表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/63

第8話 三大騎士

 自分の部屋に戻っていると、見たことのない騎士と遭遇した。あんな金髪ポニーテールの騎士いたっけ。しかも男だ。


 俺が知らないだけかもだけど。



「……こっちへ来る」



 ごつごつとしたアーマーに身を包む騎士は、俺の前に立った。



「キミか。噂の雑兵……」

「えっと……貴方は?」



「私は『ライトニング家』の者でね、皇帝陛下に絶対忠誠を誓う三大騎士のひとりだ」


 え……そんな騎士がなぜ俺なんかに声を。



「驚いているね。でも、私は立場どかどうでもいいんだ。キミの努力も聞いている。連日鍛錬に(はげ)んでいるようだね。かなり無茶をしているとか」



「勝つためですから」



「なるほど、良い目をしている。そうだな、では、カイルに勝利したら、この私が面倒を見てやろう」


「え……貴方(あなた)が?」



 驚いた。

 まさかそんな風に誘われるだなんて。

 なにかのドッキリか?

 だって、彼はあの三大騎士のひとりだ。



 三大騎士と言えば『ライトニング家』、『サンダーボルト家』、『ムジョルニア家』と並ぶ。名くらいなら俺も聞いた事はあった。


 どの家も大貴族だって、ラティから聞いた。



「ああ、強くなりたいのならウチがオススメだ。とはいえ、もしも勝利した場合だけど」



 これは驚いた。

 まさか上位の騎士から目を付けて貰えるとか、この上ない幸せだった。そうか、俺の努力は無駄ではなかったのだ。


 けれど、勝利しなければ意味がない。



「分かりました。明日勝てたらお願いします」

「良い返事だ。くれぐれも他の誘いには乗らないでくれよ。これで私の先約だ。いいね」

「はい……約束します」



 返事を返すと、ライトニング家の騎士は去った。……あ、そういえば肝心の名前聞いてなかったな。また今度会った時でいいか。



 ◆



 最後にもう一度、廃棄場へ忍び込み、大量の収集品を戴いた。変換作業を夜通し続け…………眠りこけそうになっても、自身を殴って目を覚ました。



 そうして、スキルレベルは『5』となり、成功率40%へ達した。どうやら、レベルがひとつ上がる毎に『5%』上昇するようだ。まだまだレベルを上げなきゃだが、今はこれが限界だ。



「とりあえず、レベルは『15』となった」



 カイルとのレベル差は『10』あるけど、スキルレベルも優先しちゃったから、これで打ち止め。もう上げられなかった。



「ここまでか……」



 また夜明けも見えて来た。

 決闘の時間も近い。



 俺は顔を洗い、身を整え……最後にもう一度、病室へ向かった。きっと、今日もいるはずだ。万が一もある、最後にルシアの顔を見ておきたい。



 病室へ向かった。



「もしかしたら、これが本当に最後かもな」



 ――いや、弱気になるな俺。

 この二日ずっと努力をしてきた。

 積み上げて来た。



 結果を出す時が来たんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ