第4章:未解決問題と、ミッチーの覚醒
中二臭い感じにしてみました
砕けた関数、歪んだグラフ、跳ねる数式の残骸。
ゼロ除算によって崩壊寸前の《数理界》。
中央に立つのは、両手に無限を握る男——湯澤 拓真。
「解の存在が保証されていない? 上等だ。
この世界のルールはもう…俺が定義する!!」
「定義を壊したら、それはもはや数学じゃない…ただの暴走だ!」
木村 宗介が構える。しかし湯澤の放つ“ゼロ割りの嵐”は止まらない。
そのとき——
「オレ、わかった気がする!!」
叫び声とともに前に出たのは、ミッチーだった。
「数式とか証明とか、全然わかんないけどさ、
オレ、直感で**『正しい』って感じる答えがある**んだ!」
E.F.C.が青白く光り、勝手に数式を打ち出す。
if x→0,
1/x→∞
⇒ limit exists(極限が存在する)
ミッチー式補完:
"バランスが崩れる前に、もう1つの軸を作るべし"
ミッチー式補完:"バランスが崩れる前に、もう1つの軸を作るべし"
⇒“心軸”
「な、なにィ!? 未定義空間に、新しい軸を生み出すだと!?」
ミッチーが数理空間に“心軸”を生み出し、崩壊していた次元を強引に補正していく。
彼の放つ“感覚補完型解答”が、湯澤のゼロ除算の流れを逆流させる!
木村が叫ぶ。
「ミッチー!! 今だ、君の式に乗って僕が証明するッ!!」
二人の力が重なり、湯澤に向けて叩き込まれる究極の一撃——
《ハイブリッド証明式:オーバーライド・ゼロ》
論理 (木村)× 直感 = 「未解決」を「認めた上で」乗り越える新たな式。
湯澤の身体がふわりと宙に浮く。
静かに笑いながら、コンパスを閉じる。
「やっと…見えたよ。“答え”の、その向こうが……。
数学って、やっぱり…熱いな……」
光となって消えた湯澤は、数理界の奥深くへと消えていった。
ミッチーはへたり込みながらつぶやく。
「数学って、こういうもんだったっけ……おでん食いてぇ……」
ダンディー先生は静かにチョークを戻し、言った。
「君は数学に、新しい次元を与えた。感謝するぞ、ミッチー。
これから世界は、“君の解釈”で揺れるだろう。」
しかしその頃。
遥か遠く、数理界の最深部《アブストラクタ領域》。
薄闇の中、すべてを見ていた男がいた。
姿は黒いマントに包まれ、顔は仮面で隠されている。
彼の手元には、かつて誰も解けなかった未解決問題が並んでいた。
Goldbachconjecture...Riemannhypothesis...Navier–Stokes...
「ふふふ……ようやく、“適合者”が現れたか。
感覚で式を補完するなど、常識外にもほどがある。」
「ミッチーくん……キミには、もっと難解な試練を与えたくなるね。」
その目に浮かぶのは、狂気か、あるいは知性の極地か。
“名前など、まだ不要。だが、彼は確かにそこにいた。”
次回予告
第5章:アブストラクタの使徒と、黒き証明者
“未解決問題が動き出す時、世界は論理と幻想に分かたれる。”