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序章 八百万の精霊使い
かつて、好風もしくは粋月くう名義で、amazonのKDPで売っていた代物(今は販売してません)を加筆修正した代物となります。
完成している作品なので、投げっぱなしにはしませんので安心してください。
精霊使いと呼ばれる術者がいる。
天地万物及びその事象の全てに宿りし、最小にして恣意的な存在――精霊。そんな精霊と意志を疎通し、その力を借り受ける者達を人々は精霊使いと呼んだ。
そして、そんな精霊使いにも複数の呼び名があった。
ただ一系統の精霊のみに特化した一使い。複数の上位精霊を使役する高位使い。かつて神と目されていた精霊――神霊を使役する神使い。現在、存在が確認されている上位精霊の多くを使役し、その下位に位置する種精霊までをも自在に操る全使い――等々。
これから語る物語は、後の世に八百万の精霊使いと呼ばれる若き精霊使いの、波乱と刺激に満ち溢れた冒険譚であった。