食の偏りがすごい。
あのあと水都は様々な実験をしてみて、かなりの量の情報をゲットできた。
それは最初に見つけたステータス!と唱えることでステータスボードが出てくること。
そして弾丸創造も唱えれば弾丸が出てくるということ。
弾丸創造ってスキル一回唱えるごとに弾丸一個なの面倒過ぎない?と思った水都が適当に弾丸創造×十!とか言ってみたらほんとにジャラジャラと手から十個の弾丸が出てきて、×数字をいうとその数分出てくるということも分かった。
「あー疲れたーもう夕方かーってなんかステータスの魔力が結構減ってる?いやまあ結構減ってるって言っても全然元の魔力に比べると塵すら減ってないレベルだけど、なんでだ?」
(もしかして…弾丸創造って魔力を弾丸に変えるスキルなのか?まあ確かにコストなしに弾丸作れるって結構やばいもんな、MPがものすごくなるようにされてたのはそのためか、これは割とあの神に感謝してもいいのかも。)
「てか腹減ったー、宿ってご飯食べれるところとかあるかな?なんかそれっぽそうなやつはあった気がするけど…とりあえず聞いてみるか!」
「ないよ」
(うわまじかーレストランにありそうな感じの椅子あったから何かしらは食べれると思ったんだけどなー)
「えっとじゃあこの辺に安くて美味しいところってあります?」
「うーん、私はいつも自炊してるからねぇ、なんか最近このあたりに美味しい食事処が出来たってのは聞いたことがあるけど、場所は知らないんだよ。」
「そうですか…ありがとうございます、ちょっと探してみますね。」
……
(多分これのこと言ってたんだと思うけど…まんま過ぎない?)
水都の目の前にはオレンジの光が映えるおしゃれなレストランがあったが、看板に書いてある店名は(安くて美味い!店)。
「まあ腹減ってるしとりえず入ってみるか」
「いらっしゃい!俺はトブリだ!お前は?」
「え?ああ僕は滝部水都って言いますけど…」
(なになにどういうこと!?レストランのオーナーみたいな格好してる筋肉マッチョの人が入った瞬間に名前を言ってこっちの名前を要求してくるとかいう変な状況になってるんだが!?変な状況すぎてフルネームで名乗っちゃったよ、ここ大丈夫なのか?)
そう考えているとオーナーが「滝部 水都?お前もしかして西の国出身か?」と言ってきた。
(西の国出身か?ってどういう質問?名前のことについて何か関係があるのか…そういえばこのオーナーの名前トブリって言ったか、もしかしてこの辺だと俺の名前が珍しいとかかな、冒険者登録した時は特に受付嬢さんに何も言われなかったけどその西の国ってとこに日本と同じような文化があるからなのか?いつか行ってみよう、いやいやじゃなくて質問にどう答えるかを今は考えよう、まあでもこれは西の国出身だって言った方が
これからも楽な気がするし…いやでもこんな優しそうなオーナーに嘘つきたくないし…)
「僕は…西の方出身です!」
「やっぱりな!その水都って名前西の国出身の友人の名前に似てたんだよ!」
(嘘ついてないし?俺日本の西の方に住んでたし?これで良いよね)
「とりあえず席に座りますね、おなかぺこぺこで」
「おっとすまねぇ!そうだったな、これメニューだ、決まったらオーナー!って叫んでくれ。」
(えっとメニューに書いてあるのは、ハンバーグみたいな見た目のやつで名前はハンブーグか、似てんなぁ、てかそもそもこの世界の言葉って日本語なんだな、冒険者登録の時は気にしてなかったけど異世界のファンタジーな感じで日本語なのちょっと違和感、でも今考えても何か見つかりそうにないしとりあえずおなか一杯食べるためにいろいろ注文するぞー!あっでも…昨日みたいなやつは食べたくないなぁ…)
時は昨日に遡る、水都は冒険者登録を終えスライムの魔石の臨時収入が入り懐がほかほかだった。
そしてスライムを倒して疲れ切った体は食べ物を欲していた。
なので町の屋台で焼き鳥のようなものがあったので買って食べた。
否
食べてしまったのだ。
たちまち嫌悪感が出てきて。
そして、リバースした。
結局硬いパンを買って水につけて食べて腹を満たし、寝た。
そして今の発言に繋がる。
(ほんとあれは地獄だったなー、一応できるだけ味とかが事前にわかりやすそうなやつがいいしさっきのハンブーグってやつ、結構おなか膨れそうだしこれにしてみるか。)
「オーナー!」
「おう!なにを注文するんだ?」
「この…ハンブーグ?ってやつくれ!」
「おーけー!ちょっと待っててな」
……
少しするとオーナーが出てきた、その持っているお盆の上にあるハンブーグの美味しそうな匂いが座っている水都のところまで来ていて思わずおなかが鳴ってしまう。
(めっちゃうまそうな匂いー絶対うまいじゃんこれ、早く食べたい―)
「ほらよ!ハンブーグだ、熱いからよく冷まして食べるんだぞ?」
「はい」
「それじゃ俺は厨房にいるから、他に飯頼みたくなったらまた「オーナー!!」って言ってくれよ!」
「わかりました」
(ハンブーグ……キターー――!早速食べよう)
水都はハンバーグ、いやハンブーグの両隣においてあるフォークとナイフをぎこちないが使い、切り分けて一口食べてみた。
(うんまあああああああああ!!なにこれうますぎだろ!肉厚だし旨味がすごい肉汁があふれ出てくる!肉厚なのに柔らかいし乗ってる甘酸っぱいソースも最高だー-!)
バクバクバクバクバク ゴックン!
「あー美味かったー!一つ食べただけでこの満足感ってすごいなー!昨日みたいなのじゃなくてよかったー」
(よし、お会計しようかな)
「オーナー!」
「どうした?新しく注文か?」
「いえ、違くて、お会計を頼みたいんですけど…」
「わかった、じゃあ水都が食べたのはハンブーグ一つだから…銅貨三枚だな!」
「ドウカサンマイ?」
「おう!銅貨三枚だ!」
「安っ!」
「だろ!うちは看板に書いてある通り安くて美味しいがモットーだからな!」
きっと今皆さんはなぜ水都がこの世界のお金の価値を知っているのか疑問に思っていることでしょう、しかし実は水都は宿に行って支払いを済ませるときに宿のおばちゃんに聞いていた、この世界は主に銅貨、銀貨、金貨、に分けられて銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚、という感じになっていて、相場的には一食銅貨五枚が普通であるということを。
ちなみにスライムの魔石分のお金は、定期的に金貨が百枚ほど入ってくるため、ここのハンブーグであれば三百個ほど食べれてしまう。
(にしてもほんとスライムの魔石高すぎるな、ハンブーグ代が安いだけか?いやそれにしてもやっぱ高いんだなー)
「とりあえずこれでおねがいします」
「オーケー!金貨一枚だから…銀貨九枚と銅貨七枚のおつりだな!」
「ありがとうございます。」
「あーあと、兄ちゃんため口で良いぜ!俺は堅苦しいのがペーマンの次に嫌いだからな。」
「はいわかり…わかった。」
「おう!」
「てか俺は眠いから帰るわ、おやすみ、また来るね。」
そういって水都が店から出ようとした瞬間、、、
ドサッ
人とぶつかってしまった。
「あっすいません、前見てなくて…え?」
今水都がぶつかった人は…
急いで9話も書いてきます。