力が出ませんよ」


「それは後にして下さいね。行きましょう」


 開けた窓から三人が飛び出していくとすぐに姿は見えなくなった。

 行ったのを確認すると葉二と玄武にかるぼが向き直った。


「さて、教えてあげるもクソも無いんだけどね。あんたたちがわかんねえって言いなさった食材はフォッサ砂漠にあるもんだよ。

 で、レアモノのカオスロブスターとスサノオメタルだけど、メモの人探しのとこ見てみな」


「……多分今は砂漠のオアシスで釣りをしていると思うサクラという人を……ってあのサクラさんですか!? 彼女の作戦を実行したパーティーは常に死亡率が5%を下回るという……」


「ああ、その太公望の子だよ。カオスロブスターを手っ取り早くつりたいなら太公望がいると簡単になるのさ。全く……靉ちゃんも優しいもんだね」


「……興味が出てきたぜ、オイ」






* * * * *






 フォッサ砂漠、北のオアシス。

 そこで釣りをする人が一人。対極図が描かれたフード付きロングコートを着込んでいるため性別はわからないため、小柄であることしかわからない。


「えい」


 竿に手応えを感じ、引き上げる。糸の先に付いていたのは黄色い体の小さい金魚。


「エレキンギョ……」


 深く被ったフードでは表情が読めない。だが隣に置かれたバケツにはエレキンギョが大量に入っており、肩をわずかに落としたことから落胆していることがうかがえる。

 彼女の名はサクラ。

 名だけ聞けば名参謀として引く手あまたの少女だが、釣りにすべての時間を割いている彼女がそうだとは、一部の人しか知り得ない。

 そんなとき、背後の茂みからヌッと一人のドワーフが姿を表した。


「周りのモンスターは駆除したぞ」


「とう」


「ああ、『ありがとう』か。ワシなら気にするな」


「ん」


「つれたか?」


 首を横にふる彼女を見て、ドワーフの男、ダオは考える。



 ――これくらいの会話がワシには楽だな――と。



※今回は新しいメンバーは何人出るか

出たのは4。

つまり四人ね。

最後の二人は次回に。


※誰が出るか

1.一葉 楓さん

2.詩歌さん

3.サクラさん

4.たしぎ はくさん

5.ダオさん

6.てりやきチャーハンさん

出たのは1.3.5.6!

あら、詩歌さんとたしぎさんは次回に持ち越しです。サイコロの選択です。


※いくつか

出たのは2。

食材二個かー。


※どんな食材か

1.仙人掌闘士の果肉

2.マッドドラゴンの肉

3.ハニワキノコ

4.スーパー法蓮草

5.マッハトカゲの燻製

6.ウォーターゴーレムの涎

出たのは1.3。

ちなみに出たものでお話が変わってましたよ*\(^o^)/*


※いくつか

出たのは……また2。

2が大好きなのかうちのサイコロは。


※どんな素材か

1.世界樹の枝

2.スサノオメタル

3.エンキドゥの体毛

4.ハイドラの牙

5.カオスロブスターの甲殻

6.コスモスアゲハ

出たのは2.5!

これもまたお話の分岐点です。

それぞれエリアがバラバラなので出たものによっては違うところを飛び回ることになってましたよ(笑)


※何人行くか

出たのは3。

一人捕まえるのにずいぶん人が要るんですね(笑)


※誰が行くか

1.カゲロウさん

2.葉二さん

3.行くまえにNPCに捕まる

4.玄武さん

5.銀朱さん

6.てりやきチャーハンさん

出たのは1.5.6!

3はいわゆるハズレです。

あたんなくて良かったね(^o^)/

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