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世界・神探しの旅

俺はウィッシュの後を追い、ヴァルディナにいた。

村の中心に立ち、ウィッシュは空を崇めている。

俺はかつて、故郷を燃やされ、死にかけた。父と夜飯を食っているときだった。

あの夜はいつもより一段静かで寒かった。背中をずっと逆なでされているような気分だった。

俺は冬は嫌いだ。寒いからじゃない。別に理由なんかない。唯々嫌いなだけだ。


故郷を燃やされたのも冬の時期だった。いつもより寒かったはずなのにだんだんと暖かくなっていった。

その時俺は心地よい気分になった。そして、外から悲鳴が聞こえ始めた頃、俺は村で何が起こっているのかを知った。


この世に神なんて存在しない。今まではそう思っていた。神は見たことも無いし、俺が何かをしてもらったり、した記憶も無い。俺はずっと疑問だった。なぜ人々は神を信じるのか。だが、村を焼かれ、俺は初めて気づいた。

神がいないとこの世界は成立しない。それほどの不条理がこの世には蔓延っているからだ。その不条理を正当化するには神が必要だ。だが、この世界にはまだ神はいない。神を名乗る愚か共どもはいるだろうが、それは本物の神じゃない。


俺は、いつしか神を探す旅に出ていた。

そして、ついに見つけた。本物の神、世界を正し、導く。


神は一人でいい。だから俺は、魔法なんて使えなくていい。


「マギア。この世の神よ。世界を…正して下さい。」


俺は一体…何を見ているんだ…さっきまで一緒に旅してきた仲間が、相棒が…なんで俺を崇めてんだよ…


「俺は…神なんかじゃない。人間だ。」


なんだよ…この状況…おかしいだろ…


ウィッシュは俺を目のふちに追いやった。

なぜ俺の顔を見ない。なんで顔を逸らす?


「ウィッシュ…君は俺に…何をして欲しいんだ…」


これの声を聴いた瞬間、ウィッシュは俺と目を合わせた。


「神として…世界に君臨してほしい。世の中の不条理をその名と力でねじ伏せ、正当化するんだ。」


不条理?ねじ伏せる?俺の力で…正当化する?


「それは独裁だよ…ウィッシュ。」


ウィッシュの言っていることは神という名の独裁国家だ。

そんなの、誰も幸せにならない。幸せになれない。

君は何を望んでいるんだ?綺麗な世界か?すべてが理屈通りに動く世界か?

例外なく皆同じ道を歩む。それを君は望んでいるのか?


「神以外、皆平等だ。」


「…ウィッシュ。君とは馬が合わないな。俺は神にならない。奴隷にもならない。」


ウィッシュ、君は何を見て、何を思って生きてきたんだ?

君の人生に、希望はあるのか?


「この世に神はいらない。」


この言葉が世界を二つに分断した。

ウィッシュが神を信じ続け、マギアと敵対した世界。

ウィッシュが神を捨て、マギアの相棒として過ごした世界。


世界は同時に進行する。遅くなっても、止まることは無い。未来永劫、進み続ける。

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