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第八章:評定所の試練

翌日、悠翔は清十郎に連れられ、江戸城の評定所へ向かった。広い畳の間に、老中・阿部正弘を始めとする幕府の重鎮たちがずらりと並んでいる。その中でも、開国派の中心人物、井伊直弼の側近・長野主膳の鋭い視線が悠翔を刺す。主膳は30代の厳めしい男で、幕府内での影響力は大きい。


悠翔は一瞬、気圧されそうになった。だが、彼は深呼吸し、胸を張った。マントを翻し、厨二病全開のモードに切り替える。


「ふん! 貴様らが俺を試すだと? 俺は黒崎悠翔、時を裂く闇の使者! この国の運命を救うため、未来から降臨した! さあ、かかってこい!」


阿部正弘が静かに手を上げ、場を静めた。


「黒崎悠翔、貴様の言う未来の知識、確かに興味深い。だが、開国派の者たちは、貴様を異国の間者と疑っている。今日、貴様の真意を明らかにせよ。開国を防ぐ策とは何か、具体的に述べよ」


悠翔はスマホを握りしめた。バッテリーは1%。もう動画も写真も見せられない。だが、彼はここで退くわけにはいかない。彼は適当に歴史の断片とアニメやゲームの知識を混ぜ合わせ、でっち上げた。


「ふっ! 開国は破滅への第一歩! 異国の者は、貴様らの土地を奪い、文化を汚す! 俺の知識で、鉄の戦艦を創り、火薬の力を百倍にする! さらに、俺の魔導具が、貴様らの軍を統べる戦略を授ける! 開国せずとも、この国は最強の闇の帝国となる!」


主膳が冷笑を浮かべ、口を開いた。


「鉄の戦艦だと? 火薬の力だと? 空虚な言葉だな。貴様、その『魔導具』とやらを見せてみろ。それが本物なら、信じてやらんでもない」


悠翔の心臓が止まりそうになった。スマホはもう動かないかもしれない。だが、彼は賭けに出た。ポケットからスマホを取り出し、祈るような気持ちで電源ボタンを押す。奇跡的に、画面が点灯。だが、すぐにバッテリー切れの警告が表示され、画面が暗くなった。


「くっ……! 魔導具の力が、一時的に封じられた! だが、俺の言葉は真実だ! 貴様ら、俺を信じなければ、この国は滅ぶ!」


主膳が立ち上がり、声を荒げた。


「見ろ! こやつの道具は如何様だ! 異国の間者に違いない! 老中様、即刻、こやつを牢に!」


場がざわついた。阿部正弘は黙って考え込み、清十郎は焦った表情で悠翔を見た。悠翔は絶体絶命の危機を感じた。だが、彼の厨二病は最後の力を振り絞った。


「ふはは! 貴様ら、俺の力が如何様だと? ならば聞け! 俺の魂は、闇の炎に燃える! 開国派の愚かさは、歴史の審判を受ける! 俺は長州の志士と共に、この国を真の道に導く! 貴様らに俺を止めることはできん!」


その瞬間、部屋の外から騒ぎ声が聞こえた。長州藩の志士、桂小五郎が数人の仲間と共に評定所に押し入ってきたのだ。桂は堂々とした声で叫んだ。


「老中様! 黒崎悠翔は我々の盟友! 彼の知識は、幕府を正し、異国の脅威を払う鍵! 開国派の言葉に惑わず、彼を信じよ!」


阿部正弘はしばらく黙り、やがて口を開いた。


「よかろう。黒崎悠翔、貴様に最後の機会を与える。長州藩と共に、開国を防ぐ具体的な策を示せ。失敗すれば、貴様も長州も、ただでは済まん」


悠翔はニヤリと笑った。内心、「マジでギリギリだった……!」と思いながらも、表面上は余裕の表情を崩さない。


「ふん、貴様らの試練、受けて立つ! 俺の闇の力は、歴史を変える!」



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