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第一話 リトルリーグ編①

あの日、私の全てが始まったんだ。


2012年5月ー


 ーまだ5月だというのに、各地で本格的な夏の暑さが到来ーという謳い文句が普通になってきた今日この頃、私が現在いる水戸市民球場は「天気の暑さ」と「人の熱さ」のふたつのねっきに包まれていた。


「ちーちゃん、暑いでしょう?お水とお茶どっちがいい?」


「ありがとうございます。お水いただきます。」


 お母さんから受け取った水はひんやりと気持ちが良かったが、私の手の熱で温くなってしまってはいけないと思い、座席に付属しているドリンクホルダーに置いた。


 暑いのは苦手なのだ。強い弱いの話ではない。寧ろ私は、暑いのには強い方である。


 思い出してしまうから。「あの日」起きたことを。当時小学2年生だった私は、ママに抱っこされて布団に入った。


 その日は久しぶりに仕事が休みになったパパと、ママと3人で、ピクニックに出かけた。


 私は、久しぶりに家族みんなでいられることが嬉しくって、ずっとずっとはしゃいでいた。


 今日も楽しかったな。そう思いながら、ウトウトと眠りにつく。大好きなママに抱っこされて、大好きなパパに頭を撫でられて。


なのにー


 いつもと違う、焦げ付く様な匂いで目を覚ました。

目を覚まして辺りを見渡すと、煙の様なものがたっているのに気がついた。すると、ドアがものすごい音を立てて、開いた。


「千聖!!」


「あ、ママ・・」


「大丈夫!?どこか怪我してない?」


「うん、大丈夫」


「すぐ安全なところに連れてくからね、ほらママに掴まって!!」


「ママあ・・パパは?パパはどこなの?」


「大丈夫・・パパも大丈夫だから・・」





「ちーちゃん?大丈夫?」


 肩に手を触れられて、我に返った。つい考え込んでしまっていた。その証拠に身体中にビッショリ汗をかいていた。


「暑いからねえ。お水しっかり飲みなさい?それともお父さんにお願いして、家まで送って貰おうか?」


「・・大丈夫です。少し考え事をしてました。」


「・・・そっか・・・。

 あ!ほら、ちーちゃん見てあれ!千尋が出てきたわよ!」


お母さんが指差したのは3塁ベンチ。今日は、弟の千尋の少年野球大会があり、私たちはその応援に来ていた。


本来、チームが3塁側ベンチであれば、応援する人たちも3塁側のスタンドに座るのが普通らしい。しかし、私が今回初めて千尋の試合を見るということで、お母さんと2人だけ、一塁側スタンドの千尋がよく見える席で観戦することになったのだ。


ベンチから出てきた千尋は周りの子達と比べても、ひとまわり身体が小さく見えた。


「千尋、小さいなあ・・」


「そうねえ、周りが6年生っていうのもあるけど、あの子は同級生と比べても身体が小さいからねえ」


私と千尋は同い年で、現在小学校4年生である。4年生と6年生では、身体付きの差があるのは当然だけど、それでも千尋は小さかった。身長順でクラスで真ん中くらいの私とも、比べる必要がないくらいに。


そんな弟が、周りの子達に囲まれているのに、なんとなく不安を覚えた。


「千尋、大丈夫かなあ」


「ねえ、母さんも野球はよくわからないから、詳しいことは言えないけど、今日はいつもより張り切ってるんじゃない?」


「そうなんですか?そういうの、わかるんですね・・・」


私と千尋は実の兄弟ではない。あの日以降、私は千尋とそのご両親に保護してもらい、一緒に暮らすことになったのだ。


「ほら!見てみて、ちーちゃん。あの子気合いある時とか、緊張してる時は、ああやって何度も帽子を上げて被ってを繰り返すのよ。ほら!また」


「確かに、あんなに周りの子達が大きかったら、緊張しちゃいますよね」


「・・違うと思うなあ」


「え?」


「あの子、ちーちゃんが見にきてくれてるから、だから張り切ってるんじゃないかしら」


「集合!!!」


主審の号令で、両チームがホームベースを跨いで整列した。球場中から拍手が起こり、私は少しだけびっくりした。


挨拶を終えたあと、3塁側の水戸南リトルリーグのメンバーは、主将らしい男の子の掛け声でそれぞれのポジションに掛けて行った。


つい先程まで、大人の人たちが丁寧に整備していたグラウンドに、選手たちが足跡を残していく。それは千尋も同じだった。


他の選手より一回り小さい千尋は、他の選手より少しだけ高い場所で大きく息を吸った。


千尋のマウンド姿は、素人の私が見ても様になっているなと感じるほど、落ち着きがある様に見えた。


そんな風に、彼に魅入っているとふと彼が一塁側スタンドへと目線を向けた。


一瞬だけ目があった様な気がしたが、千尋はすぐに投球練習を始めた。


「今あの子、こっち見てたわね。」


「そう・・ですね。」


7球の投球練習が終わり、一塁側ベンチ、対戦相手の石岡リトルリーグの1番バッターが左打席に入る。


「プレイボール!!」


主審を声を皮切りに、千尋が大きく振りかぶった。その大きく振りかぶった両腕を下げると同時に、右足を上がる。その姿勢は、彼の頭上から地面に向かって、まっすぐな一本の線が引いてある様だった。


しなやかに左腕を回し、千尋は初球を投げ込んだ。千尋が投げたボールは空を切る様な心地よい音を奏で、キャッチャーの乾いたミットへと吸い込まれて行った。


両チームの歓声よりも、スタンドの拍手よりも

大きく、大きく響いたその音は、私の心すら揺さぶった。


ミットの音の余韻に、球場全体が浸っているかの様に、一瞬の静寂が訪れた。


「ストライク!!」


主審のコールと同時に、球場から歓声が上がる。


千尋を讃える声、驚きの声、それらが球場を包み込んでいた。


「あらあ、今日はやっぱいつもより凄いかもねえ。ちーちゃん」


「・・・」


そこにいた男の子は、私の知っている千尋とは全くの別人だった。


あの球を投げれる様になるまで、どれほどの苦労をしたのだろう。あの球が投げられれば、どんなに楽しいだろう。


知りたかった。分かち合いたかった。

そうして私は、野球を始める決心を、水戸南リトルリーグに入る決心をした。


私は右利きだったけど、お母さんとお父さんに始めてのおねだりをした。


「絶対に左利きのグローブがいい!!」


あの日、あの時、あの場所で

私は、野球に魅せられていた。

私は、佐藤千尋に魅せられていた。


あのミットの音は今でも、

私の中で反芻し続けている。


そう、それは君もよく覚えているだろう。だってその日が、君の最後の投球日だったんだから。


ーーーーーーーーーーーーー







2014年6月ー(金)

「いつまで寝てるの!!早く起きなさい!!」


「わかってるよお!」


母親の声で目を覚ました。朝は本当に苦手なんだ。しかも今日は、ただ学校があるだけ。それだけの為に早起きするなんて本当に勿体無い気がする。


リビングに降りると母親の声以上にやかましく、朝ごはんをかき込む女が1人。


「あ!ひろ君おはよ!今日はさモグモグ・・朝一緒にモグモグ・・走る約束したじゃんゴクゴク。

たるんでるよ!ひろ最近」


ひろ君、ひろ、と安定しない呼ばれ方をしてるのは勿論俺のことだ。千尋のひろから来ている。千尋と千聖でヒロとサトだ。


俺は間違ってもサトちゃんなんて呼ばないけど。


「こら!ちー。食べるか喋るのかどっちかにしなさい!」


この朝っぱらからやかましい上に、ご飯茶碗3.4杯を食べるのが習慣になっている女。妹の千聖である。


訳あって、俺の家で一緒に暮らすことになったのだ。

確か、俺の父親と千聖の父親が大学の親友とかで、卒業後も年に1回は会うようにしていたらしい。


お互い結婚して、子供も生まれてからもこの関係は続いていたため、俺と千聖は全くの他人というわけではなかった。


「ご馳走様ー!!お母さん今日も美味しかったよ!」


「それはよかった。お茶碗をさげてくれる?」


「うん!」


「母ちゃん、俺も腹減った。メシ」


「もうすぐできるから少し待ってて。それよりアンタ顔洗ってきた方がいいんじゃない?メヤニ・・凄いわよ・・」


「ああ・・そうすっか・・」


「私手伝うよ!」


洗面台に行って顔を洗う。我が家はリビングから洗面台に向かう途中玄関を通るのだが、そこには昨日の夜とは配置の違うバットが数本並べてあった。


ー走った上にバットも振ってたんだなー


千聖が野球を始めたのは小学4年生の時。俺が投げた大会初日の後だった気がする。当時は物静かで、

おねだりとか、そういったことを一切言わなかった千聖が


「絶対に左利きのグローブがいい!」


と言って聞かなかったのが印象的だった。


あの日から、少しずつ少しずつ、千聖は明るくなっていった。いや、明るさを取り戻していったと言うのが適切だろう。


「はい!」


振り向くと千聖がタオルを片手に俺の横に立っていた。


「お前、母さんの手伝いするって言ったべよ」


「私、お手伝いするとしかいってないよ?」


・・それはそう。


「ほら早く受け取って。お母さんのところ行かなきゃ」


タオルくらい自分で出せる、とは言わなかった。

僕は千聖からタオルを受け取って顔を拭く。


千聖はニコニコしながら、僕の顔を見ている。


「・・・なんだよ・・」


「ありがとうは?」


「は?」


「そういうところはしっかりしないとね。野球だけが全てじゃないでしょ?」


「・・」


「ほら、親しき中にも礼儀ありって」


ホントこういうところからしっかりしてる。朝練も欠かさないし、礼儀正しい。オマケに顔も可愛い。鼻はスッと高く、目元も二重が特徴的だ。ロングのストレートヘアがよく似合っていると思う。隙がない女だ。


「・・ありがとよ」


「どういたしまして!」


ニコッと笑ってリビングへ戻って行った。


僕もリビングに戻り、千聖に急かされながら朝ごはんを食べた。


「いってきまーす!」


2人一緒に登校するのは小学4年生から変わっていない。最初こそ、からかわれもしたがー殆ど俺に対する嫉妬みたいなものだけどー今は周りの奴らにとってもそれが普通になっている。


ー俺としてはもうやめたいんだけどなー


絶対口にはできないけど。


「ようお前ら!今日も元気か?!」


俺たちを見つけるなり、ダッシュで近づいてきて首元にラリアット。これだけで誰かわかるから朝っぱらから耳元ででかい声をいちいち出さないでほしい。


「あ、土井垣おはよー」


「おう、千聖。それに千尋もな!」


「はいはい」


土井垣央隆

ドイガキヒロタカ

俺と同じ水戸南リトルリーグ所属のキャッチャー。強肩強打で、チームでも4番を打っている。持ち前の明るさでチームの主将も担っている、まさにうちの要である。


「あ!宿題忘れた!ヒロ、ちょい見せてくれよ」


キャッチャーだけど頭は弱い。勉強はできないけど、野球では本領発揮・・とんでもない。こいつの頭の本領を発揮したら、うちのチームは今すぐ解散だ。


まあ俺も、宿題やってないけど・・・


「お前、人に頼らないでたまには自分で何とかしろっていつも言ってるべよ。」


「ひろ君もどうせ宿題してないでしょ?」


・・・。


「私やってきたから、後で見せてあげるよ。急ご!今日金曜日だから、先生気合い入ってる。早く教室行かないと!」


「マジで千聖サイコーだべ!」


余談だが、千聖は家ではちーちゃん。学校ではサトちゃんと呼ばれている。その為少し前まで、千聖とフルネームを呼ぶのは俺1人だった。


ーなんか2人だけでずるいな。俺たち親友だろ!?ー


そういって、このアホも千聖呼びをする様になったのだ。千聖も最初は戸惑いつつも、それを許した。


ホント、アホは困る。これだけ特別感を出そうとしているんだ。千聖に気があるのなんてバレバレなのに、よく隠せてると思ってるよ。


「千尋。お前まだ手袋してるんか?」


土井垣は俺の左手を見て言った。


こいつバカだなほんと。千聖の顔が一瞬強張ったのがわかった。


「ちげえよ。これはー」


「お前あれだな?厨二病って奴だな。左手に手袋して、力が封印されてるんか?カッケェな」


厨二病はてめえだよと心の中で毒づきつつも、話に乗っかることにした。気の利いた言い訳が思いつかなかったから、正直助かった。


「そうそう、カッケェよな。今度お前もやってみろよ。」


「いやあ、おめえがやるとかっけえけどよお。俺がやってもあまり意味がなかんべ!」


普通のやつだったら心配するであろうこの左手を、なんの特別扱いすることもなく普通に接してくれるのは個人的には助かっている。


土井垣がいい奴なのは間違い無いんだ。そこまでこいつが考えてものを言ってるとは到底思えないけど。


2人で意味のない会話をしている間も、千聖は一回も会話に入ってこなかった。


放課後ー


俺はさっさと帰り支度をして、家に帰ろうとすると、クラスメイトに声をかけられた。


「ひろ!校庭でサッカーしていくべ!」


「わり、この後トレーニングなんだ。また今度誘ってくれ。」


「ひろくーん!何してるの、早くいこうよ!」


「あいよ。じゃ、また来週な」


「・・・。あいつらって付き合ってるのかな?」


「さあ、アイツらは付き合ってないって言ってるけどなあ。同じ家に住んでるらしいし、隠れて付き合うこともできるべなあ。」


「付き合ってねえぜ。アイツらは。」


「!!土井垣。お前いつからそこにいたんだよ。」


「さっき、トイレしてたからさ。アイツらの名誉のために言っとくけど、アイツらのトレーニング見たことねえべ?」


「無いな。」


「一度見てみろよ。付き合ってるとか、両思いとか、そんな生ぬるいこと言えなくなるぜ。」


俺たちは家に着くなり、そそくさとスポーツウェアに着替える。その間約1分半だ。


「じゃ、いこうか」


「おう」


僕たちの練習は5キロのランニングから始まる。この間は、割と今日あったこととか、野球のこととか、色々な悩みとか、話しながら走る日もある。


ランニングが終わり家に戻ると、柔軟体操を始める。千聖は柔軟体操とか、地味なトレーニングを嫌うが、長い視点で考えた時の体の柔軟性、特に投手をするなら肩甲骨の可動域の広さは欠かせないだろう。


これだけは俺が千聖にきつく言いつけている。


さてキャッチボールが終わるといよいよボールを使ったトレーニングだ。と言っても、今日はキャッチボールを軽くして、千聖のピッチングを受けるのがメイン。俺はサポートにまわる。キャッチャーミットは右利き用しかないので、俺は右投げでキャッチボールの相手をする。


「おい。右腕、上がりすぎだぞ。それじゃ制球が効かなくなるからやめろって何回言えばわかるんだよ。」


「距離が遠くなろうと低く投げてこいよ!全身でボールを投げる遠投を蔑ろにする投手に、未来はねえぞ。」


大抵の場合、俺が千聖に対して苦言を呈し、彼女がそれを聞いて修正やアドバイスを求める場合が多い。


俺の方が野球歴が長いということもあるが、千聖はまだ野球を始めて2年弱しか経っていないからだ。


「座るぞー。好きに投げていいぜ。」


「うん。よろしく。」


我ながら厳しく当たってるのに、素直に聞き入れて修正を試みようとする千聖には、素直に尊敬するのが正直なところだ。


こう言った部分がいちばんの天才的要素なのではないかと、俺は思っている。今度、千聖のやる気のの源について聞いてみたいな。


「まっすぐ」


「おけい!まっすぐ!!」


千聖は大きく振りかぶった。ワインドアップの動作は特にメリットもなく、無駄でしかないからやめろとこれまで何度か言ってきた。


他の大抵のアドバイスは素直に聞き入れてくれる千聖でも、これだけは聞く耳を持たないのだ。


「やだ、ぜっったいこのフォームがいいの!」


どこでそのこだわりを見つけたが知らないが、ワインドアップにメリットもないが、そこまで大きなデメリットもないので、こちらも無理にやめさせる事はしなかった。


両腕を下げると同時に、右足をゆっくりとあげる。頭の先から、背中を通って、左足の裏まで。一本の線の様に綺麗なフォームを見るだけで、体幹やランニング等の基礎トレーニングをいかに積んできたかが伺える。


力感のないフォームで、しなやかに左腕を回し、体重移動と腰の回転が加わる。


「んっ!!」


千智が放ったボールは、空を切る様な音で俺のミットに吸い込まれていった。


パァァァァアン!!!


文句のつけようのない、最高のストレートだった。とてもじゃないが、野球歴2年以内の女の子が投げるボールだとは、信じることができなかった。


「・・・どう!?」


「文句のつけようがねえよ。お前のストレートはマジで普通の小学生に打てる代物じゃねえ。」


千聖は満面の笑みを浮かべた。


「私、ストレート好き。投げてて気持ちいいし。」


「ああ、ストレートにこだわるのはいいことだぜ。」


「ひろ君が褒めてくれるし!」


「ばーか、褒めてねえよ。調子乗んな。」


「ええ!!さっき思いっきり褒めてたじゃん!」


褒めてない。本当のことを言っただけ。マジで、俺も打てるかわからない。そんなレベルのストレートだ。


「・・・。明日の試合、私たちが6年生になってから初めての試合でしょ?私、絶対勝ちたいんだ。」


「そうだな、勝てるよ。この球があればな。」


この調子で投げられれば、だけどね。実戦はそんなに甘くない。練習通りになんていかないことの方がはるかに多い。


しかし、今それをあえて、明日初試合を迎える女の子に伝える必要性はないだろう。


「・・・ねえひろ君。」


「?」


「君は、もうピッチャーはやらないの?」


「・・・。」


「覚えてる?私たちが4年生だった時の試合。周りがみんな大きい子達ばかりで、小さかったひろ君が目立ってた。私は最初は心配してたんだけど、それを全てかき消す様なミットの音。」


「千聖。」


「あの日の君のピッチングをみて、私は野球を始めたんだよ。君の様になりたくて、君が見た景色を分かち合いたくて。」


「あれから、ていうか私が野球を始めてから、一度も登板して無いじゃん。それどころか、左投げも辞めちゃって・・・。


やっぱりあの登板の時・・、その傷のせい?」


俺はため息をひとつついた。朝の登校でずっと静かだったのも、これが引っかかっていたからだろう。


「俺が投げたら、お前の守るところが無くなるだろ。お前、ストレート以外守備含めてクッソザルだし。」


「そう言うことなら、私に遠慮しないでよ!譲られたポジションで投げたって、なんの意味もない!」


「ほれ、今ソレ言ったところで明日の先発は変わらないんだ。練習練習。」


その後は、不機嫌そうな千聖をよそに、俺自身も自分の調整を終えた。


千聖じゃないけど、明日は俺たちが6年生になってから初めての大会だ。俺だって負けたくない。


「千尋。あんた明日はお母さん行けないけど、ちーちゃんと2人で大丈夫?お父さんも仕事みたいなの。」


「ああ、大丈夫だべ。2人で自転車漕いで行くよ。」


「明日は晴れるみたいね。土井垣君のお母さんに写真撮ってもらう様に言ってあるから。あんた、頑張ってきなさいね!」


「わーった、わーった。」


俺は恥ずかしくて、適当にあしらった。内心では、悪い気はしてない。いや、実は結構嬉しかったりもする。


「ひろ君おまた〜。お風呂空いたよ。」


千聖がお風呂から出てきた。5月の初頭とはいえ、例年の7月レベルに暑い昨今、長袖を着ろとは言わないが、ヘソが出るTシャツに短パンはいただけなかった。


さっきの事、気にはしてるんだろうけど、話題には出さなかった。


「うし、俺も入るわ。千聖、ストレッチ、ちゃんとやっとけよ。」


「はいはーい。」


「それとお前、ヘソだすな。風邪引いたらどうするんだ。」


「わかってるよ。いちいちうるさいなあ。」


「髪も濡れたままだし、アイス食ってるし。マジで頼むぜ。」


千聖は返事する代わりに手をヒラヒラさせて答えた。


ーー


「おい!」


千聖は俺が風呂を出た後も、ヘソを出して横になっていた。やっぱり何も分かってなかった。


「あー、今やろうとしてたところ!大丈夫ちゃんと覚えてるんだから。」


「はあ。わーったよ。早く行け。」


「アンタも明日早いんでしょ?準備とかできたら、寝ちゃいなさーい。」


洗面台の隣にある洗濯機を回しながら、母親の声が聞こえてきた。


俺ももう寝たいのは本心だ。明日の試合開始が9時、場所は水戸市民球場。ウチのグラウンドからは20分ほどでつけるが、身体も動かしたいし7時集合ということになっている。


試合開始の4時間前には起床するのが、俺のルーティンである。


現在の時計は8時を少し回ったところ、もう寝よう。


「ねえねえ、明日楽しみだね!」


寝ようと仰向けになる俺の顔を覗き込む様に、千聖がいった。俺と千聖は現在、同じ部屋で過ごしている。勿論、寝る場所も一緒だ。


両親には部屋を変えたいと言ったが、中学生に上がるタイミングでの一点張りである。


「ねえったら!」


「うるせえなあ、俺はもう寝るんだよ。」


「明日、私のピッチングで勝つか負けるか。決まるんだよね。」


「うまくやらなきゃ。しっかり投げて、私がチームを勝利に導くんだ。あの時のひろ君みたいに。」


「譲られたとか、関係ないよね。投げるなら、チームを勝たせる。私に求められてるのはそれだけだ。」


この切り替えの速さと理解力は本当に必要な素質だ。天才的な身体能力とかはなくても、彼女の野球に対するマインドは、天才たちのそれと重なる部分が多い。


コイツは将来、とんでもないことになる。これは確信だ。


「そうだな。でも、全部1人で背負う必要はないぜ。野球は1人でやるスポーツじゃないってまえにー」


「知ってる」


千聖はおれと顔を極限まで近づけて、力強い目を向けていった。


「だから、守ってね。私の事。」


「・・・。」


明日は試合だ。俺にとっては、小学校1年生から続けてきた、毎年必ずやってくる花火大会となんら変わりのない日。


でも、こいつにとって、千聖にとっては初めての大会、初めての試合になる。


絶対に勝たせてやる。そして、知らしめてやるんだ。

佐藤千聖、オマケにちょっとだけ土井垣央隆。この怪物バッテリーが、水戸南リトルリーグにいるということを。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2014年6月ー(土)

「おい、おい!起きろよ。もう朝だぜ。」


そう言われて目を覚ました。まだ眠いよ。

時計を確認すると、5時13分と46秒。外はほとんど日の出を迎えていて、この時期の暑さになれると、比較的心地よい時間帯ではある。


起こしてくれたのは、相部屋、ていうか同棲?中の佐藤千尋君である。

ホント野球に対するやる気というか、執念じみた気持ちは尊敬する。学校の日は、平気で寝坊する癖に。


「おはよ。ひろ君」


「おはよ。どうする?散歩でも行くか?」


「んー、今日はいいや。それより一度お風呂に入ってくるね。」


「別にいいけど、シャワーだけにしとけよ。朝から浴槽につかると、かえって身体に疲労がー」


「ああ、はいはいはいはい。分かってますよ。言われなくても分かってますって。」


ほんと、ひろ君は野球関連にはとことんうるさい。恐らくだけど、彼は私の事を弟だとでも思っているのではないだろうか?


とんでもない!私の方がお姉ちゃんだ!私より7センチも身長小さいくせに。


シャワーを浴び終えて、リビングに入ると、お母さんがお弁当を作ってくれているところだった。


「あら、ちーちゃんおはよう。今日は早いのね。千尋に早く起こされたのかしら。」


ひろ君の試合を始めて観戦したときもそうだったのだけれど、お母さんはひろ君の行動をある程度理解しているのだろう。


家族だから当然と思うかもしれないが、一緒に暮らし始めて2年の私には、まだわからない部分もある。


「母さんと父さん、今日用事があって応援には行けないけど。二人とも、頑張ってきなさい!」


「お母さん、その話昨日も聞いたわよ。」


そんな話をしていると、ひろ君が下りてきていた。なんでかいつも以上に緊張感があるように感じる。


「ひろ君・・もしかして緊張してる?」


「あ?!俺が?なわけねえだろ。」


張り切ってくれてるのかな、私の為に。って手前勝手な解釈ではあるが、少しだけ嬉しくなった。


「それよりそっちは?緊張してるか?」


「うーん、今は特に、昨日の寝る前の方が緊張してたかも。」


昨日は緊張で、12時くらいまで眠ることができなかったのだ。だから本音を言うと、もう少しだけ眠っていたかった。


「正常だよ。俺も初めて投げる日の前は緊張して眠れなかったんだ。」


「それって、小学校4年生のあの日?」


「そ、まじで緊張でうんこ漏らすかと思ったぜ。」


「へええ、表情じゃそんな風には見えなかったなあ。」


「そりゃマウンドに登っちまえばそうさ、グラウンドに立つと、不思議といろんなものが吹っ切れるんだよ。」


「・・・。」


「ま、今日行けばわかるさ。」


そうだ。そうだったんだ。今日私、ちょうど2年前に憧れた、ひろ君と同じマウンド、そこに立てるんだ。この日の為に、練習してきたんだ。


「そっか・・・楽しみだな。」


ーーーーーーーー!



グラウンドには集合時間40分前の6時20分ごろにグラウンドが目前に広がる場所まで到着した。私たちは6時前に家を出たので、大体30分くらいであろうか。7時集合だから何人か来ているものかと思ったが、車は一台しか停まっていなかった。


「お、圭祐んち来てるじゃん。はええな。」


陸橋を超えた、那珂川沿いの河川敷グラウンドが、私たち水戸南リトルリーグと水戸南リトルシニアのグラウンドだ。より川に近いほうがシニア。橋に近いほうがリトルの専用グラウンドだ。私たちが今いる陸橋からは、両グラウンドの様子が一目瞭然となっている。


グラウンドの駐車場には、見慣れた白のエスティマが駐車してあった。


私たちが到着するのを見るや否や、車の後部座席が開いた。


「うすうす。二人とも早いな。あれ今日、親御さんは?こないのか。なんだ言ってくれれば

俺んち乗せていったのに。」


人当たりのよさそうなこの男(実際いい奴である)、名前は鵜上圭祐。野球部特有の早口は健在であるのに、愛嬌の良さとノリの良さで、それを感じさせない落ち着いた雰囲気を醸し出している。


「圭祐はええな。集合時間まだだっぺよ。」


「いや、親父が今日バス当番だからさ。いろいろとチェックしてるらしいよ。」


「初戦のチーム聞いたことあるけ?水戸スターズっつう。」


「いや聞いたことないわ。知り合いもいないしさ。てか、スターズってなんだよな。軟式野球じゃあるまいし。」


「いやほんとそれな。」


リトルと少年野球では、いくつかの違いがある。一番大きいのはやはりボールだ。私たちリトルリーグは硬式ボール(甲子園とかプロが使う奴と同じ)で、少年野球は軟式ボールを扱う。それ以外にもチーム名に違いがある。リトルリーグのチームは「○○リトル」、少年野球は「地名○○ーズ」といった具合に、ある程度の形が決まっているのだ。


スターズなんていかにも、軟式っぽい名前のチーム。リトル経験者であれば、目につくのは間違いないだろう。


「新設のチームっぽいな。人数もギリギリだ。」


「でも写真で見る感じ、結構ガタイいい奴多いぜ。リトルレベルだと、ガタイで何とかなる場合が結構あるからな。」


「だな。相手のアップとシートノックからしっかり観察しようぜ。」


言い忘れていたが、圭祐は私とひろ君、土井垣と同じ学校に通う6年生だ。水戸南リトルには現在6年生が4人しかいない。彼が最後の一人である。


土井垣が頭が弱いのは勿論、私も観察とかそういった部分はまだわからないことだらけであるため、実質ウチの頭脳を担うのはこの二人である。


その後は今日のお互いの調子や、学校での課題について雑談をしつつ、他のメンバーが揃うのを待った。

45分あたりから続々と河川敷に車が集まる。


うちは上下関係に特別厳しいわけではないが、こういう待ちの時間は、同学年で固まる。


7時を2分くらい過ぎて、ようやく土井垣が姿を現した。


「わり!遅れた!」


このシンプルさ、図太さ。今時の人達にはないものであると、お父さんが言っていたのを思い出す。


全員が揃ったのを見て、監督が集合をかける。


「集まったな、移動前にミーティングを行う。集まれ。」


その一言で選手はあっという間に帽子をとって監督を中心とした円陣を組む。この人は、見た目こそ初老のおじいちゃんのようであるが、リトルとシニアの両方の監督を請け負っているため、他チームリトルの監督と比べると少しだけ怖い印象を持つ。


「まず、土井垣。てめえ。」


あ、終わったアイツ。私以外も全員が感じたことだろう。


「次やったら那珂川に沈める。わかったな?」


「う、うす・・・」


「てめえは試合が終わったら、挨拶と罰走だ。」


「・・・うす。」


あーあ。って感じの反応が半分。アイツばっかでえと笑いを堪えているのが半分。因みに6年生男子はもれなく笑いを堪えるのに必死だ。


私としては、主将なんだからもっとちゃんとしてほしいと半ば呆れてるのが正直なところである。


「てめえら。今日は待ちに待った初戦だ。だがわかってると思うが、俺は一切指示をしない。」


顔が怖いのと、サングラスをしてるせいで圧をかけられてるみたいな顔をする選手がほとんどの中、ニヤッと笑う選手が二人。無論、千尋と圭祐だ。


「のびのび、やりたいことをやれ。楽しまなきゃあ、やってる意味がねえ。」


ニッと笑って監督がいった。ようやく、他の選手も笑みがこぼれる。そう言う私にも、笑みというか、力が溢れてくるような、この気持ちを表現したいような気持ちだった。


「さあ、ぶちかますぞ!!」


きた!ここしかない!


「はい!!!」


「しゃああああ!!!」


一人だけ、違う返事になっちゃった。他の選手と何人かの父兄からの視線を感じるが、気にしてない風を装うことにした。


「よし移動だ。バスに乗り込め。忘れ物だけないように、チェックだけ忘れるな。」


いよいよだ。私の初登板が始まる!!


ーーーーーーーーーーーー



水戸市民球場にに着くなり、サブグラウンドアップを開始し、軽くキャッチボールとトスバッティングをして、球場入りを待った。


先発の私は他の選手とは違って個別でのランニングやストレッチでの調整が許されている。一人でやりたいことをできるこの特別感もたまらないけど、心配そうに全体アップ中にチラチラとコチラを見てくるひろ君に少しだけ辟易した。


8時だ。グラウンドでアップとキャッチボール、トスバッティングを行う。


私は、ブルペンで投球練習だ。水戸市民球場は、ブルペンがベンチの奥に備え付けられており、ちょっとだけプロ野球選手みたいだなとドキドキした。


20球ほど軽めに投げてベンチに戻ると、主将の土井垣から後攻を言い渡される。


先に投げれる!綺麗なあのマウンドで。ひろ君と同じマウンドで。


後攻のウチからシートノックが始まる。ボール回しから始まるのが通例だが、土井垣がいっつもアホみたいに凄いボールを、サードの下級生に投げつけるのが少しだけ気の毒だ。


ホント、加減を知らない。まあ裏を返せば、いつでも全力なのはいいところなんだろうけど。


ショートとセカンドには、ウチ自慢のツートップ。ひろ君と圭祐が並んでいる。


私はひろ君のグローブを見て、また右利きのままかとがっくり肩を落とした。


ひろ君は、私が野球を始めてから、左で投げているところを見たことがない。


まあ理由はわかってるんだけど、譲られているみたいで少しだけ腹が立った。


シートノックを終え、ベンチに戻ってくる面々。


ひろ君が私に気づいて声をかけてくれた。


「よう、どうだ?緊張感。」


「んー。してるんだろうけど。楽しみの方が勝つかな。」


「上出来だよ。キャッチボールしとけよ。俺は相手のシートノック見なきゃならないから付き合えねえけど。」


「うん。わかってる。」


「土井垣。相手頼めるか?」


「お、おう。まかせろ。」


土井垣が少しだけびっくりしたのが意外だったけど、私はベンチから出てグラウンド内でキャッチボールを始めた。


グラウンドからの光景はすごかった。お客さんは勿論少ないけれど、観客席を見渡せるのは爽快はさぞ凄いのだろう。


いつか、満員の水戸市民球場で投げてみたいな。


「千聖!」


ガチャガチャとキャッチャー防具を揺らしながら、土井垣が近づいてくる。


「どしたん?土井垣。」


「いやあ、最後に確認しとくべと思ってさ。

千聖はストレートだけでええんだっぺ?」


「うんいいよ。てかそれしか投げられないから。」


私は笑いながら言った。ホント笑える。ひろ君を追いかけて野球をしてたら、ストレート以外の球種を覚えるのを忘れていたのだ。


もしかしたら、ひろ君がそう仕向けたのかもしれないけど。


ーーーーーーーーーーー


ベンチに戻ると、ひろ君と圭祐が話し合っていた。

私たちが戻るのを見るや否や、コチラに寄ってきて


「こりゃ結構苦戦するかもな。」


開口一番にひろ君がそう言った。相手も結構手強そうとのことだ。


「ノックと相手のブルペン見る限り、そこまでレベルは高くねえ。スイングも汚ねえけど、やっぱでかい分速いな。千聖のストレートと噛み合ったらヤバいかも。」


と圭祐。


「打たせなきゃよかんべ!」


と呑気な土井垣。


「やってみなきゃわからん。今あれこれ考えてもしゃあねえべよ。それより、初先発の千聖に何か声かけてやらなあ。」


圭祐とひろ君があっけに取られたような顔をした。私はよくわからないけど。


「確かにそうだな!!」


と二人。


「行けるか?千聖。」


とひろ君。


「行けるよ。というか私は、みんなと練習してきたもの、そのまま出すだけだよ。」


私はベンチ前に整列しながら答えた。正直内心クサいと思ったので、周りの顔は見れなかったけど。


「集合!!!」


審判の合図でホームベースを跨いで相手と対峙する。開始前の挨拶を交わし、私たちは土井垣の声掛けに応えてグラウンドへとかけていった。


グラウンドには拍手が響いている。


「やっとだ。」


あの日から、憧れ続けたマウンド。あの日はスタンドから見てるだけだったけど、今日はここに立てている。


ちょうどあの辺りだったっけなと以前自分が座っていた一塁側アルプスの方を眺めながら、私が今してるのひろ君とほぼ同じだ!と一人でテンションを上げていた。


実際のマウンドはあの日見た時よりも高くて、何か特別なものに感じた。


「ピッチャー!投球練習早く始めて。」


審判に促されるまで、感慨に浸ってた私は、びっくりしてボールを落としてしまった。


多分今みんな、緊張してるのかなって不安になりながら私のこと見てるんだろうな。


ー1人を除いてー


さあ、右打席に1番バッターが入る。


「1番 ショート 五位渕くん」


「ぷれいボール!!」


きた、きたきた!この試合の、私にとっての、一球目。


ワクワクとドキドキが止まらない。大きく振りかぶり、高々と足を上げ、精一杯の力を込めて、私は第一球を投げた。


ゴスッ。


ニブい音と少しだけバッターの声が聞こえた。


「デッドボール!」


やっちゃった。初球はひろ君みたいに、綺麗なストレートを投げたかったんだけどなあ。


ひろ君がマウンドに寄ってくる。


ペチっと頭を軽く叩かれた。


「イテッ。」


「アホか!力みすぎだドアホ。そんなんで投げれるわけねえだろ。」


アホって二回言った。


「ちょっと、力入っただけだよ。次は普通に投げれる。」


「ちょっとの力であんなになるか!アホ!」


三回目。


「いつも通りでいいよ。なんなら俺と軽く流したブルペンを思い出せ。」


不意に優しく言われるから、ひろ君の言葉はスッと私のうちに入ってきた。

そうだ私、あんなに力入れて、ボール投げたことなんてなかった。


「わかったか?相手なんて気にすんな。お前のボールは簡単には打たれねえよ。」


ひろ君はそれだけ言うと、自分のポジションへと戻っていった。審判に一礼を添えて。


私は、昨日のひろ君とのやりとりを思い出していた。


ー野球は1人じゃできないってー


ーうん。だから守ってね。私の事ー


ああなんて表現すればいいんだろう。

あんなに狭かった視界が、今はこんなにも広い。


私は左手を挙げて、みんなの方を向いて言った。


「ごめん!浮き足立ってた!

ノーアウト!内野ゲッツー!!」


ショート圭祐、セカンドひろ君。皆んなよく見える。

私の掛け声に応えてくれる。


私は2番バッターの方へ向き直った。


私は1人じゃない。このチームで、全員で勝ちに行くんだ。

次回決着。そして、今後長きにわたる因縁の相手との試合です。どうしても前置きが長くなってしまい申し訳ありません!

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