VSタナトスマフモ
前前回の対タナトスマフモ戦で活躍するのは見事鋭一さんに決定しました!
でも内容がこうなるのはサイコロが悪い。
「~ッ〈集中〉! 〈乱切り〉!」
クリティカル率を上げ、強力した四回連続攻撃の〈乱切り〉で鋭一は切りつけた。
※クリティカル回数は?
その毛の体にすべてがヒットし、HPゲージが削られる。
「二発ってところですか……〈写し鏡〉
たしぎさん!」
「わかっていま……す!!」
回避力を上げるスキルを使って下がった鋭一と入れ替わりでたしぎは至近距離にいるタナトスマフモに対しスパイクシューズによる蹴りをかます。距離をとるだけのダメージが少ない攻撃の意味は至極単純で、単なる時間稼ぎに過ぎない。罠の設置終了まで絶対にイヴリの邪魔をさせてはならない。アレができれば一気に勝負を決められる。
見た目に反してタフな敵に対して前衛である二人は完全な軽装であり魔法や物理ダメージを受ける余裕はあまり無かった。更にはポーション投げによる回復ができるイヴリは罠の設置で手が離せなく、プリーストを取得している詩歌は、
「乱発できなくてごめんニャ……」
本来の魔法職に比べてMPが少ない上、回復量もどうしてもメイン職がレンジャー系の彼女は少なくとも二度ほど使わなければ全快できずダメージを受けたら毎回回復するわけにもいかなかったのだ。現在は本当に不味いときに〈ヒール〉をかける以外は撹乱のために射撃をし続けている。
手元のポーションが無くなりかけてきたころ、鋭一が声を上げる。
「まだなのですか! 私達のポーションではそろそろ無理が……!」
「時間がかかるから今気づかれたらアウトニャ! タゲが外れてしまわないようにするしかないニャ!」
詩歌のあまり回答になっていない言葉にたしぎが顔をしかめて呟いた。
「とは言え一つ一分とは聞いていませんよ! ワンコも今引かしていますし壁が……」
ポーションをワンコに回す余裕が無くなり、HPゲージがレッドゾーンになってしまったワンコをたしぎは少し前に引かしており、現在は攻撃を流す二人が壁に。
だが普段軽装で攻撃をかわすタイプの二人は付け焼き刃では完璧に変則タンク役をこなすことはできず、連続して襲いかかる雷をしばしばくらっていた。
当然回避に集中しながら常に相手の至近距離でタゲを取り続けているため攻勢になかなか移れず大きなダメージが与えられない。残り体力も三割なのに押しきれない事に業を煮やした者が一人。
※誰か
「〈サンダーⅣ〉なら他のより詠唱に時間がかかりますから、四つ光ったら喰らうのを覚悟で叩きますよ!」
たしぎが言った内容は自らが先ほどの戦いで見つけた隙だった。
※成功するか
だが、その言葉に一瞬気を奪われたために逆にこちらに隙ができた。ほんのわずかで通常なら何の問題もないそれ――
しかし相手は通常では無かった。超高速詠唱の為にはお釣りが来るほどのタイムラグだった。水晶は光らず、先程までとは違う色の緑に近い雷、〈サイコパスショック〉が、発動する。
※攻撃を受けたのは
「うニャあ!」
後ろにいた詩歌へと狙い違わず〈サイコパスショック〉は襲いかかりその身を吹き飛ばした。
「い、今の魔法って!」
「以前見たことがありますが〈サイコパスショック〉です! ダメージに加え一定確率で気絶を付与するもののはず……」
※状態異常になるか
AGIを重視し職業的にもHPがあまり高くない彼女のHPは一気に減っていく。倒れた彼女は動かない。
「詩歌さん! ああ、なんてことだ! まだしたいこともいっぱいあったのに!」
「下らないこと言ってないで下さい! HPゲージはギリギリレッドで止まってますから残りのポーションで回復したら一度連れて離れてください! (間違いなく気絶になってる……回復役が!)」
「そ、そうはいってもタゲは!?」
「……私がやります。やらなくては……!」
たしぎにすぐに焦りが出る。どう考えても無茶であるからこそ、同時に自分では更に無茶であることも容易に理解できる。
回復役が居ない今、気絶から詩歌が戻る前にもし攻撃を受けて死に戻りした場合勝ちの目はなくなる。そして自分がタナトスマフモとサシで戦えばテイムモンスターが居ない今、すぐにやられてしまう。回避スキルなどもあるソードマスターがやるしかないのだ。
「すみません!」
詩歌を抱え、走る。
瞬間、水晶が一つ光り、一瞬で〈サンダーⅠ〉が発動する。
※誰に
ターゲットは、先程のままだったのだろう、詩歌へとまるで止めのように飛んでいく。
※当たるか
それを鋭一は間に割り入ることで受け止める。
声はあげない。一時退避するたしぎを邪魔するわけにはいかない。静かに細身の両手剣を構え直す。
「罠ができるまで私が相手です!〈写し鏡〉!」
幸いにもイヴリが設置している罠も全部で六個と言っており、今ちょうど五個目が終わった。(まだ五分しか経っていなかったのか)と思うと同時にこれ以上はと、回避力を上げるスキルを使い、鋭一は斬りかかった。
設置終了まで残り54秒――
* * * * *
「急がなきゃ、急がなきゃ!」
作業をしていたイヴリは焦っていた。
もう設置完了するまで一分を切っている。なのに、その一分が非常に長く感じる。目の前では鋭一が全力で戦っている。装備の耐久値もかなり危ないのだろう、所々が魔法により穴が開き焦げている。なのにまだ一分は終わらない。新作とは言えなぜもっと短くないのかと罠を作った誰とも知らぬプレイヤーへと不毛な怒りを覚える。
「早く、早く! お願い!」
* * * * *
斬り、かわし、斬りというまるで舞っているかのような剣撃。しかし直撃は避けていても僅かにかする魔法にジワジワとHPは減っていく。そして動き続けていた鋭一は次第に疲弊していった。
――走り続けることによるペナルティ。ここに来る前に遅刻した二人がなっていた状態に、たしぎが抜けたことでオーバーワークとなったせいで、次第に息が荒くなる。
疲労のバッドステータスだ。
だが敵は容赦などせず魔法を放つ。
※当たるか
「うああっ!」
なんとか回避していたはずの鋭一の声を聞き、顔を上げたイヴリの前に吹き飛ばされた鋭一が倒れ込んだ。
動きが鈍ったところで魔法が直撃してしまったらしく。意識はとんでおり、気絶になっていた。
――罠設置完了――
瞬間、頭の中に響いたその声にイヴリは勝ちを確信した。
状態異常は回復している暇もなく、鋭一にポーションを割り回復だけするとすぐに飛び出す。前衛である二人は居ないなら、自分がやらないと殺られると感じたからだった。
ナイフを投擲し、かわされた時に背後へと通りすぎ、渾身の体当たりを当てる。
罠の位置に吹き飛んだタナトスマフモは突如何かに体を縛られる。
「縫い付けの糸です。さすがに五個も設置したんです、動けないでしょう!」
そのまま地面へと、中心にあった最後の罠へと落下する。
※ダメージはどれくらいか
「で、新作の炎柱地雷です。残り二割なら……押し込めますよ」
炎の柱が爆音とともに立ち上がった。
時間がかかるだけあるなぁと呟いたイヴリの独り言は誰にも聞こえない。
他のメンバーを迎えに行こうと思い、未だ立ち上る炎柱に背を向けて歩き出した。
――キュオオオ!
「えっ?」
炎の中から、タナトスマフモが魔法を発動する。HPゲージがはほぼあるかないかわからないくらいで、最後の足掻きだったかもしれない。
水晶は光らず、それが意味するのは〈サイコパスショック〉ただひとつ。もしイヴリまで気絶してしまえば、全員後からポップしてきたモンスターにやられて死に戻りになる。他の皆は新しいモンスターを相手にする余裕など無かった。
※当たるか
魔法が放たれるその刹那、細身の両手剣がタナトスマフモへと突き刺さり、HPが0になった敵は素材とアイテムを残し消え去った。イヴリが後ろを見ると、そこには剣を投げた体勢の鋭一がいた。
「炎耐性高かったんですね……取り分私が多めになりませんかね」
小さい声で呟いた。
勝ったと喜ぶイヴリの前で考える彼女はリアリストになりきれてないなあと一人ごちるのだった。
ついに次回で第一回が終了ですな。
さあ皆さん、新しいキャラクター考えて待っててくださいねー。
ちなみに今回出た人もまた次回で出ることも可能ですが、キャラクター作る時には前回の設定を考慮してくださいね。容姿等はそのままで、服装とか変えてもいいですから。
※クリティカル回数
1.2.3.4.数字のまま。
5.6.クリティカルなし!
出たのは2。
※誰か
1.2.たしぎさん
3.4.詩歌さん
5.6.鋭一さん
出たのは1。
イヴリさんはしゃべれる状況じゃないので除外。
※成功するか
1.2.3.する
4.5.6.しない
出たのは4。
あらら。ついてないな((((;゜Д゜)))))))
※攻撃を受けたのは
1.たしぎさん
2.詩歌さん
3.イヴリさん
4.鋭一さん
5.外れる
6.ひょっこり出てきた靉靆さん
出たのは2。
6がでたらややこしくなってたので安堵(笑)
※状態異常になるか
1.2.3.なる
4.5.6.ならない
出たのは3。
あれ?ついに詩歌さん運を使い果たした?
※誰に
1.2.たしぎさん
3.4.詩歌さん
5.6.イヴリさん
7.8.鋭一さん
でたのは4!
はい、運を使い果たしたようですヽ(´o`;
※当たるか
1.2.3.当たる
4.5.6.当たらない
でたのは4。
お、まだ運が残ってましたね。
※当たるか
1.2.3.当たる
4.5.6.当たらない
でたのは3。
あちゃぱー。
まずくね?
※ダメージはどれくらいか
サイコロの数字が大きいほど大ダメージ!
出たのは3。
うわ困るわ。
※当たるか
1.2.3.当たる
4.5.6.当たらない
でたのは6。
最後の最後でラッキー((((;゜Д゜)))))))
ではでは皆さん楽しみにしていてください!
次回終わったら三次職を公開します!
条件職業と特殊職業も…




